ちびくまスケッチ(2001年5月)


5/1

手当たり次第に荷物を詰め込んで、足の踏み場もなくなっている西側の部屋に、ちびくまが入ってごそごそしているな、と思ったら、英語の反対語パズルを出してきました。
もらいものだけど、まだ開封していないので、いずれリサイクルショップにでも売りに行こうかと思っていたのに、ちびくまは「おかあさん、パズル、開けてみようか」と言って、ニコニコ。ああ、私って本当にちびくまの笑顔に弱い。

"big"と"small"のように、それぞれ対になる言葉が2ピースで一組、それが15種類入った
パズルなのですが、ちびくまにはすぐ、それがどういうものかわかったようで、あっという間に15組の反対語パズルを作ってしまいました。

実は、これはちびくまの4歳の誕生日に、知人から贈られたものでした。
当時のちびくまは、英語はおろか、日本語の名詞の発語さえ殆どなく、「おかあさん」とさえ
言えず、私は「この子は一生こんなふうなのだろうか」と暗い気持ちで一杯でした。
そんなちびくまに、形容詞や反対語を理解できる日がこようとは、とても想像できなかったのです。「ちびくまの障害についてよく知らないとはいえ、なんとむごいプレゼントをくれるのだろう」そう思って、私は涙にくれました。そしてそのまま、開封もせず、ダンボール箱に突っ込んで、クロゼットの奥にしまいこんだのです。

「もういっぺんやる」そう言って、ちびくまはパズルをバラバラにして、またやり始めました。
今度は「ビッグのはんたいは、スモール」「ドライのはんたいは、ウェット」と声に出しながら・・・。
2年半の間に、この子はこんなに成長したんだ。そのことを改めて気づかされました。
自閉は治らないが、必ず子どもは伸びる。それを信じることの大切さを改めて実感した日でもありました。


5/ 6

今年のゴールデンウイークはあいにくの天気だったのですが、やっと五月晴れになったので、車で20分ほどのニュータウンの中にある、大規模公園まで遊びに行きました。
ちびくまも、私たち夫婦も、渋滞キライ、人ごみイヤ、並ぶのキライ、外食したいと思わない、という人間ですので、(でもアウトドア派、というわけでもない中途半端(^^ゞ)天気が良ければお弁当を買って公園でピクニック、それがアメリカ時代からの休日の過ごし方の定番になっています。

「あそこ良いよ〜」と知人に教えてもらったその公園は、確かに、幼稚園児向きくらいのともう少し大きい子ども用の2種類の大型総合遊具があって、がんがん体を動かして遊べる環境になっていました。

小学校入学以来、ずいぶん大胆になってきているちびくまは、早速、大きい子用のアスレチックに挑戦。最初はさすがに怖かったのか、引き返して来て、父親に手をつないでもらって再度挑戦。今度はこわごわながら、ネット渡りも吊り橋も最後までいけました。
それで自信がついたのでしょう、今度は父親の手を振り払って、一人で挑戦。
ところどころで立ち止まって「どう?」と言わんばかりに親のほうを見るので、「すっご〜い、ちびくまくん、上手だね〜」「頑張ってるねえ〜」と褒めちぎります。

それですっかり気を良くしたちびくまは、最後の「これはちょっとちびくまには難しすぎるだろう」と思っていた吊り橋渡り(沢山のブランコをチェーンでつないだような形のもの。かなりぐらぐら揺れる)にも挑戦を始めました。
一歩一歩、おっかなびっくり、でも、自分の手と足の位置をようく見て、確かめながら。

固唾をのんで見守る両親の前で、ちびくまはついに最後の横木までたどりつきました。
「やったあ!ちびくまくん、すごいね!」

ちびくまは「えっへん」と言わんばかりの得意顔。こうした「小さな成功」の積み重ねが彼を育てていくのだろうと思います。もっともっといろいろなことに挑戦させてやりたい。
ついでに言えば、アスレチックって、感覚統合訓練の意味もあるのですよ。
あれっ、私って、療育ママ?


5/7

最近、私が夕食の用意をしていると、ちびくまが一緒にキッチンに来て、冷蔵庫を開けてみたり、私のしていることをじっと観察していることがよくあります。

今日もちびくまは私の後ろで、冷蔵庫のドアを開けたり閉めたりして遊んでいました。ドアの開閉自体が面白いのもあるのですが、語彙を増やすことにやっと興味がでてきて、中に入っている雑多なものの、名前を確認しているのです。

「ソース、ドレッシング。バター、ジャム。Mommy, what's that? (この質問だけはなぜか今も英語でするのです)」
「それはねー、おつけもの」
「おつけもの。におわなっとう。(おいおい(^^ゞ)」
野菜室を開けて、「What's that?」
「こまつな」
「こまつな。あ、トマトだ。トマトだね〜。おかあさん、おなかぐーぐーなった。ちびくまくん、トマトあげようか(「ぼくにトマトをくれ」の意)」
不経済きわまりない、とは思うのですが、息子のせっかくの知的好奇心をくじきたくなくて、つい黙認してしまう、相変わらず大甘の母親なのです。

そのうち、鍋の火加減とまな板のほうに気をとられ、冷蔵庫から何かを取り出してためつすがめつを始めたちびくまのことはほったらかしになっていました。
と、突然、ちびくまがリビングに走り、自分のハンカチを握って駈け戻って来ました。そして、それで床を一生懸命拭っています。
見ると、そこには、割れた生卵が・・・。

「あーーーーつ」思わず声をあげると、ちびくまはビクッとして、
「ぐりとぐらは、たまごをわりました」「そうだ、かすてらをつくろう」
(これはどちらも絵本のせりふです。遅延エコラリアですね)
「かすてらを作りたかったの?ああ、それでたまごが割りたかったのね」
ちびくまは泣きそうになりながら、
「ごめーん、ぼくってだめなやつだね」(これも絵本のせりふです、念のため)
そんなことを言われると、もう怒るわけにもいきません。(笑)
「たまごはね、割るの難しいんだよ。今度、お母さんと一緒に練習しようね」
そう言うと、やっと納得したようでした。ああ、それにしても、キッチンの床はヌルヌル。
今度は特売の卵でも買ってきて、ちびくまにつきあうしかなさそうです。


5/8

今日は、家庭訪問の日です。今回は、担任の先生と、クラスの介助員3名(子どもたちには同じように『先生』と呼ばれています)、合計4人の訪問でした。我が家のリビングはびっくりするほど狭いので、大人が5人入ると、さしずめ満員電車のようです(笑)。

ちびくまには、担任のほうから「おうちに行くよ」と説明してもらっていたので、パニックにはなりませんでしたが、照れくさいのか、はにかんだような顔をして、リビングの外からそーっと様子を伺っています。

担任は、今のちびくまの学校での1日の流れと、出来ていること、現在取り組んでいることをまとめて、書面にしてくれていました。

「もう、私の側からはなーんにも注文をつけることありません、おかあさん。何でもひとりでできるし、明るくて、元気で、新しいことにもどんどん挑戦してくれるし、集団も平気だし、大人とも子どもとも自分から関わっていってます。あれができない、これも難しいって、おかあさんからお聞きしてたけど、全然そんなことないです。
ちびくまくんが、去年、保育所から断られた、っておっしゃってましたけど、正直、なんで?と思ってるんです」

「いえ、予想もしなかったほど、最初からスムーズに行って、私たちもびっくりしてるんです。入学以来、あらゆる面でぐんぐん伸びてきているのが、私たちにもはっきりわかります。やはり、彼の特性を尊重してきめ細かく指導していただいているおかげだと思います。ありがとうございます」

「いいえ、おかあさん、お礼を申し上げるのはこちらのほうです。ちびくまくんが入ってくれたことで、クラスの雰囲気がぐーんと明るくなりました。毎日、大人を笑わせてくれるので、私たちもとても仕事が楽しいんです。ねえ、そうだよねー」
介助の先生たちもみんな、うんうんと頷いてくれます。

なんだか、アメリカの教室に逆戻りしたような、錯覚を起こしそうでした。日本にも、こんなになんでもポジティブに評価してくれる先生っているんだ。こんなに手放しで子どもを誉めてもらって、いいんだろうか?あとで、とんでもないどんでん返しが待っていないだろうか?

それから、担任は「これ、見ていただきたいんです」と言って、時間割表を取り出しました。
それは、「ちびくま用の」時間割でした。
「国語と算数は、当分、障級の教室で個別指導を続けます。それから、これとこれは、障級独自のプログラムで、発達の援助を目的にしています。でも、ちびくま君は障級100%だとエネルギーが有り余ってしまうので、『生活』『図工』『体育』『音楽』は、介助つきで普通学級ではどうかと思っているんです。もちろん、普通の指導課程では、面白くないものもあるので、ちびくまくんが興味を持てなかったり、参加が辛かったりしそうなものは、パスして障級でなにか代替を考えます。早く言えば、普通学級の『いいとこどり』させてもらおうかな、と思ってるんですが、いかがでしょう?」

その場で小躍りしそうになりました。それって、正に私たちがちびくまのために求めていた理想の環境ではありませんか。神様、この学校と、この先生に、会わせてくれて、ありがとう!

先生たちが、ではそろそろ失礼して、と腰をあげかけた頃になって、ようやくちびくまが部屋に入ってきました。「おかあさん、抱っこしてください」と言いながら、膝に登ってべったりくっついてきたちびくまを見て、先生たちは「まあ、ちびくまくんって、こんな面があったんだ!」
担任は「いや、きっとね、お家でのこれがあるから、学校でああいう風でいられるんだと思うよ」とすかさずフォロー。
でも、「ああいう風」って?おーい、ちびくま、あんた学校でなにやってるの?


5/9

今日は、障級の単独行事で、同じく障害児教育センター校の中学と合同のボーリング大会でした。
それも、子どもと先生方だけで、本物のボーリング場へ出かけていってやるのです。
マンツーマンで介助がついている障級だからこそ1年生でもできる校外学習ですから、それを聞いたときには「大丈夫かな〜」という思いと、「なんてオイシイ♪」という思いが交錯しました。

でも、これも、しばらく前から障級の教室でボーリング遊びをしながら、やり方やルールを覚えていく、という準備手続きが踏まれています。
おまけに、前日に持って帰ってきた「おたより」には、朝、家を出る時間から、1日のスケジュール、帰宅までがきちんと箇条書きで書いてあり、「もちもの」のところには、「かばんは、てさげかリュックサックにしましょう」とまで但し書きがついていたのです。

「学校に行くときはランドセル」がルールになってしまったちびくま、遠足にもランドセルをしょっていく、と頑張るのではないか、という私の心配まで、ちゃんとカバーしてくれてあったのでした。

おかげで、夜寝る前と朝にそのプリントを見せながら「おさらい」しただけで、ちびくまはスムーズにリュックを背負ってご機嫌で出かけていきました。

午後、ご機嫌なままで帰宅したちびくま。心配していたお弁当も、ほとんど平らげていましたが、さすがに疲れたようで、お昼寝をしました。

夕方、障担から電話がかかってきました。
「もう、校外学習は、バッチリですね。自己紹介もきちんとできたし、貸靴も、『あそこで18、って言って靴もらっておいで』と言っただけで、ちゃんと貰ってきて、ひとりで履き替えてました。さすがにボーリングの玉は重いので、私たちが手伝ったんですけど、中学生のお兄ちゃんたちがしているのを観察して、同じように穴に指をいれて持とうとまでするんですよ。
自分の番を待っている間はボーリング場の隅のゲームコーナーに行っちゃうんですが、でも
ただ走り回っているんじゃなくて、『ちびくまくんの番だよー』と呼ぶと、ちゃんと帰ってくるんです。ひとりだけ、2倍楽しんでいる感じでした。
校外に出ると、いつもとはちょっと感じが変わるんですが、でも、これだけ校外学習が楽しめるんなら、もっともっと、あっちこっちへ連れて行ってあげたい!と思ってしまって。
来月の遠足が、今から楽しみです。夏にはお泊りもあるので、ぜひ参加して下さいね!」

・・・絶句。いいんだろうか、こんなに恵まれてて。あとでオバケがでるんじゃないか、とちょっと不安な私です。

5/14

午前中、障級の保護者会があったので、学校に出かけて行きました。

上級生のお母さんたちは保護者会が終わると、皆当然のように子どもの教室を覗きに行こうとしていました。
「いいのかなあ、予告もなしに覗いて」ちょっと心配だったのですが、私もちびくまのいる障級の教室をこっそり覗いてみました。すると、私に気づいた先生たちが、「こんにちは〜。どうぞどうぞ」と手招きしてくれるのです。
「お母さん、朝、音楽の交流授業、ごらんになりました?」と担任。
「いいえ、勝手に覗いていいのかしら、と思って」
「ええー?いいに決まってますよ。今度ついでのとき、ぜひ見てくださいね。すごくおりこうに頑張っているんですから」

ちびくまたちのクラスは丁度、視力検査と聴力検査のため、保健室に出かけるところだったので、同じクラスの2年生のお母さんと一緒に、保健室までついていきました。
検査の順番は、最年長の4年生のおねえちゃんが決めます。「ちびくまくんは、一番あと!」
宣言されたちびくまは、おとなしくベンチに座りました。
4年生と2年生は、介助なしで検査をこなしました。3年生のおにいちゃんは担任に手伝ってもらって検査をこなしました。さて、いよいよちびくまの番です。

ところが。ちびくまは片目を隠す棒を顔に当てるのを嫌がって、座り込み。「じゃあ、両目でいいから」と言われたのですが、「ちびくまくん、これ、どこが切れているかな?」と言われた途端、自分が切れました。
おそらく、質問の意味がわからなかったのだと思うのですが、「きちんとできること」にこだわる彼には、「できない課題」を設定されることがパニックの引き金になります。まあ、地の性格がおとなしい方なので、パニックと言っても、「ぐずり」の域を出ないのですが、でも「検査はちょっと無理」という雰囲気になってしまいました。
「自分に要求されていることがわかっていない」という担任の助言で、保健の先生は絵カードを出してきてくれたのですが、時既に遅し。
「まあ、今検査をしなきゃだめ、というもんでもないし、ほとぼりが冷めた頃にもう一度やってみましょう」と保健の先生は言ってくれました。
「ごめんね、ちびくまくん。先生、ひらがなでテストできるのがあるとばかり思っていたから。今度『ひらがなのを買ってください』って、校長先生にお願いしておくね」そう、担任もとりなしてくれました。
パニックは収まったけれど、なんとなく不機嫌なちびくまを学校に残して、私は一足先に家に帰りました。

さて、いつもどおり、送迎バスで帰宅したちびくま。30分くらい、ご機嫌で遊んでいたのですが、なんだか静かになったので見に行くと、部屋の隅で布団を被って、しくしくと泣いているのです。「どうしたの」と言うと、しがみついてきて、「あー、だめだー。できないよ」「ごめんね。ぼくってだめなやつだね」「だめじゃないか」と繰り返しながら、しゃくりあげて泣くのです。

どうやら、「視力検査がきちんとできなかったこと」がひっかかっているようでした。
数多くの自閉のお仲間同様、「オール・オア・ナッシング」の呪縛から逃れられないちびくま。「できない自分」も認められるようになれば、もう少し課題の幅も広げられるのですが。
このあたりはまだ、彼の成長をまつしかなさそうです。

5/15

(連絡帳より)
「『○○園』(地域の障害児通園施設)のお母さんたちが見学にこられました。教室にお客様が来られて大喜び、近寄って笑顔でお迎えしていました。朝から『10人来られます』と言っていたのに、2班に分かれていて、5人しかみえなかったら、『おかしい』と思ったのか、あとの5人を廊下まで探しに出ていました。ちびくまくんのことを、みんなで『接待係』とも言っています」


5/17

担任の作ってくれた時間割にそって、ちびくまは殆ど毎日、1〜3時限を交流級で過ごしています。今日は介助付きで「生活科」の授業に出ていました。
今日の課題は「あさがおのたねまき」。

(連絡帳より)
「1年2組の教室で、植木鉢を配ってもらって、○○先生から説明を聞きました。説明を聞いている間、まわりの男の子たちが植木鉢を頭にかぶっているのを見て、同じように頭からかぶってご機嫌でした。」

「みんなと一緒にふざけた」のか「説明がわからないのでとりあえずみんなの真似をしてみた」のか・・・。後者の可能性が高いとは思うのですが、他の子どもたちには「なんだこいつも中々オモシロイじゃないか」と思ってもらえたかもしれません。

先生たちは、きっと(こっそり)大受けだったでしょうが・・・。


5/21

今日は、障害児学級の学習の様子を、M小の先生全員が見学する、公開授業の日になっていました。
1時間の授業の間に、沢山の大人が出たり入ったり。
こういった行事があるときは、環境の変化に敏感な子どもたちのため、何度も音声と文字で予告が行われます。特に、ちびくまは初めてのことなので担任は随分気を使ってくれたようでした。

しかし・・・。
ちびくまは、接待担当よろしく先生一人一人を入り口まで笑顔で迎えに行って、その人の顔を見ては、「アンパンマン」のキャラクター名を付けたのだそうです。
この春M小に転任してきたばかりの校長先生は「ジャムおじさん」。ちょっと太目の先生は「おむすびマン」。髪の毛が少し外はねの女の先生は「カレーパンマン」。
「ちびくまくんって、アンパンマンのキャラクターをこんなに沢山覚えていたのね」と障級の先生方がびっくりするくらい、次々に、キャラクター名を持ち出したそう。
「それがまた、どれもこれもきっちり特徴をつかんでいるもんですから、大笑いになってしまって・・・」と担任。
障級の1年生にいきなり「ジャムおじさん」呼ばわりされた校長先生も、きっと驚いたことでしょう。

でも、おふざけだけではなく、学習の方も、ニコニコはきはき、張り切ってきちんとやったのですよ、と、ここでも担任はフォローを忘れませんでした。
「普段から、ちびくまくんは元気でおりこうな子です、英語もバッチリです、集団生活も頑張ってます、と職員室で宣伝はしていたんですが、やはり実際の学習の様子を見てもらって、
先生方も、実感として、ああ、元気な子だな、明るくて楽しい子だなー、と思ってもらえたみたいで。これでまた、ちびくまくんのファンが増えるなーって、思ってるんです」
担任が、ちびくまの一番の味方。これだけでも、ここの障級を選択した甲斐があったというものです。


5/22

ちびくまの学校には「なかよし班」というのがあります。異年齢交流のため、1年から6年までを縦割りにしてグループを作り、活動するのです。ちびくまもこうした活動には介助つきで参加しています。

さて、今日は全校で「1年生を迎える会」というのがありました。
狭い体育館に全校生徒が入るので、障担は少し心配したけれど、全然平気で他の1年生たちと一緒に入場しましたよ、と連絡帳には書いてありました。ただ、「お花のアーチ」がどうしてももう1度くぐりたくて、逆戻りしてしまったそうですが(笑)
わずか1年前には、見学に行った保育所の33人学級にパニックを起こし、泣いて暴れた子とはとても思えません。

入場の後は「なかよし班」対抗のゲームになりますが、ここでは同じ班の4年生のお姉ちゃんが、事細かに面倒を見てくれたのだそうです。
「ちびくまくんもすっかり彼女になついて、私のことなんか無視なんですよ。今日も出番がありませんでした」
夕方電話をくれた障担はそう言って笑っていました。

「うちの弟よりずっと可愛い」とちびくまをすっかり気に入った彼女は、その後の休み時間にも友達を誘って障級の教室まで遊びに来て、 ちびくまとおままごとや学校ごっこをして遊んでくれたのだそうです。

昨日の授業参観で、普通級の先生たちにも顔が売れたため、今日はどこへ行っても、気軽に声をかけてもらい、それがまた嬉しかった、という感じのちびくまでした。


5/24

6月1日には、障級の遠足があります。なんと最寄駅から電車に乗って、遊園地へ行って遊ぼうというのです。

でも、もちろんぶっつけ本番でそういう行事がこなせる人たちではありませんので、授業の中で、綿密に準備学習が行われています。
教室の中に「電車」を作る。教室と教室を「線路」で結ぶ。
今日は、3日続きの雨天のあと、やっと晴れたので、本物の駅をみんなで見に行ったそうです。
29日には、先生と近くの店に遠足のおやつを買いに行くことになっていて、そのための準備学習も進められています。

ちびくまは電車が大好き。少しずつ盛り上がってくる遠足の準備に、わくわく気分のようです。


5/29

今日は、「買い物学習」の日です。

ちびくまは、以前、スーパーには連れていけない子どもでした。
店に入るのを嫌がって、入り口でひっくり返って泣いたり、さもなくば値段札に張り付く、走り回る、商品に触りまくる、叱るとその場で床にひっくり返る…。
アメリカでは、いつもちびくまが幼稚園に行っている隙に買い物に行っていました。
日本に帰ってから、少しずつ練習して、今では最寄のスーパーならば、一人でお菓子売り場を物色しながら、母が迎えに行くまで待っていることができるようになりました。店に入ると、自分から「おるすばんする(離れて待っている、の意らしい)」と言って、母から離れます。
でも、お菓子が欲しいのか、というとそうでもないらしく、「買ってあげようか」と言っても、たいていは知らんぷりをしています。そもそも、甘いものが好きではないのです。チョコも、クッキーも、飴も、アイスも食べません。

そんなちびくまが、おやつを買うかしら?と思いましたが、お店でお菓子売り場をじっくり見て、障担に「買いたい物をかごに入れてね」と言われたら、仮面ライダーのついたキャンディと、ハム太郎のチョコを選んだのだそうです。
そして、教室まで大事に持って帰り、教室でもしばらくためつすがめつ、眺めていたそう。

「仮面ライダーとか、ハム太郎が、好きなんですね」と障担に言われて、びっくりしました。
だって、ハム太郎は、この間チャンネルをいじっていて、偶然5分ほど見ただけ。仮面ライダーにいたっては、一度も見たことないのです。キャンディも、チョコも、実物を差し出しても、見向きもしない。口に入れてやろうとすると、逃げる。
いったいどういう選択なんだろう。不思議。


5/31

障級で毎朝ある、「朝の会」。日にち、曜日、天気を確かめ、挨拶をし、歌を歌い、きのうの出来事を発表し、今日のスケジュールを確認し、絵本を読んでもらい、ゲームをする。
ちびくまが楽しみにしている時間です。

この朝の会の司会は、以前は先生が一人でやっていましたが、最近、大人が手助けしながら、日番の子どもがやるようになっています。
今日の日番はちびくま。

以前から、家で「朝の会ごっこ」を繰り返していたくらい、やりたくてしかたがなかったようです。
「完璧に司会役をこなしていました。」とは障担の弁。
内気でおとなしい子だとばかり思っていたけれど、実は結構目立ちたがりや、仕切りたがりやだったんですね(笑)。

明日はいよいよ遠足。
いつもは、親に質問や要求をすることはあっても、親の質問には答えないちびくまが、
「明日は何をするんだっけ?」の質問に、「でんしゃのるの。」
「それで、どこに行くの?」「ファミリーランド!」
すっかり楽しみにしているようです。幸い、明日の天気予報は、晴れ。
楽しい1日になりますように。




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