質問表

 私スニーカーが通っているのは、「ハイテク学部」とでも言うべき
変わった学部である。世間的にも、まだあまり知られていない。大学
前のバス停はほんの2.3年前まで「工学部前」だったし、完全な理
系としてセンターリサーチで扱われている(私が通っているのは文系)。

 入学してくる学生も、どんなことをするかはよくわかっていない。
うちの学部の「学問」を、入学して2年経った今でもうまく説明でき
ない位なのだから。まあ教官も、あまりわかってないような気がする
のだが。

 そんなうちの学部、最初に学部の名前のついた概論の授業がある。
この講義、学部長が直々に行うのだ。必修科目なので、全員が受ける
ことになっている。


 この授業で、内容以上に印象に残っているのが「質問表」。授業で
疑問に思ったことを書き、授業後に回収するのだ。ここまではそれほ
ど珍しくはないのだが、初めての授業で「とりあえず何でもいいから、
疑問に思うことを書いてみてください。」ということになった。そこ
で、「大学で疑問に思うことを、学部長に直接聞いてみよう」という
ことになったのだ。これ、いまでも取ってあるのですが(欠落あり)
今見返すと面白いです。大学での初めての授業の、初めての質問だっ
たのでより丁寧に答えてもらえました。

 *大学で勉強することは、就職のためなのか?
 →「そうは思いません。就職や仕事は人生の一部です。良い社会人
(会社人ではない)を目指してください。」
 *大学の先生は、どうして講義の開始時間を守らないのか?
 →「ただの慣習です。皆さんは授業料を払ってるのだから、文句を
 言ってもいいと思います。」
 *講義に何を求めるべきか?
 →「自分で判断するのです。自分で判断する能力を身につけるのが、
 大学の目的のひとつです。」
 *大学の先生は教養科目に何を求めているか?
 →「人格のある社会人を作るには必須だと考えています。また社会
 で自分の分野だけ知っているのでは大きな仕事は出来ません。」


 大学生活や大学生活での目的、留学や就職から素朴な疑問(大学の
敷地の範囲はどこまでなのか?など)まで、たくさんの質問に答えて
下さったのでした。多忙のため、毎回全ての質問に答えが出ることに
はならなかったのですが、ほとんどの質問には答えをいただきました。
 学部長の授業を直に受ける機会などめったにない(学科も違った)
だけに、非常に貴重な体験でした。


 そういえば「うちの学科は具体的に何をするところなのか?」とい
う質問がありました。その答えは、「某社のCMではないが、一言で
言えないのが悲しい」とのこと。この答え、実は非常に的を得ている
のです。