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『羽』〜天使の話〜
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これは、奇跡なのかもしれない。
だが、奇跡がどれほどの事をしてくれたというのか。
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ボクは人間ではない。お父さんもお母さんもいない。
ボクは1人の人間によって創られた存在だった。
彼がボクを望んだから、ボクは“世界”に姿を現すことになった。
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でも、重要なことはそこにはないよ。
だって、そうでしょう。
なぜ存在することになったかなんて、自分には関係ないことなんだから。
人間なんて、特にね。
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ボクは完璧な天使だった。
そうであることを望まれ、創られた天使だった。
たった1人のための天使。それがボクだった。
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そのことを認識したとき、ボクはすごく寂しかった。
ボクは奇跡的な確立で生まれた存在であるかもしれないけど、それだけだった。
認識が状況を変える事はないが、進むべき道を多く照らし出すことはある。
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ボクの悲しい状況を認識したとき、そこには新しい道があった。
ボクはその道を進んだ。
どんなに長い道であっても、1歩を踏み出せば終わりに1歩近づく。
そして、ボクは今のボクになった。
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ボクは天使なんだ!!
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ボクを創った少年はどうなったかって?
それはまた、別の機会にお話しようと思う。
彼の痛みと悲しみを、ボクはまだ自分の中に受け入れられないから。
ただ、彼はもういない。
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天使。
それはボクがこの“世界”に存在できる理由。
ボクが求め続けていくもの。
失敗しながら。転びながら。傷つけながら。
ボクが消えてしまわないように。
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ボクを“世界”から消さないで!!
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