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こころの障害ってどんなこと

気持ちが沈んでいたり、不安を感じたりということは、誰にでも起こります。 正常とそうではない状態の違いとはどのようなものなのでしょう。
精神科では、『病気』という概念を1980年代に放棄しているそうです。英語で『病気』のことを『disease』といいますが、精神科の場合は『disorder』=障害といいます。
身体の病気の場合は客観的に判断ができます。例えば本人が元気に仕事をしていても、検診でガン細胞が発見されれば『ガン』という病気です。
これにたいして、精神疾患の場合は、抑うつ気分や不安が強くても、その人がうまく生活が送れていれば、病気とはいいません。
普通の生活を送るための適応能力がどのくらいあるかといったことが問題になってきます。
そのため、わかりにくいかもしれませんが、正常と障害があることとの違いは連続していてはっきり分けることができないものと考えられます。
そうしたうえで、適応能力について判断する基準は次のようになります。
- 本人が日常生活を送れないほどの不安や苦痛を感じていること。
- 社会的なルールにうまく適応できず、人に迷惑をかけたり、自分自信が不都合を感じていること。
- 自分がやろうとしていることの目的が果たせないでいること。
このようにみると自分の感じ方次第ではないかと思うかもしれません。
けれども抑うつ状態のときなど判断力が落ちていることもあります。専門家が診断をしてみなければ見分けがつきにくいものです。
【追記】
こころの健康と病気との境界は、『時代や文化、精神医学の進歩によって常に変動し続ける』ものだそうです。
こころの障害の分類と診断基準も何度も見直しが行われています。
”精神障害”や”精神障害者”という言葉に対して、私たちは1つの決まった基準にあてはまる人たちがいるような認識を持ってしまいがちです。
けれどもその中にはひとりひとり違ったさまざまな状態の人が含まれて、違う苦しみをそれぞれ持っています。
そのすべてを理解することはとうていできませんが、少しでも誤った認識をなくしていくことは生活していく上での”障害”を減らしていくことにつながるのではと思っています。
●この文章は、こころの健康事典」(町沢 静夫 著/朝日出版社/1999年)、別冊宝島453「メンタルケアで楽になる」、「こころの病気がわかる本」(渡辺 登 著/日本実業出版社/1999年)を参考にしています。(ふう)●

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