◆多夢白鳥に会いに行く


白鳥 夕日に向かって何を
思う。









みんなお食事中なのです。









夕闇迫る荒川に白鳥が群れる。
カモもオシドリも・・それから・・。
皆様、突然で恐縮ですが、白鳥が笑うってこと知っていました?
私は見たのです。
え・・夢で見たのだろうって?
それとも童話の中の話だ・・!
いいえいいえ、そうじゃあないんです。
私が見たのはここ。
埼玉県 大里郡 川本町の荒川なのです。
コハクチョウが最初に飛来したのは10年程前の昭和57年。
その数11羽。
その後餌付けに成功して、今では一大飛来地になりました。
 白鳥は大別して世界で8種類が確認されており、シベリアにはこのコハクチョウとオオハクチョウが生息しているとのことです。
シベリアでは夏場を過ごし、子を育て、寒さが厳しく餌が少ない冬場になる11月頃に飛来し、3月までこちらで越冬します。
このシベリアから遥か4,000キロの長旅をして川本町に飛来するのですから、考えてみると凄いことです。
現地で配られた資料によると、コハクチョウは家族の結束がかたく、家族単位で行動し、それが沢山集まって群れをなしているとのことです。
しかも「一夫一婦制」でつがいは生涯変わらないとのことで、我々人間も見習いたいものですね。
餌にするのは水草とアシ・ガマなどの水生植物。
茎や根を長い首を伸ばして食べるのだそうです。
餌は魚と思っていた私には意外でした。
白鳥達の様子をしばらく眺めていましたが、ふと思いました。
「白鳥は何を楽しみに生きているのだろうか?」
その時です。
白鳥の中の一羽がこちらを見て笑ったのです。
一瞬見間違いか、はたまた頭がおかしくなったのかと思いましたが確かに笑いました。
川には当然流れがあります。
特に中ほどは流れが急で、見ていると白鳥達がその流れに身をまかせています。
急流のため泳ごうとしても自由が利かないと思いますが、白鳥はその状態を楽しんでいるように見えます。
流れの中でくるくると回転しながら、目の前を流れて行きます。
そして流れが緩やかになったところで、その流れから離れてこちらに向き直った瞬間、目が合って笑ったのです。
その後「しまった」という顔をしましたが、私は見てしまったのです。
白鳥が笑うという事実を・・・。
いろいろなことを楽しむのは人間の特権と思っていましたが、鳥達もそれぞれの楽しみ方を知っているようです。
よくよく観察してみると、流れているのは白鳥だけでなく、カモもオシドリも流れていきます。
皆流れては仲間同志が何事か囁きあっています。
その様子は実に楽しそうです。
突然パタパタと音がしました。
白鳥が川下から川上方向に水面を全力疾走しています。
忙しそうに足をバタバタさせている格好は、優雅に浮かんでいる姿と違い、何か滑稽感があります。
やがて、その白鳥は空に羽ばたいて行きました。
白鳥は体が重すぎて助走なしには飛ぶことが出来ないのだそうです。
そして春の息吹きが感じられる三月になると、白鳥達は次々に故郷のシベリアを目指して飛び立っていきます。
飛び立つ日は誰が決めるのでしょうか?
お父さんか、お母さんか、それとも家族会議か何かで決めるのでしょうか?
白鳥達が飛び立つ日、私もぜひ見送りに来たいものです。
 良い子のみなさん。
ここに書いたことは内緒のことですので、学校に行っても話さないよう、くれぐれもお願いしますね。
                                       1/28/1999