Fragments of Voices
and Sleepless night.
いつもの通りの、人の群れ。
消去法で決めた、待ち合わせの場所へ。
この街を一人で歩いていた頃、
ふいに頭を過ぎった、瞬間的なささやき。
この3次元空間それ自体を、
平面で捉えようとする、妙な感覚。
「何でそういうこと考えるの?」
彼女は笑った。
「絶対、変だよ!」
たぶん、ね。
何も変わらない、「若者」向けの空間。
書店の三階、人文科学の棚の前で彼女を待つ。
約束の時間まで、あと10分。
「何で気がつかないの?」
広げたばかりの本から目を離すと、不機嫌そうな顔。
「ごめん、考え事してたから」
言い訳は、いつも変わらない。
彼女が腕を引っ張る。
「行こう!」
どこへ?
記号の街の、人の波のなかへ。