『羽』〜自由な少女の話〜
これは、奇跡を語った話ではない。
誰もが遭遇できる小さな出来事なのかもしれない。
あたしの背中には『羽』が2枚ある。
それは天空を翔ける者の証。自由なる心の誇り。
あたしは、何物にも縛られない。『羽』が自由をくれるのだから。
そう、思った。思わずにはいられないことだった。
でも・・・。
『羽』はあたしを飛ばしてくれない。自由を与えてはくれない。
あたしは中学まで、自分が不幸だと感じたことなどなかった。
あたしは、ごくふつうの家庭の、ごくふつうの子だと思っていた。
でも、あたしの信じていたものなど、現実を見ない子供の、砂で創ったお城でしかなかった。
お城は波にさらわれて崩れていった。泥が残り、やがてそれすら消えた。
あたしは自分に絡みつく幾重の鎖を見た。
あたしはすでに、何本もの鎖で地面に繋ぎ止められてた。
あたしは鎖の長さ分しか動くことなどできないんだ。
そして、もっと多くの鎖に繋ぎ止められていくんだ・・・。
嫌だ!!自由が欲しいの!!
天使は私に言ったわ。

「『羽』が見えるようにしてあげるよ。自由なるキミよ」

でも、結局はあたしに自由などなかった。
天使は鎖を切ってくれはくれなかった。
『羽』は何もしてくれなかった。
誰か答えを下さい。
人はなぜ、こんなにも多くの自分ではどうしようもない物事に縛られているのでしょう?
なぜ天使あたし『羽』を見せたのでしょう?
誰かあたしを自由にしてください!!
製作:くり