アメリカより、「君」へ

Fragments of Voices
and sleepless night.


拝啓。

なにもない、澄みきった夜空は本当にきれいだ。

一晩中、芝生に寝っ転がって、

静かに夜空を見あげていたくなる。

でも、自然に恵まれたこの地にずっと暮らしていると、

それは何でもない、

ただの日常の風景に過ぎないのだろう。

この星空を見慣れてしまうことは、不幸なことだろうか?

それとも、幸せなのだろうか?

英語しか話さない生活にも、どうにか慣れてきた。

もっとも、君とは比べるべくもない。

非日常的だった空間は、日常化してしまうことで、

新鮮味が欠けた、妙な生活感に浸っている。

適応しているのだろうか?

ここにきてから、もう半月が過ぎた。

あと半月で日本に帰るけど、

君が驚くぐらい、変われただろうか?

そんなことを考えていると、

すこしだけ、寂しさがよぎる。

君とは空港で入れ違いになるから、

もう会うことはないんだよね。

とにかく、健康にだけは気をつけて。

今年の夏は、暑いのだろうか?

では、また後日。.....敬具。

(At Madison, South Dakota, 1997.Oct 13.)


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