平成 11年 (1999) 10月25日[月] 先勝

主張 「外国人参政権」で譲るな

【日韓閣僚懇】
 韓国・済州島で開かれた第二回日韓閣僚懇談会は、おおむね両国の良好な関係を印象づけた。金大中大統領誕生以後の関係改善へのさまざまな動きを、基本的に支持したい。だが、在日韓国人ら在住外国人への地方参政権付与問題は、日本側として譲るべきではない。国家の主権という重大なテーマがからんでいるためである。

 閣僚懇談会は昨年十月の金大中大統領訪日のさいの日韓共同宣言・行動計画で決まったもので、十一月に鹿児島で第一回会合が開催された。今回は小渕第二次改造内閣が発足してまもないため、新閣僚や権限が強化された総括政務次官を含めて昨年の十一人を大きく上回る十九人が出席、二国間関係、朝鮮半島情勢、経済協力などをめぐり意見を交換した。

 サッカー・ワールドカップが共同開催される二〇〇二年(平成十四年)を「国民交流の年」とすることで正式合意するなど、友好関係強化に向けてのさまざまな取り組みが進展していくのは望ましいことだ。

 北朝鮮対応では、米国の包括的アプローチを踏まえ包容(太陽)政策をさらに進めたいとする韓国側に対して、日本側は昨年のミサイル発射に伴う制裁措置の解除には慎重な姿勢を示し、依然として温度差がみられた。これはむしろ当然のことで、それぞれの違いや国益をわきまえながら連携をはかっていくべきであろう。

 焦点となっている在住外国人に地方参政権を付与する問題について、韓国側は韓国国内の在住外国人への参政権を認める方向で準備を進めているとし、日本側にも相互主義にのっとった対応を求めた。これに対し小渕恵三首相は、議員立法で法制化するという自自公三党の合意を説明しながらも、異論も強いとして慎重な姿勢を示した。首相はその構えを今後も崩すべきではない。

 在住外国人の参政権問題は、国内で議論が尽くされているとはいいがたい。地方自治体職員の採用資格をめぐる国籍条項の撤廃とともに、主権国家の根幹にかかわる課題であるという認識を深めるべきであろう。納税義務は日本国内で生活し行政サービスを受けていることから当然のことだが、参政権となるとまったく別である。

 周辺事態法で規定されている周辺有事のさいの地方自治体の協力を引き合いに出すまでもなく、自治体行政といえども国の安全保障政策に組み込まれているのだ。在住外国人の権益を代表する地方議員が続々と生まれていったら、国の主権の行使そのものを左右する事態にもなりかねないのである。