作者別な行
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裏庭    作者・・・梨木香歩    新潮文庫(590円)
第一回児童文学ファンタジー大賞に選ばれた作品です。わたしはそうとは知らず、「新潮文庫の新刊」という
場所に置いてあったのを、帯の文句にひかれて買いました。
わたも昔、かなりワイルドな性格だったので、幼稚園や学校の帰り道、草花を摘んだり、隠れ家を探して
自分だけの空間を作ることがとても楽しみでした。
だから、この話の主人公のように目の前に不思議な世界が広がる予感のする場所を見つけたらきっとわたしも
入っていくと思います。だけれどもこの話は、興味だけで不思議な世界に入り込んだ主人公の話ではありません。
彼女が彼女の人生を先に一歩進むためには裏庭に入らないではおけなかったのです。
私も裏庭をもっているのかな?

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こころ   作者・・・夏目漱石    新潮文庫(324円)
中学時代に(高校時代だったかな・・・もしかして)教科書に載っていました。
教科書に載っていたのは先生がKの自殺のことを告白する部分しかなくて、かなり当時衝撃を受けた
覚えがあります。
先生のした行為に対して、わたしは責めることが出来ないと思いました。
なぜなら好きな人がいたら、ライバルを蹴落としてしまいたいという気持ちは分かるからです。
この結末のようになるまではないかもしれないけれど、心の奥底に潜んだ気持ちは
みんな同じなのではないでしょうか。
そんな自分の心をずばり表現されたようで少し恐かったです。

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明暗   作者・・・夏目漱石   新潮文庫(667円)
今年読んだ(2000年)二冊目の夏目作品です。深い心理描写ゆえに、登場人物の考えている事柄が
まるで自分のことのように心に流れ込んでくるような気がします。
この作品は夏目漱石が完結させていません。
しかしその代わりに、続編が「続・明暗」として別の作者によって書かれています。
内容はわたしにとっては時代も違うし、別世界であるような、しかし、もしかしたら自分も主人公のよう
に他人に耳を貸さず、自分よがりな考えだけで生きているのではないか・・・という自己を見詰め直す
機会を与えてくれました。
自分のプライドが邪魔をして人のいうことに対して聞く耳を持たなかったり、考えを乞うことを恥ずかしい
としていることはないか。。。
主人公であるお延と津田はどちらも地位ややお金に固執するあまり、それがない人を見下しています。
主人公たちは自分たちが見下した人たちより余裕があるとおもってりるのですが、実際はそうではなく
て地位の固執が主人公たちの人生を振り回しています。
明暗は津田が過去に付き合っていた清子という女性に会いに行くところで終わっています。

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