平成 11年 (1999) 7月15日[木] 友引
主張 窓口は政党本部にしぼれ

【企業献金】
 買収から受託収賄、詐欺など五つの罪に問われ、「政治犯罪のデパート」と評された中島洋次郎・元衆院議員に、東京地裁は実刑判決を言い渡した。「類例のない悪質事案で、国民の政治不信を決定的にした責任は重い」とする判決理由を、すべての政治家が厳しく受けとめ、政治の信頼回復に真剣に取り組むべきだ。

 折しも国会では、「コンピューター二〇〇〇年問題」ならぬ「政治資金二〇〇〇年問題」をめぐる論議が高まっている。平成七年一月施行の政治資金規正法で、政治家個人への企業・団体献金を「法施行後五年を経過した場合において、禁止する措置を講じる」と規定しており、その禁止措置の期限が来年一月に迫っている。

 民主主義社会の堅持と健全な経済発展のために、企業が政党や政治家の活動を支援することは正当な権利であり、行為であるといえる。企業献金を「悪」と決め付け、全面禁止すべきだとする論調には賛成できない。

 しかし、政治家個人への企業・団体献金の禁止措置が打ち出された背景には、ロッキード事件やリクルート事件など相次ぐ政界汚職の発覚による国民の政治不信の高まりがある。その後も、東京佐川急便事件や今回の中島事件など政治家と特定企業との癒着・利害に絡む不祥事が後を絶たない。

 こうした経緯や現状を踏まえ、政治家個人への企業・団体献金の禁止はやむを得ない状況にあるといえる。企業・団体献金は政党本部に窓口を一本化して、政治資金の流れをより透明にするよう求めたい。

 リクルート事件の反省に立って、政府の第八次選挙制度審議会の答申を基に、小選挙区比例代表並立制や政党助成法の導入を柱にした「政治改革関連法」が成立したのは、細川政権下の平成六年三月である。「政策・政党本位の選挙の実現」を基本に、「政治資金の調達も政党中心とする」という八次審答申の理念に立ち戻るべきだ。

 すでに民主党は、禁止措置と違反した場合の罰則規定を盛り込んだ政治資金規正法改正案を提出している。だが、個人献金の伸び悩みで企業献金依存の高い自民党議員を中心に、「禁止措置の先送り」案が浮上している。ご都合主義は許されない。「カネのかからない政治」の立法精神を生かすためにも、「けじめ」をつける時だ。

 ただ、資金調達の自己努力を怠り、税金(政党助成金)だけに頼るのは政党や政治家の責任放棄といえる。独自の政権構想や政策で支持拡大をはかり、支援を仰ぐことが本来の姿であることを、指摘しておきたい。