◆コロッケと私

納豆のことを書いたのに、どうしてコロッケのことを書かないんだ!
コラッ!
とコロッケ党からお叱りを受けまして・・というのは真っ赤な嘘でありますが(ゴメンナサイ)何となく書きたくなったのです。
コロッケ、納豆というと(すいとんも)我が家の食生活のレベルを示すようで何となく気恥ずかしいのでありますが、私の少年時代はコロッケ抜きには考えられないのであります。(思わず涙)
 その当時(昭和30年代)はコロッケ1個10円、私のお小遣いでやっと買えました。
他におやつといえば一体何があったでしょうか?
マーブルチョコレートぐらいでしょうか。
現代のように糖尿病で悩む子供達がいることなど到底考えられないことでした。
また横道に外れそうなので話を戻しますが、私の家のすぐ近所にコロッケ屋さんがありました。
ご夫婦二人でやっていた小さな店でしたが、いつも揚げたてを食べさせてくれました。
「コロッケ1つ頂戴!」というとパン粉に包んだコロッケを目の前で熱い油の中にサッと入れて、途端にジュワ〜という音が上がります。
ジュジュ〜ッとコロッケが音を立てながらキツネ色に変わっていく様を眺めながら待っていると、やがて「お待ちどう」の声とともに揚げたてのコロッケが紙に包んで差し出されます。
それを家に持って帰るでもなし、店のすぐ裏で紙包みを解き、アツアツのコロッケを取り出し頬張ります。
香ばしく刺だった衣が口蓋を刺激し、噛み締めると肉汁が染み込んだ熱くホクホクした馬鈴薯の甘みが広がります。
特に寒い日にはいつもよりも多く5個くらい買って懐に入れると行火のように暖かく、心まで暖まる気がしました。
一度友達と鳩小屋(鳩を飼うために友達が作ったが鳩は居なかった)で泊まろうということになり、早速食料のコロッケを買い込みました。
いささか奮発して10個程買ったのですが、ちょっとした隙に置いておいたコロッケが野良犬(当時はたくさんいた)に食べられてしまい、鳩小屋に泊まろうという計画はあえなく挫折したのでした。
 その店のコロッケは近頃の店と違い、馬鈴薯を茹でてから裏ごししたポテトをそのまま使っているため、とてもホクホクしていました。
買ってきたというよりも自分の家で作ったかのような手作りの温もりが伝わってくるコロッケでした。
 そのお店は今はありません。
何時の間にか引っ越してしまい、誰もその消息は知りません。
でも少年の頃に食べたあの暖かいコロッケの味は確かな感覚として40を過ぎた今でも残っているのです・・・完。
 さてと、今度は「目刺しと私」でも書こうかな!
                                11/07/1998