■ 漢語迷の武漢日記 ■
< 第2回 留学生と中国人学生の格差 >皆さん、こんにちは。今日は中国の留学生と中国人学生の置かれている生活環境の格差についてお伝えしたいと思います。
まず最初に私たち留学生の生活環境について簡単に紹介しましょう。武漢大学の留学生寮の場合、四人部屋になっています。ただ、四人部屋といっても、中には一人一人の個室があります。冷暖房は完備、当然お湯も出ます。ただ、この夏は新しい留学生寮ができたばかりということもあり、結局は冷房がつかず、40度近い暑さの中を扇風機だけで過ごさなくてはなりませんでした。暖房も使い始めの頃は漏水があったり、すぐに壊れたりして大変でした。お湯が出なくなったり、停電になったりということもたびたびです。そういうわけで、留学生の間では不満が絶えません。
しかし私が初めて中国人学生の宿舎に行ったとき、こうした不満は一気に吹き飛んでしまいました。彼らの部屋は八人部屋でした。中に入ると左右に二段ベッドか二つずつ。日本のユースホステルを思い浮かべていただければいいと思います。真ん中に共用の小さな机が二つ。もちろん個室などというものはありません。冷暖房は当然なく、冬をしのぐ手段は 「窓を閉めること」 だそうです。シャワーも水しか出ないので、耐えられない人はバケツにお湯を汲んできて使います。
私が中国人学生の宿舎に遊びに行くと、誰もが決まって「私たちの宿舎は環境が悪くて恥ずかしい」と言います。そのたびに私は返答に困ってしまいます。 中国人からしてみれば留学生は本当に贅沢な暮らしをしているのです。こうした現象が起こる背景には円と元の価値の格差があります。中国人の一ヶ月の給料の平均は都市部でも一万円ちょっとです。つまり、日本人と20倍ほどの格差があるわけです。留学生の学費や部屋代は中国人学生に比べて格段に高いので、やはりいい環境の所に住めてしまうわけです。 逆に、中国の学生が自費で日本に留学することはほとんど不可能というのが現状です。中国人学生の友達の友達が日本に留学しているそうなのですが、彼は死体運びなどをして生計を立てているそうです。毎日遊んで暮らしている日本の留学生とは何という違いでしょうか。
このような経済力の差を背景に一部では何か自分が偉くなったものと勘違いし、傲慢になってくる日本人も出てきます。恐らく日本でも報じられたと思いますが、武漢でこのような事件がありました。ある日本企業の駐在員が、ホテルで注文と違ったものが来たのに激怒して、ウェイトレスに土下座して謝らせたというのです。結局、この社員は強制帰国という処分になったようですが、日本の「週刊新潮」ではこの処分を「国辱」などと言って批判していたようですね。(私は直接この記事を読んだわけではありませんが。) しかし、私に言わせれば、これぐらいしてやらないと日本人の王様気分はなくならないのではないかと思います。(もちろん、日本企業の駐在員がこのようなひどい人ばかりではないことは申し添えて置きます。)
すっかり話が広がってしまいましたが、このような「格差」を指摘したところで、それをすぐにどうにかできるというものではありません。ただ、私は一部の留学生のように経済的に、また環境において恵まれているのをいいことに、無駄に時間を過ごすようなことは決してしてはならないと思うのです。そのことを肝に銘じて留学生活を続けていきたいと思っています。
1999.12.25
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