「さぁ皆様、このキャビア、昨日ロシアから空輸させましたのよ。召し上がれ」
「あらぁ、このフォアグラ、良い味でござーますこと」
「おっほっほっほっほ」
ぽっぽがよく開くホームパーティーはこんな感じ。
パーティーにも色々あるけど、家でやるのって、各自の個性が出て、面白いよね。
他にもパジャマパーティー、お誕生日会とか…。
招待した側はゲームとか用意して、来てくれた人を楽しませようってする。
これがホームパーティー。
じゃあホームパーティー商法って?
楽しむのが目的のパーティーに、「お金儲け」がからまっちゃ…。
実例、見てみようか!
志朗とうちゃんは今、働き盛り。やる気満々50歳。 実は志朗とうちゃん、最近暇なので、料理に目覚め始めていた。 行くべきか、行かざるべきか…それが問題だ。 結局気になってたし、当日何にも予定がなくて、ふらっと立ち寄ってみた。 |
会場となっているのは、ごく普通の家だった。とうちゃん一人だけ男性。
出された紅茶をソファの隅っこで飲んでいると、ピンポーン。チャイムがなった。
「あら、いらしたわ!」みんなで揃って玄関に迎えに行く。
「みなさーん、お集まり? 遅くなりましてー」
やってきたのは大きな荷物を抱えた若い女性二人。「さあ、始めましょ」
厚化粧の二人は勝手知ったるって感じで台所に入り、荷物を広げ始めた。
とうちゃん、そっと覗いてみると…荷物は食材と、鍋がいっぱい。
厚化粧組は慣れた手つきでどんどん料理を作っていく。
見る見るうちに、一品、二品、三品…。
パーティーの名にふさわしい料理が次々と、応接間に運ばれた。
「さあ、どうぞ、皆さん食べてくださいな」
とうちゃん、そっと一口食べてみる。
「…う、うまい。うまいですね! これ!」
隠れシェフ志望のとうちゃん、思わず声をあげた。
| 料理があらかた片付いた頃には、もう志朗とうちゃん、輪に溶けこんでいた。 「そうですか、この鍋セットで作ると、こんなにおいしく出来るんですか…」 志朗とうちゃん、ピカピカに磨かれた鍋を手に、感心していた。 「そうですのよ。おまけにこれ、ステンレスですから、短時間で調理できるし、 ビタミンも壊さないし、光熱費だって節約できますのよ」 「アルミやホーローの鍋って、身体に害があるの、ご存知でした?」 口々にまくし立てる厚化粧二人組。 「これいいわぁ」「欲しくなっちゃうわねぇ」とオバハン達も言い出した。 「ほぉ、体にもいいのか」だんだん志朗とうちゃんもその気になってきた。 …そうだ、俺は、定年になったらシェフになるんだ…。今の内から修行せねば…! 「今、この鍋セットを契約なされば、クレジット払いにも出来ますし、 今日お宅にお届けしますわ。古い鍋も引き取らせていただきます」 …俺の門出に、新しい鍋セットは実にふさわしい。 美津子にも新しい鍋を買ってやることになる。 「じゃあ、1セット、お願いします!」 |
ホームパーティー商法パーティー、料理の講習会などの名目で隣近所の主婦を集めさせ、高額な商品を買わせる商法。 |

ホームパーティー商法ってのは、お友達の家に遊びに行くって感覚でまず集まる。
で、色々商品の良さをみせちゃう。
商品の凄さを見せつけられちゃってるし、周りの人が欲しい欲しいっていうもんだから、
自分も欲しくなっちゃうんだよね〜。
これだけだったら、まあ「悪質」って訳じゃないんだけど。
商品が通常より高額すぎたりすると、あぶないのさ。
もちろん、「アルミ、ホーローは有害、ステンレスが良い」なんて不確かなことをいうのは怪しすぎる。
鍋なんかはこの商法の代表的な商品だね。他にも婦人下着とか、浄水器とか。
その日の内にモノを持ってきて、古いのは引き取ってくれるってのは、とっても親切にみえる。
でも、実はそこがミソ。
例えば今回のケースで、新しく購入した鍋を使わざるを得ない状況に追いこんで、
クーリング・オフをしたい! ってなった時に、
「お客さん、常識で考えてよ。使った鍋、引き取れる訳ないでしょ。売り物にならないんだから」
なーんて、クーリング・オフを拒否するのが狙いの可能性大。
でも、心配ご無用。
ホームパーティー商法は、「訪問販売」の一種なの。
つまり、商品が訪問販売法上の指定商品だったら、クーリング・オフが可能なのさ(期間内ならね)。
「もう売り物にならない、大損害だ。賠償してほしい」
なんて言ってきても、お金を払う必要なんてないからね。
もちろんまともな商売だって可能性もあるよ。
まあ、冷静に考えて、場の雰囲気に押されないことだね。
さて、鍋を抱えた厚化粧二人組を連れ、意気揚揚と家に戻った志朗とうちゃん。
事情を説明された美津子かあちゃんの頭から角が生え、シェフの修行はお預けになった、とさ。