ハレの日
メールが来た。
差出人はM子である。
「籍を入れることになりました。結婚式はあげないつもり。でも気が変わったらヤルかも。その時は出席してね。」
なんともそっけないというか完結な文章。M子らしいというのか。
お互いの家は歩いて150メートルも離れていない。
3日もおかず会っているのだからその時に報告すれば良いものを。
さすがのM子もテレているというところか。
M子とおいらの出会いは小学校の時にさかのぼる。
同じ組になったのが縁でそれ以来かれこれ20年来の付き合いになるだろうか。
もう一人中学からKニが加わりおいら達3人はほとんど同じ思い出を共有しながら、
今までを過ごしている。
3人が同じクラスになったことはないのだが、うち二人は同じクラスになっていたし、
M子とKニは同じ大学。大学こそ違えどおいらも同じ札幌の大学へ。
3人とも示し合わせたように実家に戻り就職。不思議なものである。
思えばM子とKニとの出会いがおいらを助けてくれた。
いつも側にいてくれた二人のおかげで自分を見失わないですんだのだと思う。
複雑な家庭環境の中で二人と二人の家族がおいらの支えであった。
M子とは兄弟のように育った。
クラスの行事も運動会、学芸会、誕生日、M子の家族と過ごすことが多かった。
子供心に遠慮はしていたのだが、気にさせまいとするM子の両親の深い愛情にふれ、
素直にその愛情を受けとった。今でも感謝の念にたえない。
「母さん参観日とか1回もこないね。」「うん。。。」
「じゃ、おばさんがM子と@@の二人分行くからね。」
今でも友人の中にはM子と親戚だと思っているやつらが大勢いるハズだ。
一度ちょっとした事件があった。
高校の時である。いつものように講習を札幌の予備校で受けるべく予約をとった。
Kニは部活動が忙しいといことでおいらとM子と二人で行くことになり、
節約のためいつものようにホテルを一部屋借りたんだ。
しかしいくら兄弟のような二人とはいえ、家には内緒のこと。
たまたま用事で札幌へ来ていたM子の両親がホテルに訪ねてきて、
一部屋であったことにM子の父親が大激怒。
M子の母親がおいらをかばってくれて事無きを得たが、
あの時は血が凍りそうな一時だった。
いくら当事者二人にそんな気がなかったとはいえ、思春期の娘を持つ父親の気持ちを考えると、
怒るのは当然のこと。これだけお世話になっていたM子の家に迷惑をかけたことに、
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
Kニに連絡をとるとその日のうちに札幌までかけつけてくれてなんと心強かったことか。
当時高校生のおいら達。簡単に札幌にこれるものではないのだ。
それをかけつけてくれたKニに涙がとまらなかった。
そのうち自然のなりゆきでM子とKニが付き合い出した。
おいらの大好きな二人である。報告を受けた時、あんなにうれしいことはなかった。
どこに旅行に行く時もおいら達3人は一部屋である。
気を使って2部屋にしようよと言ってもKニが一部屋にしてしまうのである。
気を使ってくれていたんだよね。ありがと。でも気にしなくても良かったのに。
二人が付き合うってことを一番喜んでいるのはおいらだったんだから。
でも数年後に別れてしまい残念に思ったけど、二人ともサバサバしていて、
別れても今までどおり。3人で旅行に行くときはいつも一部屋。
そんな関係もこれで終わりかな。
3人とも結婚しなかったら、3人で暮らそうかって言ってたのがなつかしいね。
M子は札幌に行ってしまうそうだ。
はじめて離れることになり、今は正直どうとらえていいのかわからない。
うれしいことなんだけど悲しいよ。
旦那さんになる人とお母さんを紹介しに来てくれた。
「私の兄弟みたいな@@です。」
そんな紹介の仕方ってあるかい。びっくりしちゃうだろ。気悪くしなかったかな?
でもうれしいよ。うれしくて泣き笑いの顔になっちゃう。
M子の旦那さんもお母さんもとっても優しそうな人だった。
大好きなM子をよろしく。
3人の関係はかわらないよ。
ただちょっと新しくなるだけさ。今度は4人で遊びに行こうよ。
ハレの日に心からのおめでとうを君に贈るよ。

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