◆雪やコンコン♪♪


多夢の家の前も雪景色一色に
雪やコンコン あられやコンコン♪♪
エッ?違うって?
言われなくても知っていますよ。私だって。
と言ったもののそれが違うってことがわかったのは、大人になってずっと経ってからなんです。
皆様の中にもそう思っていた方、居るんじゃありませんか?
今ホームページを見ているあなた!そうあなたですよ。
エッとっくにわかっているって? それは失礼しました。
本当は「雪やこんこ♪」なんですよね。
この童謡は明治44年の尋常小学唱歌に載ったもので作者不詳とのことです。
この「雪やこんこ」とは「雪よ来いよ来いよ」という意味があるのだそうです。
それを何故「雪やコンコン」と勘違いしたかといえば、「・・犬は喜び庭駆けまわり猫はこたつでまるくなる・・♪」という歌詞に原因があるのです。
この歌詞の印象が強すぎて、雪の中を犬が喜んで走っている様子が目に浮かぶじゃないですか。
このイメージが犬と良く似た動物・・そう狐とダブってしまったのです。
ちなみに狐はイヌ科だそうです。
ですから私の頭の中では犬がワンワン鳴いて走っている姿と狐がコンコン鳴いて跳ねている姿が、同時に映っていたのです。
それで「雪やコンコン」となっていたのです。
今でも「雪やこんこ」よりも「雪やコンコン」の方が歌い易いのです。
 先日今年初めてこの歌を歌う機会がありました。
そう初雪が降ったのです。
私の住む埼玉県は雪が全くというほど降りません。
降っても年に2〜3回程度です。
ですから雪への憧れは並大抵のものではありません。
雪国の人からすれば、雪ほど厄介なものはないとお思いでしょうが、多夢は雪が大好きなのです。
どのくらい雪が好きかといえば、話は学生時代にさかのぼります。
大学は東京に通っていたのですが、ある日どうしても雪が見たくなりました。
(ここからの話は決して口外しないでくださいね。もう時効だとは思いますが・・・・・・・???)
思いついたら即実行しなければならない性格が災いしてか、幸いしてかはわかりませんが、とにかく実行に移しました。
でも貧乏学生のこと、お金がないのです。
それでも「ええいままよ」とばかり100円玉を手に出かけました。
駅で当時最低の100円切符を買い、電車に飛び乗りました。
乗り込んだ電車は確か高崎経由の上信越線でした。
途中新潟方面に向かう上越線と長野方面の信越線に別れるということも知らずに、とにかく飛び乗ったのです。
車中はスキー客で一杯でした。
その中で私は異色と映ったらしく皆がジロジロと好奇の目を向けてきました。
故郷に帰るのなら荷物を持っているだろうし、スキーならば当然スキーを持っているだろうし、でも私は何も持たず、普段着そのままの格好ですから、一体何だろうか?という訳です。
それらの好奇の目も一切気にすることなく、私の胸中は期待感で一杯でした。
電車は群馬県に入り、水上あたりまで来ると、ちらちらと雪が舞い始めました。
やがて電車はトンネルに入りました。
これが噂に聞いた清水トンネルか!この国境のトンネルを越えたら本当に「雪国」なのか。
私の胸は期待に躍りました。
そのトンネルを抜けるまでの時間の長いこと。
私は少しいらいらしてきました。
と、突然視界が開けました。
辺りは真っ白です。
本当に小説の通りでした。
私は電車の窓に顔をつけて窓の外に展開している銀世界の美しさに魅入りました。
「本当に雪国があったんだ!」
私は何時の間にか「雪国」の主人公の島村になっていました。
やがて電車は越後湯沢の駅にすべり込みました。
小説の中の島村はここで駅を降り、駒子に会いに行くのですが、私は会う予定の人も、それより何より切符を持っていないため、駅の外に出ることが出来ずにホームにたたずむばかりでした。
それでも私は時間が経つのも忘れ、辺り一面の雪景色を眺めていました。
今では懐かしい思い出です。
 さて、よく雪が降る音を「しんしん」と表現しますが、その表現にはとても美しい響きがあります。
全ての音を吸収するだけでなく、純白という色ですべての汚れを覆い尽くすかのような清らかささえ感じます。
そこには空間という概念も時間という概念もなく、母の体内に、いや深淵なる神の懐の中に抱かれているかのような錯覚さえ覚えます。

「友よ・・・。雪の中に眠る精よ。
あなたは誰のためにうまれ、何処に去っていくのか。
あなたの体は冷たいはずなのに、あなたからは温もりさえ感ずるのは何故か。
純白の衣を纏い、肌は透き通るほど白く、その美しい深淵なる瞳は私の汚れに満ちた過去をも消し去る。
あなたに会える日はたった一日だとしても、
身を横たえると、そこには時さえ存在せず、永遠なる歓びを共有することができる。」

雪景色を眺めながら、ちょっぴりセンチメンタルな気分にひたる多夢でした。

                                   2/22/99