◆多夢の初体験


奥多摩湖の静かな湖畔風景






ダムから眼下に臨む渓谷と紅葉






ダムから覗き込んだ149m下
の風景。足がすくみそう。
左上は発電所。
初めて体験したのだ。
何とダムの中に入ってしまった。
場所は東京の西部、多摩川上流の奥多摩湖を塞き止めている小河内ダム。
今,秋の観光シーズンたけなわで、奥多摩湖周辺は紅葉一色に彩られていた。
奥多摩湖は東京の西部多摩地域を横切り東京湾へと注ぐ多摩川の上流にあたり、丹波川、小菅川などの支流が流れ込む。
同湖は観光地としても知られ、春には1万本の桜が咲き乱れ、夏にはキャンプなども盛んと聞く。
私と女房は下の無料駐車場に車を止め、そこから歩いて登っていった。
さすがに空気がうまい。
周辺の鮮やかな紅葉が目を刺激し、時々頬にあたる風が冷たく気持ちいい。
2〜3分程歩くと視界が開け、広々とした奥多摩湖が横たわっている。
静かな湖面と鮮やかな山々の紅葉のコントラストが見事だ。
そこで思い切り空気を吸い込んでみた。実に気持ちがいい。
目を左に移すと小河内ダムが見える。

 ー小河内ダムー

小河内ダムは昭和13年に工事が始まり、戦争で途中中断したものの、19年あまりの年月をかけて昭和32年に完成した。
小河内ダムから流れ出す水は80%が都民の水道利用され、残り20%が電力利用されるという。
その電力量は5万数千世帯が使用する電気量に匹敵するという。
小河内ダムの規模は資料によると高さ149m、頂長353m底の敷幅はなんと131mもある巨大ダムである。
よくSF映画などで怪獣がダムを崩壊させるシーンが登場するが、実物はゴジラをもってしても到底無理だと思わせるほど強固なものである。
ダムの上から覗き込むと思わず引き込まれそうになるほど高い。(写真参照)
今年は水道事業100周年にあたり、特別に11月の土日祝日に限りダムの一般公開を実施した。
そこで初体験ということになる。
1グループ20名ほどでエレベーターに乗り込む。
頭にヘルメットを被った状態で物々しい。
否応にも緊張感が漂う。
エレベーターは出来たばかりとのことで全くというほど振動せず、100mあまりを一気に下降する。
1分程で下に到着し扉が開くとそこは別世界だ。
コンクリートに囲まれた通路が続く。
ここはダムの中なのだ。
ここは夏でも気温12度を上回ることがないとのことでヒンヤリする。
職員の方が水道事業及びダム役割などを丁寧に説明してくれた。
その通路を歩いて外に出てみた。
下から見上げたダムもなかなかいい。
コンクリートの壁が覆い被さるようにそびえ立ち物凄い迫力だ。
職員の説明は初めて聞くことばかりで勉強になったが、特に印象に残ったのは次の言葉。
「ダムの水を放流する時は上水を流します。何故かといえば、底の部分の水は水温が低すぎて魚が住めない。
生態系に悪影響を及ぼさないように上水を放流するのです。」
なかなか環境問題にも気を使っているようだ。
                              11/28/1998