ただ今平成不況真っ盛り。
新聞には毎日のように、解雇や就職難の話が載っているよね。
みんな、一生懸命働いて、少しでも収入を増やそうとしている。
これはちっともおかしくない。
でも、そんな人達の気持ちを利用して、あこぎな真似をする輩が、いるんだよね。
ここで紹介するのは、働きたいって気持ちを利用した、商法です。
今回、単純家でお金が欲しかったのは…?
| 日本は北半球。クリスマスのある12月は当然、冬である。 単純五右衛門77歳。恋する男にとって、寒さなど問題ではなかった。 が、肝心のお相手、小梅ばあちゃんはどうだろうか。 「…実は、最近、ほつれてしまったの」 11月も終わりに近づいてきたある日、小梅ばあちゃんはぽつりと言った。 「何がほつれて来たのかね? 小梅ちゃん」 …とは言うものの、実は五右衛門じいちゃん、あまりお金を持っていなかった。 |
「こんにちは! ワールド・LIE・インポート略してWLIと申します!
この年末、何かと物入りで出費がかさみますよね。お財布が寂しくなっているのでは?」
どきっ。五右衛門じいちゃん、痛いトコロをつかれ、思わず返事をしてしまう。
「よくお分かりですなぁ」
「実は私ども、短期間で高収入のお仕事のご紹介をしております。
こちらはブランド品のバッグや小物などをヨーロッパから直接輸入をしている会社です。
コストを削減するため、一般家庭に直接チラシを配る事で、お客様のニーズに答えています。
今回ご紹介するのは、そのチラシ配りです。代理店となって、
ご近所の郵便受けに、チラシをいれていただくお仕事です」
電話の声が、さらっと説明を始めた。
「…ほぉ。つまり、チラシを配って、それを見て誰かが注文すれば、
価格の5パーセントが手元に来ると?」
「そうです! 50万円のバッグが購入されたら、2万5千円がいく訳です。
100万円だと5万円、200万円だと10万円! 500枚配ると、例え50件に1件の購入でも、
単純に計算して10万×10件で、100万円!これが毎月の収入になります。
今までで、半年で1000万円を越えた人もいます」
「1000万円…どうすればいいんですかな?」
五右衛門じいちゃんの頭に、金の半纏を持って小梅ちゃんに会いに行く自分が浮かんできた。
「代理店契約金42万円、振り込んでいただきます。そしたらチラシ一ヶ月分500枚、これを半年分まとめてお送りします。
チラシには通し番号が記載されていますので、商品が購入された時に私どもで番号を確認し、
そちら様の担当番号だった場合、お支払いします」
五右衛門じいちゃん、すっかりその気になり住所と氏名を相手方に伝えた。
「単純五右衛門様ですね。では契約書及び振込用紙とチラシをお送りします。届いてから3日以内にお振り込み下さい」
内職商法内職を紹介するとして、材料や機械を売りつけたり、内職講習会と証して多額の受講料を取ったりする商法。 |

今回紹介したのは、内職商法の中でも代理店商法というヤツ。
相手の代理店となって、チラシを配るという仕事を請け負う訳なのさ。
でも、こういったケースではお金を振り込んでそれっきりというケースが多い。
支払われるはずのマージンが、ちっとも手元に来ない。
業者に問い合わせてみたら、こう言われるのさ。
「そちら様の配ったチラシの番号で、申し込まれておりませんので」
チラシを配った方にはそれがホントかウソか、確かめる術なんて、ありゃしない。
今回のパターンだと、実は何と、マルチ商法の色合いも兼ね揃えているのだ。
五右衛門じいちゃんは、チラシを配って業者の商品の宣伝をした。
つまり、業者に客を斡旋した、という形になる。
これで、客が払った代金の一部がじいちゃんの懐に入ると…マージンはつまり特定利益の供与、という風に考えられてくる。
「代理店契約金」は、「入会金」・「登録料」の性質があると考えれば…ね? マルチ商法でしょ?
ただし、今回のケースの場合はじいちゃんが他の人の勧誘を依頼されているわけではないので、
マルチ商法だと認定されるかは、その時その時によるけどね。
マルチ商法として扱われなかった場合は、じいちゃんが救われる道はただ一つ。
いかにも簡単に高額なお金が手に入るように錯覚させられた、として、「錯誤」が適用されれば、
契約自体が無効になるのだ。
働きたいという気持ちが大変良いし、今の世の中SOHOとか在宅ワークが広がって来ている。
仕事を紹介してくる業者にも、もちろん良心的な会社もいっぱいある。
悪質商法に引っかかるかどうかは別として、在宅で仕事をしようと考えたら、
この3点を肝に免じておきましょー。