作家名検索に戻る

まずは・・・村上春樹

当サイト、一番初めに紹介するのはこの人です。 村上さんに関しては、滅多なことが書けないくらい 尊敬しているので、最初に書くのは失敗だったかもw
村上作品との出会いは誰もが知ってる「ノルウェイの森」からで友達にに 教えられて読みはじめました。学生だったので時間を惜しんで 授業中に盗み読みをして、先生が目の前に立って睨んでいるのも 気がつかないくらい没頭したのを覚えています。
現在、中学生の方にこそ読んで頂きたいです!!  絶対!!

<作品>

「風の歌を聴け」
記念すべきデビゥー作であると共に、いわゆる「鼠3部作」の最初の 本です。 (3部作とは言っても実質4部作なのですが・・・) 村上さんはやはり希有な才能の持ち主で、これがデビゥー作と いうことは読めばわかるのですが、まったく現在の作品に見劣りして いません。  主人公の「僕」の寂寥感や喪失感などは、すでに ここで完成している、と言ってもいいのかもしれません。

「1973年のピンボール」
鼠4部作の2つ目。 前作の雰囲気を色濃く残した文が印象的です。 「風の〜」とこの「1973〜」は、「どこへも行けない僕、または どこへも行こうとしない僕」という、問題の解決をあまり望まない 主人公が描かれているような気がします。 その点で、新しい文体を 持った作家であるという評価を下されたのだと考えます。
ここでは「僕」は親友鼠と離れて暮らしていますが、非常にシンクロ した生活を営んでいます。 やはり鼠は主人公の影としての役割なの かもしれません。  「僕」は双子の女の子と同棲していますが 彼らはセックスをしていないと思うのですが、皆さんの感想では どうなのでしょうか?

「羊をめぐる冒険」
4部作の3作目。 これは個人的にあまり読み返さない作品です。 なぜか?を説明するのは難しいのですが、・・・・前2作のような 青春小説(ほんとはこの言い方も正しくはないのですがw)でもなく 近作の「ねじまき鳥クロニクル」ほど歴史考察小説に徹しているわけでも ない、といった微妙な立位置がしっくりこないからだと思います。 この作品を評すると・・「愛憎半ば」ということになりますw (読むとスンゴク楽しいのはもちろんですからね)逆に言えば 現在(2001年)までに書かれた作品をすべて先取りしたもの、 のような、そうでないような・・・・w
やっぱり微妙です。

「ダンスダンスダンス」
4部作の最後の物語。  これは出版の順番で言うともっとあと の作品です。 数ある村上春樹文学の中でも群を抜いて物語としての バランスが良いものだと感じます。登場人物も、これまでの作品より 多く非常に魅力的なキャラクターばかりです。 その中でも世間と ソリの合わない美少女「ユキ」は話の中心に位置し、僕も大好きな キャラです。(ただ単に、僕が「ハネッカエリの娘好き」なだけですが) 4部作の中では登場人物が死んでしまう率が高いのですが、不思議と 「希望」の2文字が似合う作品になっています。

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」
読者ランキングがあると、1番になることの多いのがこの作品です。 今までにありそうでなかった、一つの現実を二つの物語に分けて 同時進行していく小説です。 この同時進行の具合が絶妙で仕掛けが 途中でわかっても(むしろわかって再読する時の方が)、感心して しまいます。 僕はウラの物語である「世界の終わり」の静かな トーンがたまらなく好きです。  村上春樹さんの「考え方」が よく理解できる、といった点ではナンバー1の小説です。 どう考えても端所役の「レンタカー店の女性」が忘れられませんw 共感のある方はBBSやゲストブクの方に書き込みをヨロシク

「ノルウェイの森」
説明なんて要りませんよね? ベストセラーで、国民の70%はこの 作品の存在を知っているでしょう(独断です)。村上作品では はじめて主人公に名前が付いた物語です。村上さん本人の口からは あまり自分の作品の下地を練って書いている、というような発言は 見られませんが、すべての村上作品は綿密な青写真があって 構成などを考えているはずです(これも独断)。その意味で 主人公に名前がついたことは重要なことのようですが、未だに その意図は僕にはわかりません。本当は特に意味はないのかも しれませんしねw   「直子」より「緑」に人気の軍配があがるの は、もっともな所でしょうねw  世間でいわれるほど性描写が 激しいわけでもないので、もっと多くの人に、深く深く読んでもらい たいですね。

「国境の南、太陽の西」
村上作品でもっとも批判されるのが、この作品です。「ただの不倫 小説」「ノルウェイ〜の焼き直し」など、なかなかキツ〜〜イお言葉 が向けらているようです。  たしかに、まるで救いのない 「イズミ」との関係、結局は去ってしまう最愛の人「島本さん」、 一般的な目で見たら破局同然になる「有紀子」との夫婦関係など 究極的に救いのない話で終わります。・・・と書いたところで やっぱりある程度の批判は受けるべき作品なのだろうと再確認しま した。  しかし、物語自体はあまりうまく機能していないからこそ、 作家村上春樹の方向性のようなモノが浮き彫りになり、生の声に 近いメッセージを受け取れるのでしょう。 なぜなら救いのない 「イズミ」のエピソードからも、「なにかを伝えようとする作家の 姿勢」が、ひしひしと伝わってくるからです。  でも、やはり 村上作品を結構読んでいる、という人が手にとったほうが理解 しやすい作品と言えます。
島本さんとの話が多いにもかかわらず、妻との関係に重きを置かれ ているように見えますし、我々の日頃から口にする「悪」と いう概念を掘り下げて考えた上で、「悪」を誇張した作品にしようと したのではないかな?、というのが僕の感想です。
でも、ほんと「救い」、無いですよね・・w  読んでて体が痛く なるんですもん、主人公に共感しちゃって。

「ねじまき鳥クロニクル」
これは、出た当初は賛否両論で(むしろ「否」が多かった)時を 少し経て妙に評価された不思議な作品です。 テーマは「暴力」。 「国境〜」が少々誇張された「悪」だとしたら、この小説の 「悪」は「圧倒的存在を持った現実での悪」と置き換えられるのかも しれません。  「現実」「事実」というものが我々になにを 成しえるのか、どう影響があるのか、などという問題を真っ向から 対ジしているのです。  の、割に文体は柔らかく、初期の作品の ような印象を受けるのが意外だった記憶があります。 それはおそらく僕らが暴力に囲まれている事実、そのままを 書き出しているために、「驚く」要素が希薄だからなのでしょう。 間宮中尉の壮絶なはずの戦争体験ですら、特別な「暴力」に 感じなかったのは、僕が「暴力」に慣れてしまっているせいなので しょうか?     現実的にはあまり未来のないはずの笠原メイが 「明日」を感じさせ、金や才能といったものを持っているはずの ナツメグとシナモンから「過去」を感じとったのも印象的でした。

「スプートニクの恋人」
これは村上さんには珍しい中編小説です。 この物語では、村上作品によくある「あちら側への移動」が 「僕」にはおこらず、「僕」の恋する「すみれ」と、そのすみれの 愛する「ミュウ」におこるという、そういう点でも珍しい、と、 言うより新しい観点で話が進められた文です。
  はっきり認識できること(例えば科学や肉体関係)だけが、人生の 鍵となるわけではない。曖昧な知覚(例えば宗教体験、呪い、そして 愛など)の方がより良い方向に導いてくれるのではないか?という 問いかけをされている気分にもなる小説です。主人公を傍観者の役に したのも、スミレの顔が特に美人でもないことも、「僕」の教え子の 母親との肉体関係との別れなども、「リアル」なものごとを遠ざける ような意味あいがあるように感じられます。
この小説を機に、村上さんの小説の形態が変わるような予感が するのです。

取り敢えず村上作品長編の感想を書いてみました。
感想やオススメというより、なにやら偉そうな批評になって しまいましたが、村上さんの小説は全てオススメで、素晴らしい の一言に尽きるため、このような文章になってしまいました。

短編、エッセイ、ノンフィクションなどについては 、また他のページで書いてみたいと思います。

僕の文の感想や、「自分はこう思う」などの意見があればどんどん BBSやゲストブックの方に記入をお願いします。