POINT-AND-SHOOT DIGITAL CAMERA

 1970年代はフィルム一眼レフ、それが2010年代になってからデジタル一眼レフそれから「ミラーレス一眼」を使ってきたのだが、 体力も落ちて、ボディー2個に交換レンズ数本、それにストロボを携行するとなると重く、負担に感じるようになってきた。 昔日に、日常的に持ち歩いたディマージュ7i(コンパクトだがAFが遅く、ピントをしばしば外す)のように、常用焦点域をカバーできるコンパクト・デジタルカメラが欲しかった。 ずっとコンデジはオモチャ然としたチャチなものが多かったのだが、ここ数年「コンデジかミラーレスか」と言われるほど画質が向上し、質感も向上してきた。 それはOLYMPUSのXZ-1/XZ-2だったり、PANASONICのLX-1/LX-3/LX-5、あるいはFUJIFILMのX-10/X-20だったりしたのだが、いずれも望遠側が100mm前後なのが物足りなさを感じさせていた。

OLYMPUS STYLUS1

Stylus1
 僕の目の前に彗星のように現れてきたのがオリンパス・スタイラス1だ。大袈裟に言えば運命の出会いのように感じた。 デザインはOMシリーズを彷彿とさせるクラカメ(クラシック・カメラ)風だし、質感が非常に高いと感じた。「高級そう」なのである。ただし価格はそれなりに高くて、 やっと最近になって中古品を手に入れることができた。

 スタイラス1は35mm換算で28-300mmと10倍を超えるズーム・レンズなのだが、F2.8通しと圧倒的に明るく、全体の質量は約400gしかない。「35mm換算でサンニッパに迫る/相当」とはC-700以来の宣伝文句なのだが、 一眼レフに比べ操作性や画質で相当な差があった。スタイラス1は背面反射式の受光素子を使うなど頑張ってはいるのだが、 受光素子面積が4/3(フォーサーズ)一眼の1/4なので、「超高精細」とまではいかない。 ただしA3プリントまで位なら問題なく使えるだろう。ボケ味は頑張っているが、望遠端の実焦点距離は64.3mmであり、 フィルム一眼のサンニッパ並みのボケ方を期待してはいけない。たとえばOM用ズイコーなら50mmと85mmの間くらいのボケ方になるだろう。それより普通のコンパクト・デジカメ以上の、 デジイチに迫る画質で、なおかつ可搬性が高いというのがこの機種の特長だろう。なおレンズ銘はI.ZUIKO DIGITALで、 ZUIKO DIGITALに準じた格付けになっている。
 本機は強力なブレ防止機構と思い切り明るいレンズによって、望遠端で手持ち撮影が可能になる、という利点が第一のメリットであり、 そのスペックの割にはとてもコンパクトに収まっている。ただしポケットに納めるにはファインダーなどの突起が大きくて難しい。そのうち専用のホルダー又はホルスターを作ろうと思っている。
 またOM-D E-M5相当のEVFが採用されているので、ピントや被写界深度が非常に判りやすいのも利点だ。これはEVFを持たない/持てないミラーレス一眼より優れている。 OM-D E-M5は高性能で特にブレ防止対策は優れている。しかしF2.8クラスのM.4/3レンズはまだ高値の花だし、それ相応に大きく重いものになる。

 このカメラはお散歩カメラにも使えるし、運動会カメラとしても充分な性能を持っている。2015年秋現在僕の常用カメラの1つになっている。

 CLA-13 Adeapter and 1.7X Tele=Converter

Stylus 1 28mm相当 F4 1/800秒
42mm相当 F4.5 1/800
83mm相当 F4 1/1000
112mm相当 F4.5 1/1000
300mm相当 F3.5 1/1000
600mm相当(デジタル二倍) F4 1/800
1020mm相当(デジタル二倍+1.7倍テレコン) F4 1/800

※元の画像※

 このカメラはCLA-13というアダプターを経由して55mm径のフィルターやコンバージョン・レンズを取り付けることが出来る。 左の画像はずっと前から死蔵状態だったオリンパス製の1.7倍テレコンに深めの望遠レンズ用フードを装着したもので、望遠端で焦点距離は約500mm相当になる。 見た目ほど重くは無いが、嵩張るのが玉に瑕。ブレ防止装置のおかげで手持ち撮影だってできてしまう。デジタルテレコンを併用すれば約1000mmである。 ここまでしてもブレはかなり抑制される。さすがだ。 1020mm相当(デジタル二倍+1.7倍テレコン、手持ち)では風が強く、やや前ピンになっている
 なおCLA-13だけを装着した状態で四隅が蹴られることはないが、テレコンを装着すると焦点距離が180mm相当より短い焦点範囲では、 画面の4隅が蹴られるので、注意が必要だ。

 CLA-13 Adeapter and 0.7X Wide-Converter

Stylus 1  テレコンがあるならワイコンがあって良さそうなのだが、オリンパス純正は無い。しかし超広角域もできれば撮りたい。そこでRowaのRW-W-55-7Xという薄型のテレコンを導入した。 これは取り付け部分が55mmなのでCLA-13にダイレクトで取り付けられる。樽型の歪みが盛大に出るが、解像度はさほど損なわれていないように見える。
28mm相当 F 1/800
ワイコン装着22.4mm相当 F 1/800
ワイコン装着19.6mm相当 F 1/800 4隅が蹴られる
元の画像
  ※XZ-2はなぜかワイコンには対応していない。※

 1.2× Magnifier

Stylus1 and 1.2X Magnifyer  公式には発表されていないようだけど、このカメラのファインダー・フレームのサイズはEシリーズやペンシリーズと共通しているので、 VYC0973(パナソニック製、手前の丸いレンズのもの)が装着できる。四隅のケラレはない。わずかだけれど面積比でいうと1.4倍になるので、どこにピントが合っているか判りやすくなった。
 装着時はファインダー部が2〜3mm後ろへ余計に出っ張るので、それだけ留意しておきたい。レンズ銘はI.ZUIKO DIGITAL。

OLYMPUS STYLUS XZ-2

Stylus Xz-2  何も付けない状態でジャケットの胸ポケットに(辛うじて)収まる大きさのカメラ。つまり、カメラ・バッグの要らないカメラだ。(僕はEVFを併用するのだが、EVF装着時にポケットに入れるのは無理がある) それが当たり前の人にとっては不思議でも何でもないのだろうが、ずっと一眼レフばかりを使ってきた僕にとっては、XA-2以来初めてバッグ無しでいつも携行することが可能なカメラである。 実のところXZ-2にするかStylus1にするか迷っていたのだが、XZ-2の(新品)価格がほぼ2万円まで降りてきたので思い切って両方入手した。

 35mm換算で28-112mmの領域をF1:1.8-2.5という明るさでカバーするレンズを奢っている、上級コンパクト・デジタルカメラ。 カメラマンの息づかいまで感知する手ブレ補正機能、瞳検出AF、タッチパネルなど、機能も充実している。大光量の外部フラッシュだって付けられるし、 僕は×1.2倍のマグニファインダーとEVFを装着して使っている。その気になれば作品級の画だってものにできる。

Pen & Stylus
 スタイラス、というと僕はレコード・プレーヤーの針先のことを思い出すのだが、その昔フランス語でペンのことを「ステュロウ」と習い覚えた。 実際、(交換式の)ペン先の事を英語で"stylus"という。だからペンとスタイラスは一心同体なのだが、オリンパスではカメラのシリーズ名にそれぞれを使い回ししている。 つまり、ペンはマイクロ・フォーサーズ規格の一眼レフのシリーズ名だし、スタイラスはコンデジのシリーズ名だ。
 僕の場合、"Pen"のE-PL3と"Stylus"のXZ-2のサイズと重量がよく似ている。E-PL3に14-42mmの標準ズームを装着するよりXZ-2の方がコンパクトだしレンズが明るいのでXZ-2を選ぶことが多い。 もちろんE-PL3の方が高画質だしEVFのVF-4が使えるのでファインダーもクリアーだ。
 (2015/11/22)XZ-2がカタログ落ちしていた。コンデジ普及器はSHシリーズとがタフ・シリーズに移行して、XZ-2のようにオーソドックスな基本性能/理念の高い中上級コンデジがカタログ落ちしてしまうのは残念だ。  Stylus1との使い分けでは性格が似ているせいもあり、Stylus1を持ち出す方が圧倒的に多い。

OLYMPUS STYLUS SP-100EE

Stylus 1  その昔、フィルム・カメラの時代にカメラ屋さんにシグマのアポ・オメガという超望遠ズーム・レンズが飾ってあった。350-1000mmF11で口径14.7cm・全長66.45cm、質量11kgというお化けみたいなレンズだった。 薄黄緑色のフィールド・カラーに塗られていて、格好良かったのだが、数十万円という価格も含め到底手のでないものだった。

 最近(2015/11)になってマイクロ・フォーサーズ用に超望遠レンズを揃えたくなった僕が「高倍率ズーム」で検索していたら、オリンパスからSP-100EEというコンデジが今年4月に発売されていたことを知った。 しかも既に価格がこなれていてマイクロ・フォーサーズ用の超望遠レンズを追加購入するより安価だったし、何より24mm〜1200mmF1:2.9-6.5という50倍ズーム・レンズと「イーグルズ・アイ」という ドットサイト照準器が売りだ。それにVF-3と同じ92万ドットのEVFが付いているのも魅力だ。旧モデルのSP-820UZに比べドットサイト照準器1.5万円+EVF1.3万円だけで2.8万円の追加になるので、 これはお値打ちだ。なおレンズ銘はOLYMPUS LENS。
 5軸方式ではないらしいが3.5段レンズシフト方式のブレ防止装置が組み込まれている。1000mm超級の超望遠が手持ちで撮れるなんて夢みたい。駆体はやや大きめだが、レンズを縮めた状態でE-620に14-42mm標準ズームを装着したより少し小さい。600グラム以下に抑えていて、可搬性が高いし、首に掛けて使える。 受光素子を裏面反射式にして感度を上げ1600万画素1:2.3を実現している。画質は全域でクリアーで、どちらかといえばドライ、もちろん日用的には充分な解像度を持っている。露出補正は+/−2EVまでなので、たいてい間に合うが、電線に留まる小鳥を撮るには一寸少なく思う。 内臓フラッシュはW側:0.1-19.0m/(ISO3200)〜T側:3.5-8.0m(同)で、あまり期待は出来ない。外部フラッシュには対応していないので、どうしてもという場合はスレーブ・ユニットを用意する必要がある。
月を撮影、手持ちで撮れた。215mm(1200mm相当) F6.5 1/250秒 ISO250
下部をトリミング クレーターまで判る
暗い室内の薔薇の花束 手持ち撮影 22.8mm(117mm相当) F5.4(+0.7EV) 1/13秒 ISO3200
暗い室内の薔薇の花束 手持ち撮影 35mm(195mm相当)粒状はやや粗めだがぶれていない。 F5.9(+0.7EV) 1/13秒 ISO3200
望遠端まで伸ばしたところ 黄色っぽいのが照準器 元の画像
 
Tamron SP 200-500mm F5.6 TAMRON SP 200-500mm F1:5.6。これはOM-2S/Pにセットした画。このレンズはEシリーズまたはOM-D/PENシリーズとの組み合わせで400-1000mm域をカバーする。レンズだけで2.78kgもあるし、ごつい三脚が要るとあればおいそれとは持ち出せない。
 EVFの倍率が小さいとか、スイッチ類が簡素すぎるとかあるだろうが、SP-100EE最大のウイーク・ポイント?は質感というか高級感に欠けるところだろう。プラスチッキーで安っぽいのだ。もうちょっとコストをかけてもよかったと思うのだが、ライバルとの競争上やむを得なかったのだろう。

SPECIFICATIONS

受光素子測光方式測光範囲
(ISO100)
露出制御シャッターsecファインダー視野率電源大きさmm重量発売
Stylus 1
1:1.7 CMOS 1200万画素TTL開放EV-3〜17ESP/中央重点/Spot等B, 60~1/2000100%(144万画素)BLS-5 116.2×87×56.5402g2013
XZ-2
1:1.7 CMOS 1200万画素TTL開放EV-3〜17ESP/中央重点/Spot等B. 60~1/2000---LI-90B 113×65.4×65.4346g2013
SP-100EE
1:2.3 CMOS 1600万画素TTL開放---ESP/Spot等1/4~1/1700100% 92万画素LI-92B 121.2×91.3×133.2589g2014
(参考)E-10
2/3 CCD 400万画素TTL開放---ESP/中央重点/Spot等B, 2-1/64095% OVFCR-V3/単三×3128.5×103.5×1611050g2000

焦点距離(35mm換算)絞り(最少絞り)構成:群/枚最近接撮影
Stylus 1 LENS
6mm-64.3mm (28-300mm)F2.8(F8)10-12(Asph*9面)W:10cm-T 80cm(Super Macro W:5-60cm)
XZ-2 LENS
6mm-24mm (28-112mm)F1.8-2.5(--)8-11(Asph.*6面)W 5cm-T 80cm(Super Macro W:1-60cm)
SP-100EE LENS
4.3mm-215mm (24-1200mm)F2.9-6.5(--)12-17W:7cm-T:350cm (Super Macro W:1cm)
(参考)E-10 LENS
9mm-36mm (35-140mm)F2.0-2.4(F11)11-1460cm (Macro 20-60cm)



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2014/04/20 2015/11/22