ADHD(注意欠陥多動性障害)



参考文献: メアリー・ファウラー(Mary Fowler)著 沢木 昇 訳
手のつけられない子 それはADHDのせいだった  (MAYBE YOU KNOW MY KID)



図書館で本を探していた時、突如飛び込んできたこの本。
あまりに衝撃的なタイトルに、驚かされた。
それが、この本との出逢いだった。


この本には、専門的なことはもちろんのこと、 ADHDの子の成長記録や医者とのやりとり、学校(USA)の対応、 親へのアドバイス、教員へのアドバイスが記載されている。
また、チェックシートも記載されており、ADHDの自己コントロール力を 高めるための参考になる。


ADHDの存在を始めて知り、 ショックが大きかった。
このADHDは、周囲の環境がよくも悪くもするのだ。
私は、どんな子どもに対しても、絶対に言ったら分かってくれるし、できる・・・
という固定観念を持っていたのだ。
それがくつがえされた。

みんなこの本を読め!!  これが本音。
自分の為にも、この本をもんきーなりにまとめてみた。

※ ADHDであるかないかは、医師の診断によるものであり、 素人が安易に決めてはならない。

もんきーがここに書くのは、ADHDのような 症状の子に接する為にというわけではなく、その子にあった指導を しなければならないということを、重く感じてほしいからです。
期待が重荷になっていることもあります。 応援が必ずしもその子の力になるというわけではありません。
そういうことをこの本を読んで思い知らされました。
思い当たる子が何人かいます。
その子たちがADHDであるかどうかはかわりません。
あの時の私の対応は間違っていたのではなかろうか。 重荷になっていたのではないだろうか。今、そう感じるのです。




  目  次

* ADHDとは・・・
* 原 因
* 治 療
* 日本の現状


◎ ADHDとは・・・


大人に怒鳴られ、クラスメートには文句を言われ、悪口を言われ。
長続きしない、落ち着きがない、すぐに気が散る。
たまにいい成績をとる。「やればできるのに・・・」そう言われる。
そんな子、周りにいませんでしたか?


「どうして自分は困ってばかりいるんだろう」
「どうして自分は駄目なんだろう」
「どうしていつも失敗ばかりしてしまうんだろう」
・・・みんな分からずに苦しんでいる。



・子どもたちの3〜7%(軽度から重度まで)と考えられている。
成人後も症状に悩み続ける人は多い。(推定4%)
・注意欠陥多動性障害。みんながみんな同じ症状ではなく、個人差もある。
・この障害は治ることはないが、家族や周囲(学校・地域)の協力に よって、軽減できる。
・自分自身との会話を完全に頭の中だけで行うことができず、 実際に声に出してしまうことがある。
・感情が顔や態度にすぐでてしまう。
・実際の年齢より幼く見える。我慢することができない為、態度が幼く見える。
・自分の症状は障害のせいだとは知らず、自分でも自分を責めている子が沢山いる。
・診断したことのない医師が多い為、気付いてもらえない子も多い。
・怪我が多い。機嫌が変わりやすく、かんしゃくを起こしたり、甲高い声を出したりする。



ラッセル・バークリー博士は、ADHDの根本的問題は自己コントロール力にあると説く。
「自己コントロール力」とは、長い目で見て自分の得になるような行動がとれる能力の ことをいう。
ADHDのある人は反応を遅らせたり、欲求の充足を遅らせたり、先を 見通して計画したりすることが不得手である。
あれをしよう、これはやめておこう・・・ という考えを持つまでに、私たちは過去の経験など参考にし、先々のことを計算する 必要があるが、ADHDの症状を抱える人にとって、一歩立ち止まって考えるということは 難しくなる。
したがって、何度も何度も同じ失敗を繰り返す。
例えば、手を挙げて発表しなければならないのに、問題を聞いて、即答してしまう。
また、一度こけたところで何度も何度もこけてしまう、など。瞬間、瞬間の繰り返しなのだ。




◎ 原  因


ADHDの原因は、まだ正確には分かっていない。
食事やアレルギーが原因で起こるのではなく、また、親の育て方が原因で起こるのでも ない。


これまでの研究で分かってることは、遺伝子を介して伝わるケースが多いらしいという 証拠が見付かっている。
ポール・ウェンダー博士は「ときには、何世代か飛んで孫や曾孫の代で出ることもあるし、 子どもの代では特徴が薄まったり、タイプが違ったりして、直接にはわからないと いうこともある。
兄弟姉妹の中で一人はADHDでしかもひどく不器用、 一人はADHDだが協調運動能力には問題なしとういこともある。」と、説明している。
もちろん、必ずしも遺伝するというわけでもない。



ベネット・シェイウィッツ博士によると、「脳の中の神経伝達物質システムを構成している 化学物質のうちのどれかに、先天的な異常がある」場合がほとんどだと指摘する。
神経伝達物質といっても、種類がたくさんある。
現段階では特にADHDと関わりが深いのはドーパミンという物質ではないかと 考えられている。




◎ 治  療


※ 必ず医師との相談の上に、行って下さい。きちんとした上で行わなければ、効果はあがりません。

ADHDに魔法の治療法など、ありません。
ADHDの子ども自身が治療にあたるのではなく、影響をあたえる家族も一緒に あたるべきである。

・タイムアウト

  悪いことをしたら、決められた場所で決められた時間、動かずにじっとさせておく。
  タイムアウトの長さは、5分未満で、タイマーをセットする。
  この罰の目的は、自分のしたことは悪いことだったと、分からせる為です。
  あまりに時間が長いと、そもそも何をして叱られたのか分からなくなってしまいます。

・約束表

  行為そのものを、形式通りに評価する方法。
  悪いことは、悪い。善いことは、善い。「これぐらいなら、まぁいいか」という、 はっきりしない対応はしないこと。
  改めて欲しい点を最初は3つぐらいから選ぶ。
  「〜しない」という表現ではなく、「〜しよう」という表現にする。
  もし、兄弟姉妹がいるのなら、当人だけでなくみんな約束表を活用する。
  もちろん、内容は個々によって変える。

・1対1

  集団にいると、ストレスを感じやすいので、1対1の環境の中で遊ばせ、徐々に慣れさす。

・薬物療法

  上記の治療に加えて、薬物療法を必要とするのは約6割である。
  中枢神経刺激剤、三環系抗鬱剤、抗高血圧症薬の大きく分けて3種類ある。
  薬の種類、用量、使用状況を医者と決めておかなければならない。
  主に学校にいる間、投薬する場合が多いようだ。
  薬は、乱用しないよう、きちんと保管する。
  チェック表を用いて、投薬している期間、成果があるかどうかも見る。
  副作用のチェックをする。
  薬によって、症状がおさまったと、思わないでほしい。本人の努力も成果の一つなのだから。



◎ 日本の現状(1999年10月)


日本では、ADHDを抱える子どもが安心して生活していく為の、 基本的な環境は十分に整っていません。


日本の医療現場でADHDが注目されたのは、ここ10数年のことである。
しかも今のところ一部の病院だけである。
文部省にいたっては、1999年に
LD(学習障害) についての答申を出したところ。
ADHDの子どもに対しては、きちんとした医療も教育も提供されていない状態なのである。



落ち着きがない、衝動性が高いなどは、子どもの性格、親のしつけによっても 起こり得ること。
では、いったい境界線をどこではればよいのだろうか?
 →行動評価表を用いて判断。
   ・学習能力---何度も同じ間違いをしないか。
   ・手先の器用さ---ハサミで四角が切れるか。ボールがうまく投げられるか。
   ・心理検査
   ・脳波
対症療法ではあるが、リタリンの投与。



医療現場の問題点
 ・小児の精神科医が少ない。
 ・まだ、医師の中にもADHDを知らない人がいる。
  (熟知している病院は全国で10ヶ所ぐらい)
 ・小児科医と小児の精神科医とのつながりがうすい。



単なるわがままな子どもは叱る必要がありますが、ADHDの子には 逆効果。
本人自身、ちゃんと行動したいのに意に反してできず、苦悩しているわけですから。
叱ったりしたら、余計にイライラをつのらせてしまいます。
一対一でじっくり対応し、心身ともに受け入れてあげることこそが 病状改善につながるのです。
ADHDの子どもの8割は小学校高学年になると問題行動が 目立たなくなるし、残りの2割の子どももできるだけ早いうちから 親、教師、医師が一体となって適切な対応をしていれば、ちゃんと 問題のない大人に成長します。




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