【「総合学習」】
平成十四年度から始まる完全学校五日制に伴う新学習指導要領の目玉授業「総合学習」(総合的な学習の時間)が、来春から先取りして実施できるようになる。この授業は教科書もマニュアルもなく、先生の力量に左右されやすい。安易に流されないためには、授業評価が必要である。
総合学習は、子供たちが自ら課題を見つけ、それを解決する能力や主体的な判断力を身につけるために新設される。授業内容として、自然体験やボランティア活動、観察・実験、小学校での英会話などが新指導要領に挙げられているが、それ以上の具体的な例示はない。他の教科と違い、子供たちは点数では評価されない。
先生の自主性に委ねられている分、やりがいのある授業だが、心配な面もある。この総合学習の時間を実りあるものにするには、授業をできるだけ公開し、評価を恐れないことだ。
第一に、この授業は教科書がないのだから、先生が一年間や学期ごとの授業計画(シラバス)を作成し、それを子供や保護者らに示しておくことが大切である。そうすれば、保護者側も事前に授業の概要を把握し、問題点があれば、意見をいうことができる。
第二に、先生自身が(1)授業は狙い通り進んだか(2)子供たちの反応はどうだったか(3)次の授業に向けての反省点は何か−などについて、絶えず自己点検・自己評価を行うことだ。この結果をまとめておけば、学期や学年を通した総合評価もやりやすくなる。
第三に、先生同士が授業内容を発表し合い、意見を交換する相互評価の機会も必要である。これがないと、自己評価は自己満足に終わりかねない。ときには、地域の教育関係者らに外部評価を求めるのも有効な方法だ。
日本の学校の先生は総じて、教科書や教師用指導書に沿った授業はうまいが、そのような手本がない授業はあまり得意ではない。昭和五十年代、先生の創意工夫による「ゆとりの時間」(学校裁量の時間)が登場したが、ただ遊ばせたり、図書館で本を読ませたりする学校が多かったといわれる。
「総合学習」という貴重な時間を浪費してはならない。学校だけでやろうとせず、授業評価も含め、素材やアイデア提供などで家庭や地域の協力を求める姿勢が必要である。
新指導要領はこのほかにも、さまざまな新しい視点を打ち出している。社会科での「国を愛する心情」「日本の歴史に対する理解と愛情」の育成や、小学校の音楽での「君が代」の徹底指導などだ。こうした授業は来春といわず今からでも始めてほしい。