霊感(開運)商法

 

お正月には門松飾って、クリスマスにはにわかキリシタン。
四月になったら花祭り。もうすこししたらイースターエッグ。
里帰りをしたら仏壇に向かい、ついでに神棚に手を合わせる。
白無垢で三三九度の後にゃぁ、お色直しはウエディングドレスさ。

日本人って、色んな宗教の部分部分を寄せ集めて生活している感じがするよね。
大抵の人は、普段の生活に宗教を関わらせてないんじゃないかな。

普段、神様のこと、考えてる? 仏様のこと、よく、知ってる?

それでも、やっぱり日本人。
「ご先祖様が…」の一言に、めっきり弱いトコロ、あるでしょ!
ちゃんとした知識がないから、専門家(らしき人)にもっともらしく言われたら、
「はぁ〜そーですかぁ」と頷いちゃう、そんなトコロ、ない?

単純家の市子だってそんな感じ。あれれ? あんなところをふらふら歩いているよ?
ひぃちゃんさんの投稿をベースにしました

春爛漫、桜満開。
神社の花祭りの日、市子はぷらぷら境内を歩いていた。
久しぶりに童心に戻って、わたあめ、水風船、チョコバナナ…。
ジャガバターがおいしそう! 市子、鼻をひくつかせながら歩いていたら…

「お嬢さん、何か悩み事、あるんじゃない?」
誰かが声をかけてきた。見ると、並んでいる夜店の一つ−手相占いだ。
「安くしとくわよ。まあ、そこに掛けなさい」お腹の中に響く、低くて穏やかな声。
特に悩みがある訳ではないが、市子、磁石に引かれるように、座った。
言われるがままに、左の手の平を見せる。占い師、大きな虫眼鏡でじぃっと見てから、
「あぁ、あなたの生命線 途中で切れてるねぇ」
「え゛」思わず『え』に『゛』が付いてしまった市子に追い討ちをかけるように、
「あなたは結婚にはめぐまれないよ。したとしても、幸せにはなれない
子どもができたとしても、おかしな子ができるよ」
今や顔面蒼白、泣き出しそうになった市子。占い師はじっと目を見つめて、
「あなたの先祖は呪われてるかも。一度 私の家にいらっしゃいな」

その次の週、仕事帰りに市子は言われた場所行ってみた。
和風の一戸建て。奥に通されて待っていると、占い師がしずしずと入って来た。
さっそくお話。占い師は重々しく、持ってきた巻物を広げ、
「これがあなたの先祖の系図よ」「はぁ…」
みると、達筆過ぎる字で、確かに系図らしきものが書かれている。市子には殆ど意味不明だが。
占い師は、その内の一部を指差し、
「あなたは、この代から先祖によくないコトが起こってるの。あなたの家族で亡くなった方は?」
「おばあちゃんが、小学生の時亡くなってます。それから、叔父が、去年」
「やっぱり。あなたの家系、これからもよくないコトばかり起るわよ。先祖の怒りを
沈めるためにも、ちゃんと供養しなくては」占い師は凄い迫力で詰め寄ってきた。

「奈良の方に道場があって、そこで一年間修行をつんだほうがいいわ。私の口利きということで入るのに10万円にしてあげられる。ぜひ、入りなさい!」
「え、でも…10万円なんてありません」「誰か貸してくれる人いないの?」
市子、一瞬美津子かあちゃんの顔が浮かんだが、「…いません」
「よく考えて、次までに都合つけなさい。それと 次回はお供えにお米一合持ってきなさいね」
市子、次回の予約を入れると、おとなしく3000円払ってとりあえず家に帰った。

 

翌週−米びつからこっそり一合出して、袋に入れようとしたら、美津子に見つかってしまった。
「何してるの、あんた」
10万円どうひねり出そうか悩んでいた市子、良い機会と思い全て打ち明けた。
「…というわけで、明日のお払いにお米持って来いって」
「あんた、どこまで騙されやすいの! そんなの、インチキに決まってるじゃない」
美津子はお米を取り上げた。「駄目ね!」「…だって、本当かもしれないから…」
気弱に訴える市子を見やって、美津子はため息をついた。

「あんたもあたしの子だよ。あたしもね、昔そんなのに引っかかりそうになってね。
その時も結婚できない、変な子が生まれるって言われてね。
でもね、かあちゃんこうやって結婚出来たし、あんたと治朗って二人の子供も出来たし、
そんなの信じてお金使わなくて良かったって心底思っているんだから」
「本当? ほんとに安心していいの?」うるうる涙目で聞く市子を、美津子は見た。
「…ま、騙されやすくて変かもしれない子は、確かに産まれたけどね」

 

霊感(開運)商法

「先祖のたたりで不幸になる」「購入すれば不幸から免れる」などと人の不幸や不安につけこみ、
高額な壷や数珠、印鑑などを買わせたりする商法。

踊る3チューリップ

今回の投稿では、市子は道場に誘われたよね。
一般的に知られている霊感商法としては、
コレを買ったら幸せになれるよ。買ったら不幸が去ってくよ」ってな感じで
色んなものを買わされたりするのがあるけど、
このストーリーも間違いなく霊感商法。

そんなに不幸だと思っていなかったのに、
「アナタは不幸だ!」と強気に指摘されちゃったらさ、
「あ、不幸だったのかも…」って、自信なくしちゃったり、しちゃうかもしれないよね。

他にも、「コレを持ってれば、間違いなく運が開ける!」
なーんて断言されちゃったら、
「もしかしたら…!」って、試してみたくもなっちゃうよね、人間ってさ。

そんなところにつけこんでくるのが、この商法の特徴ナノダ。
勝手なことをどんどん言ってきて不安にさせて、動揺しているところに、みせかけの救いの手を差し伸べる
その手をこっちが取ったら、もう、負けだね。

ひどいのになると、
「お友達を救おう!」ってな感じで、マルチ商法にもなっちゃうモノもある。
自分で開運のために印鑑セットを揃える。そして本部からいくつか仕入れて、知り合いに売りまくる…。
おおっ、確かにマルチじゃないか。

相手のでっちあげの話を信じたり、無理矢理の勧誘方法で買わされたり支払ったりしちゃったら
訪問販売法って法律の違反になるので、売買契約そのものを無効にすることは出来るんだ。
印鑑とか壷、仏具は訪問販売法の指定商品に含まれてるしね。

怖いのは、騙されているって気がつかないで、のめりこんじゃった場合だね。
もう、持ってるものをエンドレスに注ぎ込んでっちゃう。

ココから下は、ぽっぽの個人的な意見。

高価な壷や印鑑を買ったくらいで幸せになるんじゃ、人間、努力なんていらないよ。

ご先祖様が、子孫に悪いようなこと、する訳ないじゃないか。
第一、子孫が感じ取れない事を、どうして他人が分かるんだ?

ぽっぽは宗教は否定しないし、もしかしたら本当に先祖とかそーゆーの、分かっちゃう人がいるかもしれない。

でも哀しい事に、だますために宗教っぽいこと利用する輩が、確かにいるんだ。

自分の支え、幸せの元になるモノって、お金を払って手に入れるものじゃない。
自分が手応えを感じて、掴み取るものなのさ。

まあ、自分をしっかりもって、だまされないようにするしか、ないのかな。

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