◆多夢お花見に行く


     桜野広場全景






桜の絨毯が見事です。






公園管理事務所
ここは熊谷市にある熊谷運動公園。
公式野球場1面を含む3面の野球場、陸上競技場、テニスコート。
それに屋内・屋外プール、相撲場も備えている一大総合スポーツ公園なのです。
ここには様々な施設に加えて日本庭園など憩いのためのエリアも設けられています。

その園内に毎年花見に来る桜野広場があります。
周囲200mにも満たない小高い丘の上には、樹齢何年くらいでしょうか、比較的若い桜が植えられています。

周囲にはベンチが点在しており、座ると全体が見渡せます。
それほど慎ましやかな広場です。
にもかかわらず私がこの場所を好む理由は、普段何の変哲もない黒色の盛り土が、淡い色の花びらの絨毯に生まれ変わっていく様にあります。

爽やかな春風が吹くと花びらが雪の如く舞い、雪が積もるが如く淡いピンク、いや桜色に染まります。
桜木と花びらの絨毯が実に見事に調和し、幻想的で、えもいわれぬ美しさを演出しています。

ベンチに腰を掛け耳をすませると鳥達のさえずりが聞えてきます。目を凝らすと様々な鳥影が木々の間に見え隠れします。
鳥達も桜に酔っているのでしょうか。
それとも桜の精との会話を楽しんでいるのでしょうか。

ふと桜木の影で何かが動きました。
誰か居るのでしょうか。
絨毯を踏みしめながらその場所に行くと、そこには淡い花をつけた細枝が風に揺れているだけでした。
ここでは幻影も見るようです。
それも桜の精の仕業でしょうか。
気がつけば広場の中央の木々の間に立っていました。
花びらが幻想的に舞い、私の頬をかすめていきました。
桜が放つやわらかな香りに私も酔いしれながら、いつまでもその場所にたたずんでいました。

                               4/11/99