待 つ

 フランス人は待つ。長い行列を根気よく待つ。週末のスーパーマーケットの長蛇の列を見たら、あきらめて帰ろうかと思うことしばしばだ。何故こうも時間がかかるのか。一旦レジで何かトラブルが起こったら、店員と客との果てしないやり取りが始まる。文句を言う客、悪びれない店員。「またかよ...勘弁してくれよ。」ブツブツと日本語で文句を言う私。またある時は友達とのおしゃべり。彼らにとって「しゃべりながらレジを打つ」ことは相当難しいらしい。必然的に手が止まる。「なんでや...なんでフツーにしゃべってんねん。手を動かせよ、手を。」悪態をついたところで、彼らは客の顔色なんかに興味がない。そしてビズ(Chu*ってやつ)だ。「仕事終わってからにしろーっ!」
 時折肩をすくめたりしながらも、特に文句を言うでもなく待っている。不思議だ。腹は立たないのだろうか。
 前を走っている車が、突然ハザードランプを点滅させて縦列駐車を始める。道幅が狭いせいもあるが、後ろの車はそれが終わるまでじっと待つ。小さな渋滞の意味がわからず、激しくクラクションを鳴らす車もあるのだが、基本的にはわりと寛大に待っている。
 歩行者の横断にも寛容だ。小さな通りでは、渡りたそうにしているとかなりの確率で車が止まってくれる。で、面白いのは、ついつい待ってもらっていると思うと小走りになる...なんてのは日本人だけなのだ。

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