平成 11年 (1999) 8月26日[木] 仏滅

主張 国際救援組織を創設せよ

【トルコ大地震】
 トルコ大地震は発生から一週間がたった。がれきの下の生存者救出活動に当たっていた日本など各国の緊急援助隊は、当面の役割は終えたとして活動を打ち切り、帰国の途についた。

 大災害は地震だけではない。台風、洪水、干ばつなど世界各地で今後も毎年のように発生するおそれがある。あらゆる突発的な災害に各国が素早く援助の手を差し伸べるには、初動から復興までの一貫した援助ノウハウを備え、要員を派遣できる国際的な組織の創設が必要ではないか。

 地震発生後、各国の援助隊がトルコ入りした。援助隊を被災地に手配していく組織が当然、必要と思えるのだが、現在こうした国際機関は存在しない。トルコにも救援態勢の司令塔となる組織がなく、無駄な時間待ち、救出現場の変更などの混乱が生じた。一刻を争う初動活動からして、システム化された救援ができなかったことは問題点として指摘できる。

 第一段階の救援活動は終わり、今後は二十万人といわれる家を失った被災者の援助に重点が移る。住宅再建をはじめ、上下水道、電力などのライフラインの復活、医療・防疫体制の確立、食糧など緊急物資の提供などやるべきことはいくらでもある。

 トルコでは急激な経済成長が都市の人口集中を生み、この結果が国の建築基準法を無視した手抜き工事の横行を招いて被害を大きくした。耐震建築は日本が貢献できる分野だ。

 阪神大震災ではライフラインの復活から、街づくりまで、復興に向けての貴重な経験を積んだ。こうしたノウハウはそのままトルコの救援に活用できるだろう。

 最終的には被災地の再建という本格復興に向けた支援体制が必要となる。復興費は約二百億ドルとトルコGDP(国内総生産)の一割に上るとの予測もあり、トルコ経済に暗い影を投げかけている。対日友好国に対し、ODA(政府開発援助)大国である日本はできるかぎりの援助を実施してほしい。

 産経新聞社でもトルコ救援募金キャンペーンを始めたが、こうした各地での募金活動も被災者の生活支援、復興に役立つだろう。

 日本は地震だけでなく、台風、洪水など自然災害対策の研究では世界でもトップクラスだ。災害が起きたときの救援システム作りは、実は日本がすでにもつ知識の再構築でも可能である。日本がこのノウハウを背景に国連、経済協力開発機構(OECD)などに提唱し、世界のどの地域でも即応できる国際組織の設立を実現することが、真の国際貢献ではないか。