本当は怖い「アルプスの少女ハイジ」 ピッチ編


以下の話は、とあるヨハンナスピリ研究家によって発見された「アルプスの少女」の第1稿のほんの一部である。彼は学会の発表をさておき、まず私にそれを見せてくれたのである。彼に感謝の意を表しつつ、以下の内容を発表する次第である。くれぐれも他言しないでください。


ここはアルムの山。ハイジはいつものとおり、山羊の世話をするペーターについて行き、山のマキバに行きました。そこでハイジは怪我をした小鳥を拾いました。ハイジはその小鳥を山小屋につれて帰りたいそうかわいがりました。
「名前は何にしようかなぁ。そうだ、ピチピチ鳴くからピッチにしよう。」
こうやって、小鳥の名前はピッチに名付けられました。ピッチは、ハイジの一生懸命の介護の甲斐あって、少し飛べるようになりました。
でも、そうなるとハイジは心配になりました。
「ヨーゼフがピッチを食べてしまわないかしら・・・」
ヨーゼフというのはおじいさんが飼っている犬です。いつも寝てばかりいる大きなセントバーナードです。
ハイジは、ヨーゼフがあんまり大きいからピッチを食べてしまうのではないかと心配しているのです。
ハイジはおじいさんに聞いてみました。
「おじいさん。ヨーゼフがピッチを食べないかしら。」
おじいさんはハイジの心配を笑いました。
「ははは。ヨーゼフはそんなことはせんよ。さぁチーズ作りを手伝ってくれないか。ハイジ」
おじいさんはやさしくそう言いました。ハイジはピッチを二階の部屋に置いたままにして、おじいさんのチーズ作りを手伝いました。
おじいさんは更にこう言いました。
「今日は鳥の肉も手に入ったからね。」
ハイジは嫌な予感がしました。しかし、おじいさんにその不安をうち明けられませんでした。
さあ、チーズ作りがおわり、夕食です。
食卓に座ったハイジは愕然としました。食卓のお皿の上にはピッチの丸焼けがあったのです。
悔しいけど、おいしそうでした。ハイジは子供だったので、悲しさよりも食欲に負けそれを食べてしまいました。
「きっとハイジも喜んでくれると思ったよ。」おじいさんはそう言いました。
ハイジは悔しさとおいしさが入り交じった複雑な気持ちで叫びました。


「サナバ ピッチ!(son of a pitch!)」



つづく・・・