第二話 初めての出会い(2)

帰りの車の中、仔猫はダンボールの中で震えていた。
それも当然、突然おかあさんと姉妹から引き離されたのである。

「大丈夫、新しい両親がきっとおまえを幸せにしてやるぞ!」(私)
「うお〜!!あいらしい〜!!」(彼女)

もう辺りは暗くなりかけていた、普段ならどこか食事にでも寄って帰るところだが、
その日ばかりは二人とも早く家に帰る事ばかり考えていた。

仔猫は家に着くと恐る恐る回りのにおいを嗅ぎ回り「自分の居場所」を探しているようだった。
そうしているうちに、テレビ台の裏が気に入ったようである。そこに座ってじ〜っとこちらを見て動かない。
この時「ねこたま」のスタッフに言われた言葉を思い出した。

「猫を飼い始めて1週間が『地獄の1週間』ですからね。
かわいいのは判りますが、絶対必要以上に構わない様に!
環境に慣れるまで、出来るだけ放っといてください。
最初のうちは一緒に遊ぶのも1日20分ぐらいにしてください。
それと一緒に寝る事も避けてください。
寝返りをうって仔猫を圧死させてしまうケースも多いので.. 」

そこで、できるだけ仔猫に構わない様に私はトイレの準備をした。
猫を飼っている友人から「固まる紙砂」が良いと聞いていたため、
早速仔猫用トイレに「固まる紙砂」を敷く。

次に食事の準備だ。
飼育係りのおねいさんの言う通り「猫缶の大きいやつを4分の1と固形フード大さじ1」をお皿に盛った。
もちろんお水ももうひとつのお皿に用意した。

しかし、なかなかテレビ台の裏から出てきてくれなかった。

実はその日に彼女の高校時代の友人が出張で泊まりに来ていた。
その友人は朝に私の家から仕事に出かけたのだったのだが、
夜帰ってきたら朝までいなかった「ねこ」が居たので驚いた様子であった。

その友人のあだ名を「ポチ」という。すごい美人なのだが..なんか変な人だ。

「猫だって注目を浴びている中での食事はいやだろう。。我々も外食してくるか?」(私)

出かける車の中、早速この仔の名前を考え始めるのだが、
ボキャブラリーに乏しい我々にはどこかで聞いたことのある名前しか思いつかない。

「う〜ん。名前ね〜..キャベツ、トマト、きゅうり、大根...」(ポチ)
ポチの視線の先には八百屋があった..ポチというのはそうゆう人である。
(でも、その日豪華な中華をおごってもらった。やっぱり良い人だ。)

「う〜ん、ロシアンブルーってなんか涼しげなイメージだよね? 『ミント』 なんてどう?」(彼女)
「う〜..女の子ぽっくないな〜..まあ仮名にしておくか?」(私)

我々が食事を済ませて家に帰るとお皿に盛ってあったえさが無くなっており、
トイレにもおしっこをした跡があった。

「良かった。ミント〜..ミントちゃ〜ん。えらいぞ〜。」

相変わらずテレビ台の裏から出てこようとはしなかったが、どうやら第一関門は突破したようだ。

それと。。その仔の名前も決まってしまった。

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