Fragments of Voices
and sleepless night.
第1旅客ターミナルのSouth Wingへ。
定刻通りのUA884便を、少し恨めしく思う。
あの人を見るのは、これで最後かも知れない。
チェックインカウンター Aに、あの人の姿を見つける。
「見送りは、なしね。」
前にあった日に、その人はいった。
悪いが、その約束は守れない。
少しはなれた柱の影に、隠れるようにたたずむ。
不意に、背中を叩かれる。
振り返ると、いつもの連中。
「どうするの?」
別れをいうべきか否か、迷う。
「ねぇ!」
一人が、私の袖を引っ張る。
その人は、じっとこちらを見ていた。
何か言うまもなく、カウンターに入っていく。
自分とその人を隔てる、20mの絶対的な距離。
一度だけ振り返ったその顔に、
少しの笑顔を期待する。
少しだけ口を動かすと、
走ってエスカレーターを降りていった。
送迎デッキに向かう足取りが、妙に重い。