Other Jet Fighters
独自開発の戦闘機なり攻撃機を持つことは国家にとってとても魅力的です。大国の証左であると国力をアピールできます。
1950年代から1960年代にかけてはニッチ市場向けにいろいろな国で自主開発が試みられてきました。
しかし現実はしだいに厳しくなってきて、欧米ですら単一メーカー、単一国家での開発は困難になってきています。
KFIR
LAVI
CF-105
F-1
F-2
A-50
AIDC IDF
HF-24
LCA
Albatros
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イスラエル
Israel Air Industries 
イスラエルは四面楚歌、敵に囲まれていて、敗戦は国家消滅につながります。戦略と用兵に対する意気込みはすさまじいのです。
その空軍は志気と練度において「世界最強」とまで言われています。
1967年の湾岸戦争で、フランスからミラージュV戦闘機の禁輸措置をとられたイスラエルは、極秘裏にダッソー社から機体を入手しました。「ネシェル」と呼ばれる、ミラージュIIIを簡素化した
攻撃機です。
しかしスネクマ社のアター9エンジンは国有企業であったため、エンジンをフランスからは入手できないので、スイスの企業から技術情報を入手しました。
しかしアター9は攻撃機として使用するにはパンチ力に欠けるので、米国製のエンジンと装備類を
採用し、前部に補助翼(カナード)を追加して安定性を高め、エンジン冷却のため垂直尾翼付根にエア・インテイクを追加しました。
その結果本家を大幅に上回る性能を発揮しました。悪どい方法で兵器を入手するのも戦いのうち。かの国にはそういう切実な危機意識があります。
なお、「クフィル(子獅子又は若獅子)」は旧約聖書ヨブ記38.39と詩編17.12、エゼキエル書19.5に「小獅子」として言葉が出てきます。アメリカ海軍と海兵隊で空戦訓練用にリースされたときの名前は「F-21 ライオン カブ」でした。
Span:8.22m Length:15.55m Height:4.25m Weight empty:7.3t gross:10.9t (Max.16t) Engine GE J-79-J1E 5.385kg(A/B 8,500kg)*1 Cf:3.24+500*3kl Vmax M=2.29 1.12/300m Zc=17,700m RC 17,700m/min Combat radius:200-415nm Range:--nm Armament:30mm Cannon*2 +Bombs 6t 1st Flight 1971/09 (Kfir 7)
Israel Air Industries 
イスラエルが1990年代以降の多用途戦闘機として米国の協力を得ながら開発していた小振りの機体です。技術的・政治的な制約から結局アメリカのF-16を買わされることになり、開発は中止されました。
近接支援と航空阻止を主目的とし、副次的に低空侵攻と高機動性が求められていました。ついでですが、イスラエルの空対空ミサイルは優秀なことで定評があります。
愛称”LAVI”は「若獅子」を表すようです。子獅子の後だからでしょうか。すると次はアルイェーという名前になるのでしょうね、きっと。
Span:8.71m Length:14.39m Height:5.28m Weight empty:--t gross:19.27t Engine P-W PW1120 6,146kg(A/B 9,380kg)*1 Cf:--kl Vmax M=1.85/11,000m Range:over 1000nm(Hi-Lo-Hi) Armament:-- 1st Flight 1982/12/13 (Lavi)
カナダ
AVRO Canada CF-105 ARROW

「幻の名戦闘機」・・・・1953年春に計画された時には世界最大・最速・最強の迎撃機になるはずでした。1957年4月、「もはや(ミサイルの時代なので)ビクターとバルカンの他には爆撃機も戦闘機も要らない。」という英国防相のコメントがあり、カナダの新首相ディーフェンベイカー氏の政策に大きな影響を与え、1959年3月に開発は中止されました。
首相がこの飛行機のすべてを消し去る方針を通したため、米GD社のテスト用機購入さえ断り、メーカーのアブロ社は行き詰まりました。
スペックはよく分かりませんが、ライトニング比航続距離4倍、レーダー補足能力3倍ということです。もっとも、開発費がかさみ高価になる予定だったようです。
Span:15.24m Length:23.72m Height:6.48m Weight empty:22.24t gross:25.85-31.12t Engine ORENDA PS-13 IROQOIS 9,070kg (A/B 13,600kg)*2 Cf:13.2kl Vmax M=2.7/10,000m
Armament:AAM*8 1st Flight 1957/10/04 (CF-105 Mk3 expected)
日 本
三菱 F-1
もともと高等練習機として設計されたT-2(1971年7月20日初飛行)の外形をそのままに後部座席をつぶし、単座戦闘機としたものです。
F-1はASM-1ミサイルによる対艦攻撃に特徴があります。この組み合わせは「シュベール・エタンダールとエグゾセを上回る」と評価は高く、試射してみたところ、1発目であっというまに標的船が沈んでしまい、2発目を打ち損ねたという話が残っています。現在でもこのレベルの対鑑攻撃システムを持つ国は少数です。
よく似たジャギュアに比べられますが、F-1は爆弾搭載量が少なく、ジャギュアは対地攻撃を主任務としています。開発年代の遅い分F-1の方が優れているようです。
”ブルー・インパルス”でアクロバットを披露していましたが、もともと高速向けの機体をぶん回すのは大変だったと思います。F-1はこれからだんだんF-2にバトン・タッチして退役していく予定です。
Span:7.88m Length:17.85m Height:4.458m Weight empty:6.55t gross:--t (Max.13.7t) Engine RR Turvomeka 2,320kg (A/B 3,310kg)*2 Cf:--kl Vmax M=1.6 (920kt) Vc:M=-- Zc=15,240m RC 10,700m/min Combat radius:150-300nm Range:1,550nm Armament:M61 Valcan(750)*1+ASM-1*2 Bombs 2t 1st flight 1975/06/03(F-1)
三菱 F-2
米防衛産業の強烈なロビー活動の結果、FSX独自開発計画は頓挫し、制空戦闘機F-16をもとに支援戦闘機を開発することになりました。
ハイテクと新素材の塊ですが、1機120億円と、世界で最も高価な戦闘機になってしまいました。国産フェイズド・アレイ式レーダーは小型ですが、分解能が優れていて大型のものにヒケをとりません。個人的な好みで言えばトーネードにした方が良かったのに?!と思います。英・独・伊相手ではアメリカも退いたかもしれません。・・・イラストは複座型で、数あわせのため練習機型まで作るようです。
Span:11.13m Length:15.52m Height:4.96m Weight empty:12t max:22.1t Engine F-110-GE-129 (A/B 13,430kg)*1 Vmax M=2.0 Zc=15,240m Combat radius:460nm(Hi-Lo-Hi, ASM*4) Range:2,220nm/ferry Armament:JM61AI Valcan(750)*1+ASM-1/2*4 250/340kg bomb*4 1st flight 1995/10/07(F-2)
韓 国
韓国航空宇宙産業 A-50/T-50
韓国が1992年からKTX-2として計画し、1996年にロッキード・マーチン社を共同開発者として開発してきた軽攻撃機/高等練習機です。
国産化立40%程度ながら韓国初の戦闘機型となる機体です。T-50は高等練習機としてはライバルに比べて高性能で機動性も抜群です。F-22やJSFの練習機として使えるよう企画されていますが、
1機当たり20Mドル程度と言われ、少し割高についています。F-16のライセンス生産が終了してしまったため、
三星をはじめ韓国内の飛行機関連メーカー救済という政策的な意味があるのかもしれません。
一方のA-50は軽攻撃機とはいうものの、機動性以外にこれといった特色があるでなく、いっそF-404-GE-400(推力 9,980kg)に換装して
マッハ1.8/火器搭載量5〜6tクラスを狙った方がいいのではないかと思うのですが。
Span:9.17m Length:13.14m Height:4.90m Weight empty:6.4t gross:8.9t max:12t Engine F-404-GE-402 (A/B 7,980kg)*1 Vmax M=1.5 Zc=14,600m G-Limit +8/-3 Combat radius:-- Range:-- Armament:20mm 7 Hard Points/bomb 3t Prototype 1st flight 2002/08/20(A-50)
台 湾
AIDC IDF F-CK-1 経國
”AIDC”は National Aviation Industry Companyの略称です。そもそも1982年にこの開発計画がスタートした理由は、
アメリカが対中関係に気兼ねして戦闘機の供給をストップしたためです。ただし、ジェネラル・ダイナミック社(現ロッキード傘下)が開発に協力することになりました。
ここらあたりのアメリカの政治的無節操さ、あるいは議会/ロビー活動の奇々怪々さは我々日本人にとって理解できないところです。
”IDF”は”Indigenous Defensive Fighter”、国産迎撃戦闘機とでも訳せましょうか、F-5やF-20クラスの比較的小型な戦闘機です。
エンジンもアメリカや欧米の戦闘機用の供給を受けられず、仕方なくビジネス・ジェット用(ファルコン100やリアジェット)のTFE731を改造し、アフターバーナーを付けたものにしました。
少しエンジンがプアーなことを除けば、各種のAAMを8基も積み、高い上昇力と軽快な運動性能を備えているので迎撃機として充分です。
操縦系統は”フライ・バイ・ワイヤ”で、F-16のようにサイド・スティックで操縦します。
皮肉なことに、アメリカはF-16の台湾向け輸出を再び許可したため、当初予定した256機から130機に生産機数は削減されています。
アメリカの技術的援助を受けたとはいえ、小国?の台湾が独力でこのように優れた戦闘機を開発したのは賞賛に値します。
Span:8.53m (with AAM) Length:14.48m (with probe) Height:--m Weight empty:5.50t gross:9.10t Engine ITEC (Gallet/AIDC) TFE-1042-70 A/B 4,200kg*2 Cf:--kl Vmax M=1.7 Vc:--km/h Zc=--m RC 15,000m/min Combat radius:--km Range:1500km+ Armament:M61A-1 Valcan*1 AAM total 8 1st flight 1989/05/28
Span:9.46m (with AAM) Length:14.21m (with probe) Height: 4.4m Weight empty: 6.5t gross: 9.07-12t
Engine Honeywell F-125-70 27kN (A/B 42kN)*2 Cf:--kl Vmax M=1.8 Vc:--km/h Zc=16,800m RC --m/min Combat radius: --km Range: 1,100km
Armament:M61A-1 Valcan*1 AAM total 8 1st flight 4/10/2006 (F-CK-1 Upgrade 雄鷹)
インド
Hindustan Aeronautics Ltd (HAL) HF-24 Marut
ヒンドゥスタン(「インド」という意味)航空機工業というメーカーは軽飛行機や軽輸送機を制作していましたが、国産超音速戦闘機を開発するため、
西ドイツからフォッケ・ウルフのクルト・タンク博士を招聘し製作した飛行機です。インドの国情にあわせ、田舎の空港で使用し、整備を楽にしたユニークな機体でしたが、
結局インドは戦闘機の自主開発をあきらめ、ミグ21などのライセンス生産や輸入機を採用していました。
Span:9.00m Length:15.87m Height:3.60m Weight empty 6.2t Max 10.9t Engine HAL/RR Orpheus Mk703 22000kg*2 Vmax M=1.7 to 1.9/12,000m Zc=18,500m Range;2,300nm Armament;30mm Cannon*4 1st Flight 1961 (HF-24)
HAL Tejas (LCA)
インドがこの戦闘機の開発に乗り出したのは1983年のことで、近代的な超音速軽戦闘機、しかも対パキスタン用に山岳地帯の基地でも使用できるというものです。
しかし幾度か核実験を行ったため、アメリカや西欧から技術や資材・機器の供給が受けづらくなっていました。
一方でインドは1990年から2000年にかけ、イン・パ紛争で200機近い航空機を失っています。
本来なら大急ぎで実用化/量産したいところですが、楽観的な見方で2010年前後と見られていました。
主翼と垂直尾翼だけのシンプルな構成で、山岳地帯に多いダウン・バーストには強いと思われますが、離着陸時にエルロンを昇降舵として電子的にコントロールするプログラムの開発は
技術的に難しかったようです。戦闘機用のターボ・ファンエンジンの開発はもっと難しく、技術的なハードルが高く、開発の目処が立っておらず、
とりあえずコスト高になりますがGEのF404エンジンを輸入して数十基生産される予定のようです。
Span:8.20m Length:13.20m Height:4.40m Weight empty 6.56t Max 10.5-13.3t Engine GE F404-GE-IN20 53.9kN(A/B 85kN) or GTRE GTX-35VS Kaveri (52kN A/B 81kN)
Cf: 2.46t Vmax M=1.8/hi Zc=15,250m Range; 3000km Armament; GSh-23 23mm Cannon*1 Hard Point*8 1st flight of prototype 2001/02/04
チェコ(チェコスロバキア)
アエロ L-39/59/159 アルバトロス
アルバトロス・シリーズの元になったL-39はワルシャワ条約軍の練習機として、ソ連製の航空機をさしおいて採用されました。
そしてL-59はチェコ空軍向けにエンジンを強化し、地上攻撃機型にしたもので、エジプトやチュニジュアにも輸出されました。
冷戦終了後、西側の技術供与が可能になったので、チェコはL-59の近代化をすることになり、米国や西欧航空関連企業の技術指導/協力を得ました。
火器管制装置やパルス・ドップラーレーダーなど地上攻撃/支援のための機器は西欧並になりました。エンジンもターボ・ジェットから3割も出力がアップしたターボ・ファンに換装され、
航続性能や速度、積載量も大幅アップしました。比較的地味で簡便な亜音速機ですが、離陸滑走距離は490mと優れたSTOL性能を持ち、国境の錯綜した欧州のような地域では手軽で使いやすい機体です。
Span:9.46m Length:12.73m Height:4.77m Weight self 4.16t Gross 5.6t Max 8.0tt Engine AlliedSignal F124-GA-100 (turbofan) 2860kg*1 Cf:1.5kl+0.23*2kl Vmax M=930km/h Zc=--m RC 2,320m/min Range;1,574km Armament;23mm Cannon*1 (L-159) 1st Flight 1986/09/30 (L-39MS)