漢語迷の武漢日記 

< 第4回 過去の戦争に対する大きな認識の差 >


 大阪市のピースおおさかで1月23日に行われた集会 「二十世紀最大の嘘 『南京大虐殺』 の徹底検証」 について、こちらの方の 「集会」 反応をご報告しておきましょう。

 まず、中国政府の反応ですが、テレビや新聞では毎日のようにこの問題が大々的に取り上げられ、 「集会」 に対する批判と同時に、日本の政治家がこの問題についてどう発言したとか、新たに南京大虐殺を証明する資料が見つかったといった報道が連続的にされていました。
 次に、学生の反応ですが、南京大学では抗議行動なども行なわれたようですが、武漢大学について言うと、表立った抗議行動というものは全くありませんでした。関心は比較的薄かったようです。友達に聞いてみると、 「集会」 についての情報自体を知らない人もいました。中国人学生の宿舎にはたいていテレビがないので、新聞を見ない限り情報が入らないということもありますし、期末テストの時期だったということもあったようです。ただ、留学生寮の前に 「集会」 を批判した新聞記事のコピーが貼ってありました。誰が貼ったのかはわかりませんが、やはり中には強い関心を持っている人があることも確かです。
 ふだん中国人学生と話している時のことについて言うと、戦争のことを話題に持ち出してくる学生はほとんどいません。やはり、彼らとしても触れにくいようです。ただ、中にはやはりストレートに戦争について聞いてくる学生もいます。彼らの本音を知るには、もう少し関係を深めていくことと、語学力を高めていくことが必要なようです。
 学生以外の人たちの反応ですが、僕が農村に行っている間、食事をしている時に何度か南京大虐殺に関するニュースが流れました。なんとも気まずい状況でしたが、僕が 「こういう人たちがまだ日本にいて本当に恥ずかしい」というと、友達のお父さんは、「これは歴史上のことだから、気にすることはないよ」と言ってくれました。また、別の人は「あなたのような後の世代の人たちの問題ではない」と言っていました。しかし、内心はどう思っていたか分かりません。
 日本人の友達や先生の中には、タクシーに乗った時に 「集会」 の件でけんかを吹っかけられたと言う人もいました。やはり、反応は一様ではないようです。 仲のいい中国の友達は 「中国人の多くは日本人を恨んでいる」 と言います。それが、実態に近いかもしれません。
 いずれにしても、戦争について日本人と中国人の間で大きな認識の差があることだけは確かです。

 先日読んだ中国のある雑誌の中に韓国人のエッセイが載っていました。そこには「韓国人が一番尊敬するのはどこの国の人か?大多数の人はドイツ人と答える。なぜか?彼らは自分たちの過去の誤りを認める勇気があったからである。それに比べて、日本人はどうか?言葉の遊びにふけり、何とか過去を忘れさせようとしてきた」 と言ってことが書いてありました。これは韓国人が書いたものですが、中国人も同じように思っていることでしょう。
 「いつまで謝ればすむのか」 などといっている人は、なぜ日本とドイツに対する評価がこれほど違ったものになってしまったのかを考えるべきだと思います。


2000.2.13



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