接写撮り比べ

 広角〜中望遠の単焦点レンズと標準ズーム・レンズ。携行する時にどれを持って行ったらよいか、迷ったときの参考のために接写の撮り比べをしてみた。 接写にはマクロ・レンズを使うのがセオリーだが、今回は通常のレンズでの写り具合を試してみた。 ボディはOM-4Ti(Black)露出は全てオート。フィルムはコダックの業務用ISO100。KG判に焼いてもらったのをスキャナーで(400DPI)取り込んだ。 露出は僕の好きな弱アンダーで、レトロ(絵画的)な雰囲気に撮ってみたかった。 各画像は235*160ドットのサムネイルになっていて、クリックすると2380*1600ドットの画像が見える。

Tokina 25-50mm F4 SZ25
Zuiko 28mm F2
Vivitar 28mm F2.5
Tamron SP 28-80mm F3.5-4.2 27A
Zuiko 85mm F2
Tamron SP 35-105mm F2.8 65A
Tamron 35-135mm F3.5-4.5 40A
Zuiko 100mm F2
Tamron SP 180mm F2.5 63B

 RMC Tokina 25-50mm F4 SZ25

広角端開放(F4)で撮影

 他のレンズとの比較ではやや彩度が落ちるが、ボケ方は超広角としては自然で、全体として問題なく写っていると思う。
広角端F8で撮影

 被写界深度は今回のレンズの中で最も深い。コントラストは高め。
望遠端開放(F4)で撮影

 広角端より遠景の2線ボケがやや目立つ画になった。
望遠端F8で撮影

 解像力はあと一歩だが、普通に見る分には問題なく「きれいな写真」に見られるだろう。

 Zuiko 28mm F2

開放(F2)で撮影

 被写界深度の深い28mmだが、さすがF2ではフォーカス・ゾーンが浅く、このような被写体では開放では画になりにくい。やはり絞り込んで使うべきだったろう。 ボケはクセがなく、まずまず。点収差も目立たないし、色乗りも良い。秀逸なレンズだ。
F8で撮影

 右下の暗部にあるタグの文字もディテールとして撮し込んでいる。さすが、解像力の高いズイコー。

 Vivitar 28mm F2.5

開放(F2.5)で撮影

 発色が鮮やかでコントラストが強い、派手な画だ。このようなレンズは曇天や日陰など色の淡くなるような、コントラストの低いシーンに合うと思う。ボケ方はクセがありズイコーより汚く感じる。
F8で撮影

 しゃつきりした鮮鋭な画だが、暗部のディテールは溶けて潰れている。このような画が好きな人も居るだろう。

 Tamron SP 28-80mm F3.5-4.2 27A

望遠端開放(F4.2)マクロモードで撮影

 このレンズは望遠端でしかマクロ撮影ができないが、そのモードにおいてはかなり近づける。高いコントラストのせいで、暗部は完全にボケてディテールが消されている。発色は鮮やか。 シャープな画だが、好みの分かれるところ。
望遠端F8マクロモードで撮影

 当然だが絞り込むと一艘スカッとした鮮鋭な画になる。背景のボケ方もきれい。ちょっとしたマクロ撮影には充分な性能だ。

 Zuiko 85mm F2

開放(F2)で撮影

 暗部のディテールもちゃんと撮し込んでいるし、発色も良好。合焦部前後のボケはそれほどきれいには感じないが、近接撮影も十二分に実用になる。
F8で撮影

 絞り込んで合焦部前後のボケを少なくした方がきれいな画になった。背景はきれいにボケているが、細かなニュアンスをよく表している。 タムロン27Aと対照的な精細さ溢れる画だ。

 Tamron SP 35-105mm F2.8 65A

広角端開放(F2.8)で撮影

 このレンズは近寄れないので、広角端でのクローズ・アップ写真は無理だ。コントラストが強く、暗部は潰れている。
広角端F8で撮影

 発色は27Aより抑えた目だが良好で、ナチュラルな写りになる。
望遠端開放(F2.8)で撮影

 ズームとはいえF2.8なので被写界深度は浅い。少し前ピンになった(汗)。
望遠端F8で撮影

 全体として鮮鋭な画に感じる。きれいな画だ。

 Tamron 35-135mm F3.5-4.5 40A

広角端開放(F3.5)マクロモードで撮影

 全域でマクロ撮影が出来るのは便利だ。28-80mm(27A)と同じコントラスト重視の画で、暗部のディテールは飛ばしている。 発色は派手ではないが乗りは良好、ボケはきれい。つまり、普通に優秀。そういうレンズだ。
広角端F8マクロモードで撮影

 質感や空気感がよく表されている。使いやすいレンズだと思う。
望遠端開放(F4.5)マクロモードで撮影

 背景は完全に溶けている。マクロ撮影としてはもう少し絞った方が画になる。
望遠端F8マクロモードで撮影

 高倍率標準ズームでこれだけ撮れれば充分、と思わされる。

 Zuiko 100mm F2

開放(F2)で撮影

 「色乗りがよい」とされる100mmF2だが、今回の比較では85mmF2の方が若干彩度は上のような気がする。 このレンズの本領は細部の描写性能/解像力で、微細なところまで忠実に再現し、質感がよく表されている点にある。ボケ味も85mmよりかなり勝っている。
F8で撮影

 申し分のない描写だ。今回の試し撮りの中で最高の画質だと思う。

 Tamron SP 180mm F2.5 63B

開放(F2.5)で撮影

 フィルムが余ったので特別参加。さすがこのクラスになると暗部のディテールも表現しているし、ボケも美しい。
F8で撮影

 100mmF2よりはコントラストがやや高めで、白飛びが気持ち早く始まっている気がする。でも凄い描写力だ。

 正直言って、KG判サイズくらいで比較が本当に出来るか心許なかったし、高価なレンズが残念な画だったらどうしようかと、プリントができあがるまでは心配だった。 ハイ・コントラストの被写体でなおかつ接写というのはズイコーレンズに有利な条件と言えるだろう。 ただ断言してもいいと思うが、今回試写したレンズはいずれも実用範囲内かそれ以上に収まっている。ターゲットは同じなので皆同じように写っていいようなものだが、 ずいぶん個性が違う物だと改めて感じた。 なお今回のような被写体では、歪曲は殆ど問題にならないので、全く触れていない。

2012/01/05
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