波津彬子(はつあきこ)

 

この人の作品を初めて読んだのは今を去ること18年くらい前でしょうか。高校生だったおいらは、マンガに深くのめり込んでいった時期でもありました。昭和50年代後半から60年代にかけて、時はまさしく、マンガ黄金時代。メジャー、マイナー入り乱れて、それまでにないマンガが続々と発売されていた時期でありました。

その頃おいらが読んでいたのは少年マンガでは高橋留美子、細野不二彦、島本和彦、安永航一郎(全部サンデー系だなあ)、少女マンガでは青池保子、萩尾望都、山岸涼子や白泉社系列の作家たちなどなど。初めてマンガ紹介の専門誌「ふゅーじょんぷろじぇくと」や「ぱふ」を知ったのもこのころでした。これら専門誌の行っていた年間ベストテンという企画はおいらを非常に燃えさせました。

「おいらの知らないマンガがこんなにある!」

ある意味今のおいらを作ったのはこれらの雑誌だったのかもしれません。だって、それまで、名前しか知らない、もしくは名前すら知らないマンガが山のように紹介されいて、試しに買ってみて、面白かったときのあの興奮!まるで自分が登山家にでもなったように、それらの作品を制覇していく楽しみったら・・

さて、ある日書店で朝日ソノラマから発売されていた、今はすでにない「DUO」という雑誌を買ってみました。すでにあちこちの作家を読みあさり、いっぱしのマニア気取りでいたおいらですから、いかにもマイナーっぽいこの雑誌には心惹かれるモノがあったのです。波津彬子はここにフレドリックブラウンの短編を漫画化した作品を掲載していました。

鋭いペンタッチ、陰影の濃い画面、テンポよく進むストーリー展開など、おいらの心を魅了するには十分でした。

その後もDUO誌にコンスタントに作品を掲載し、さらにはプチフラワー誌においても「パーフェクトジェントルマン」を連載するなど徐々にその活動範囲を広げていったようです。

おいらは当時発売された朝日ソノラマ「B級パラダイス」、「フレドリックブラウンは二度死ぬ」、小学館「パーフェクトジェントルマン」は買ったのですが、その後活動拠点をどこに移したモノか、波津さんの名を見ることは迂闊にもなくなってしまったのです。

時は過ぎて今年になってから、小学館から文庫で「異国の花守」が出ているのを見つけました。同時期にプチフラワー誌上において「麗しの英国シリーズ」が載っているのにも気づきました。

久しぶりに読んだ波津彬子はやはり面白かった。ペンタッチは洗練され、ストーリーは深みを増し、作家として正統な進化を遂げられていました。

その後、朝日ソノラマから雨柳堂夢咄をはじめとする数多くの単行本が出ていることを知り、あわてて買いそろえた次第です。

作品の数はそれほど多くはないのかもしれませんが、これからも要注目の作家さんです。

 

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