題名別:
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ねじまき鳥クロニクル(第一部、二部、三部)   作者:村上春樹   新潮社 (514円、552円、705円)

わたしがこの本に最初に出会ったのは、かれこれ2年ぐらい前だったような気がするけれどはっきりとは覚えていません。
それくらい前から、本の存在を知っていたと言うことなのだけれど、実際に買って読んでみるまでにはずいぶんと時間が
かかりました。
なぜならわたしが短大時代であって、心の余裕も、時間の余裕もあまりなかったからです。でも、この理由って
言い訳にならないです。心の余裕を見つけるために本を読んだり、時間を作って本を読んだりするべきだと思うから。
この作品は三部作で、そんな時期のわたしにとってはとにかく大変長く、しかもそのころはまだ、ハードカバーしか出てな
かったから、なおさら読むのをためらわれた作品だったのです。
だけれど、読み始めたら一週間足らずで、三冊とも読み切ってしまいました。
次が読みたい、と学校の帰りに生協に寄ってかって帰らないと続きがきになって仕方なかったのです。
この本の中の世界はとっても不思議な世界でした。
と言うのも実際にはきっとありえないだろうけれど、もしかして、わたしの知らないどこかでこういう事が起こっているのかも
と、信じさせられている気もしたから。
加納マルタやクレタのような職業、経歴の人が一人くらい世の中にいたとしても、何の不思議もないだろうな。
わたしの知ってる世界って言うのはとっても小さなもので、その中で悩んだり、苦しんだり、喜んだり、楽しんだり
しているけれど、その感じ方は個人によってまったく違うだろうし、その中に加納クレタがいたとしても表面的には
まったく分からないだろうな。
結局わたしは最後まで綿谷家の本当の秘密をちゃんと理解して取れたかは分かりません。そして、その真実を通して
村上春樹が言いたいことを受け取れたか。
わたしには何人かの、わたしのことを知っている人たちがいますが、その中にわたしの心をわたしとしてとどめておいてくれる
人が一体何人いるだろうか。まあ、いいところ、自分の家族と2,3人の友人だけだろうし、その中でさえも
本当のわたしを知ってる人なんていないんじゃないか、と思うのです。そのうえ、私自身もわたしのことなんてなんにも
分かっていないんじゃないかな。
人間の心の中って人には絶対に覗けないけれど、心のどこかで、本当の自分の姿である自分の心を覗いて肯定してほしいと
望んでいるのかもしれないと思いました。

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