平成 11年 (1999) 7月27日[火] 友引

主張 三党は財源で合意を急げ

【介護保険】
 厚生省がまとめた介護保険料の全国集計で、六十五歳以上の高齢者は月平均二千九百円弱となった。制度の効率化を進め、負担を軽減しサービスを向上させることが重要である。さらに、財源問題で対立している自自公三党は、直ちに徹底的に論議して合意を得なければならない。

 高齢者の保険料は来年三月までに市町村ごとに決めるが、自民党は三年間に限り半額国庫補助する案を検討している。調査の結果、ほとんどの市町村は二千−四千円の範囲内で、平均的には大都市の方が高い。

 保険料が高くなる最大の原因は一人月四十六万円もかかる療養型病床群が、十九万床の予想を上回り、二十二万床を超える勢いになっていることだ。療養型病床群は、老人病院や有床診療所などの病室を広く使い、介護の環境を整えた施設である。医師や看護婦の配置が手厚いものの、小さな町村では高齢者一人が入ると、保険料が一気に千円ほど上がってしまう。

 このため厚生省は、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群の割合を当初の計画通り八対七対五に抑えるよう都道府県に要請した。一方では、療養型病床群の介護報酬を、四十六万円以下に引き下げる方向で、計算方法を見直している。

 介護保険の制度設計は、利用者が施設を選んで入所できるシステムだ。費用の一割が自己負担なので、負担額の多い療養型病床群などの施設に利用者が集中する可能性は少ないと厚生省はみているが、制度を運営する市町村の不安は強い。

 こうしたことから、公明党は施設サービスの財源を税金で、在宅サービスの財源を保険料で賄う案を打ち出した。内容は一長一短だが、スタート直前に走る距離を変更するようなもので、混乱に拍車をかけるだろう。

 自由党は、基礎年金、高齢者医療、介護を、すべて税方式にするよう主張している。財源は間接税というが、合計すると消費税一二%に相当する。保険料はなくなるが、国民の理解を得られるだろうか。消費税の引き上げ幅も時期も提示していないのだから、無責任といわざるを得ない。

 介護保険法に反対した新進党の流れをくむ自由、公明両党は、もともと現在の制度設計に批判的だった。しかし、三党が我田引水の主導権争いを展開している現状は、単なる選挙目当てのそしりを免れまい。

 三党で詰めの論議を行い、合意を得ることが与党の責任ではないか。党利党略でいたずらに国民の不安を増幅するようでは連立政権が泣く。