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虫が鳴きます


 おなかがすくと、きゅるきゅるとか、ごーっていう音がする。世の中で、それをおなかの虫が鳴くって言うみたい。おなかの虫ってどんな虫なんだろう。
 おなかの中に虫がいて、歩いたり、走ったりしたら、とってもくすぐったそうだと思うんだけど。
 さくらは、おなかの中がくすぐったかったことなんて1回もない。
 お隣さんの中洲は、すごくおとなしい虫かもって言った。おなかの中が、どうなっているのか知らないけれど、すごいタイクツそう。
「さくらのおなかの中には、どんな虫がいるのかなあ。くわがたがいいな」
「くわがた?なんだか、痛そうだなあ」
「でも、くわがたは強いもん」
 くわがたには、2つも角があるんだ。ホントのは見たことないけど、写真は見たことある。風のウワサでは、とっても強いことになっている。
「中洲はなにがいい?」
「そうだなあ……蛍かな?」
 ほたるってなんだろう。
「光る虫だよ。水のきれいなところにしかいないんだ。夏の夜になると見られるらしいよ」
「光るの?ぴかぴか?すごい!見たい!」
 おなかの中が光ったら、おもしろいだろうな。夏になったら、ほたるが見てみたい。さくらは、くらいところがちょっとしか怖くないけど、ほたるは暗いのが怖いんだと思う。うんと怖がりだったら、光りたい!って思うよ、たぶん。
「中洲は、ほたる、見たことあるの?」
「見たことはないけど……蛍雪の功って憧れちゃうし」
 ケーサツノコウ?
 ほたるとケーサツの車がぴかぴか赤く光るのって、関係あるのかな。ほたるがおなかにいる人は、おなかがすくとぴーぽーっていうのかも。

 中洲は、次の日、お使いの帰りに5キロバイトも荷物を持って帰ってきた。すごい宝物なら見せてもらおうと思ったら、それは字ばっかりでちっとも宝物じゃなかった。
「おなかの虫のことがわかったよ」
 中洲は、調べものが大好きみたい。中洲はうれしそうに荷物を見せた。
「なんて言う虫なの?」
「ビフィズス菌」
「びひすすき……」
 聞いたことのない……。どんな虫なのかな。どきどき。
「目に見えないくらいちっちゃくて、バイキンと戦っているんだって!」
「どうして?」
「病気にならないように、おなかの中の悪いやつをやっつけているんだよ」
「えええええ!知らなかった!」
 おなかがすくと鳴くだけだと思っていたのに、びひすすきは、さくらのために戦っていてくれたんだ。さくらぜんぜん知らなくて、1回もありがとうを言ったことないのに。
「ビフィズス菌は、ヨーグルトが好きなんだって」
 さくらは、いつもびひすすきに守ってもらっているんだって思ったらすごい嬉しくて、ホントは、嫌いなヨーグルトも頑張って食べなっくっちゃ!って決心した。


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