◆4月2日付・読売社説(2)
◇球春到来、夢と活力をファンに◇
プロ野球公式戦がセ・リーグは二日、パ・リーグも三日に開幕する。
年間二千百万を超える人が球場に足を運ぶ。テレビ観戦者は数えきれない。開幕を待っていたファンの心も弾む。
本紙の「見るスポーツ」世論調査では、男性の七割、女性の四割強がプロ野球に関心を持つ。大相撲を抜いて五年連続首位の座は揺るがない。プロ野球の人気は不動と言ってよい。
観戦の楽しさは、個人技からチームプレーまで、自由自在の幅広さがある。家庭で職場で、帰りの飲み屋で、これからいろいろ話に花が咲くに違いない。
選手たちには鍛え磨いた技とパワーで、熱い戦いを期待したい。
国民的スポーツが明るい話題を提供し続けることは、景気が陥っている閉そく状況を抜け出すバネにもなろう。
東京ドームは巨人・阪神三連戦だ。
関西では、野村克也監督を迎えた阪神タイガースの戦いぶりが注目の的だ。
勝率五割で百三十二億円、日本一では千五百億円と、早々、その経済波及効果を試算した金融機関もあるほどだ。低迷が続く阪神が活躍すれば、失業率最悪の近畿地区に刺激材となることが期待される。
全国に多くのファンを持つ巨人の三年ぶり優勝となれば、波及効果はさらに大きいだろう。伝統の一戦は特に力が入る。
今シーズンも話題は豊富だ。西武の新人・松坂投手はプロの場で活躍するか。オリックス・イチロー選手は大リーグキャンプの成果を発揮するか。巨人・松井選手の三冠王の可能性は、等々である。
スピーディーでスリリングな試合を望みたい。それがファンの夢をさらに膨らませ明日への活力につながる。
昨年の米大リーグはよい手本だった。
マーク・マグワイア選手が三十七年ぶりに本塁打の年間最多記録を塗り替え、ヒーローとなったのは記憶に新しい。
サミー・ソーサ選手と最後まで争っての70号は、世界を熱狂させた。
好調な米景気と相まって、さらに盛り上がる大リーグは四日の開幕だ。両選手の再度の挑戦に注目が集まろう。移籍先を探している野茂投手をはじめ、伊良部投手ら日本人選手も踏ん張ってほしい。
日本のスポーツ界は、長引く不況の影響が深刻になりつつある。
社会人野球やバスケットボール、陸上、体操などで企業チームの休・廃部が相次いでいる。リストラに伴うものだ。
一足早く開幕したサッカー・Jリーグもかつての勢いはない。W杯効果があった昨年は一試合平均で約一万二千人と、少し観客数を増やした。しかし、最盛期の六割にとどまりプロ野球の半分にも届かない。
スポーツ界を引っ張って行く立場の、プロ野球の責任は大きい。
昨年は福岡ダイエーホークスのサイン盗疑惑があった。この反省を生かし、グラウンド内でのルールを厳守したい。
ともあれ、ファンにとって一喜一憂の半年が始まる。
(4月2日8:42)
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