ちびくまスケッチ(2002年1月)


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新しい年。日本に帰ってから2回目のお正月ですが、去年は義父の喪中でお正月らしいことがなんにもなかったので、年賀状をいただくのもなんだか新鮮です。

そとはどんより曇って今にも泣き出しそうな生憎の天気だけれど、市内の天神様まで初詣に行ってみようか、ということになりました。
実は、ちびくま、初詣は生まれて初めて。

車で10分ほどの大型スーパーの駐車場に車を停めてから、神社まで徒歩で5分ほど。ちびくまは、去年春の遠足で来ているので、
「てんじんこうえんにいきます」と言いながら、ご機嫌で歩きます。
途中、何度も車道の方に乗り出して車を見ていると思ったら、
介助の先生や障級のお友達が車で通りかかっていたことを後で知らされました。
「ちびくまくんだけは、気がついてくれたんだけど」と。
走ってる車でも、ナンバーと車種でわかるんですもんね、彼は。(笑)

自分たちが今までその存在に気がついていなかったので、さびれた神社なのかと勝手に思い込んでいたら、どっこい、参拝客が長蛇の列になっていました。

ちびくまは、それでも5分くらいは一緒に並んでいたけれど、参拝の意味もよくわかっていない状態では引き止めるのは難しくて、私が1人で並んで、ちびくまは父と隣の公園で遊びはじめました。

やっとのことで参拝の順番が回ってきても、ちびくまが戻ってこないので、仕方なく1人で拝もうとしていると、突然、前に誰かが割り込む気配。
「ちょっと!」と思って目を開けると、それは他ならぬちびくまでした。
「ちびくまくん、これ持って、ベルをカランカランって鳴らして。
お手々をぱちぱち。神様に、今年も頑張ります、って」

どうにか、ちゃんと参拝ができたのでした。
よろしく、天神様。


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ちびくまに、誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントもお年玉もやっていないので、何か買ってやろうということになりました。

お気に入りのパソコンソフト、サン○オタイニーパークのvol.1だけ持っていないので、それが有力候補に。
「ちびくまくん、お正月おめでとうのプレゼントに、タイニーパーク買ってあげようか」と言うと、
「サン○オタイニーパーク、ボリュームワン!」と即答。
どうやら当たりだったようです。

「じゃ、これから、おとうさんとおかあさんとちびくまくんと、じどうしゃのって、○○○いって、サン○オタイニーパーク、ボリュームワンをかおう!」と
すっかりその気のちびくま。

早速、行ってみたのですが、あいにくの品切れ。
別の支店の方まで行ってみると、幸い、そこにはお目当ての品がありました。
よかったー。これでなければ、市外まで行くはめになりましたから。
帰宅したちびくまは、さっそくこれにどっぷりはまって遊んでいました。


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ちびくまがまだ1歳のころ、N○K教育TVで「ムス○ィ」というアニメをやっていました。ちびくまの大のお気に入りだったのです。

古本屋のビデオコーナーに、その新古品を980円で発見。
「これは買いでしょう」とちびくまに買ってやりました。
案の定ちびくまは大喜び。

夜には、画用紙とクレヨンを出してきて、「ムス○ィのかお」を描きました。
彼が特定の人物(?)の顔を描いたのはこれが初めて。
よほど嬉しかったんでしょうか。また一段ステップを上がった息子を見て、親のほうも嬉しかったんですが。


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待ちに待った3学期。
「久しぶりの学校が嬉しくて、バスを降りるなり大ニコニコでご機嫌でした」(連絡帳より)

障級の教室では
「みんなそろっておおきなこえで、ナショ○ル・パナ○ニック、いうの!」と
皆に自分の好きな言葉を言わせる始末です。
用事をしていた障担が言わないと、そばまで行って
「Mせんせい、いうの」と命令していたそうです。

「冬休みの間に、おしゃべりのエネルギーを存分に充電していた、という感じです。」(連絡帳より)


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朝の会では日番。
みんなの前に出る前に「いくでござる」と言って先生方の笑いを誘います。

体育の時間は交流級の子に混じって、手つなぎ鬼ごっこ。
手をつないでほしくて、自分から手を出してしまいます。

交流級の学級会にも参加。自分で立候補して、今学期は「図書係」になりました。


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ちびくまは、親の希望もあって、国語と算数は、通常の教科書の内容にほぼ沿った形で、100%取り出しの個別指導をしてもらっています。
でも、今日は、交流級で、国語の本読みを順番にするので、ちびくまくんも良かったらどうぞ(ちびくまは本読みが得意)、と担任から声をかけてもらって、介助の先生と出かけて行きました。

漢字をまだ習っていないちびくまのために、障担が読み仮名をふってくれました。
子どもたちが順番にあてられて、教科書を読みます。
ちびくまの番になったとき、ちびくまは介助の先生に
「ぼくがよむの?」と訊いたそうですが、
「そう、ちびくまくんの番だよ」と言われると、
「初見とは思えないくらい、交流級の子より上手にすらすらと(介助の先生談)」読み上げたそうです。

これには、交流級担任も、まわりの子どもたちも、びっくりしたようで、ワ−ッと声があがり、ちびくまは得意満面。
たまには、かっこいいところも見せておかないとね(笑)。


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ちびくまのいる障級は、教室の後ろ半分が畳敷き。そしてそこには、座卓のほか、先生たちが作ったダンボール製の電車やバスやドアなどのおもちゃがあります。

これは障級の子どもたちだけでなく、休み時間に遊びにくる普通学級の子どもたちも上に乗ったり中に入ったりして遊ぶので、すぐにどこかが壊れ、その度にテープや紙を貼って先生方が修理してくれます。

それを毎日のように見ているうちに、ちびくまも見よう見まねで「しゅうり」をするようになってきました。
でも、まだまだ、不器用な彼。自分の手にあまるなあ、と思うと、
工作の面では一番頼りにしている介助のI先生をこう言って呼び寄せます。
「こうないほうそう、こうないほうそう、Iせんせい、ちぎってポンをしますので、はってください」

先生を呼び寄せるにはどうしたらいいか、学習した結果ですね。


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夜、N○Kで「おいしいシチューの作り方」をやっていました。

ちびくまはその画面をみて、にっこり笑いながら指差して、
「10がつ18にち」。

過去の連絡帳を調べたら、確かに10月18日はちびくまのリクエストでシチューを作った、と書いてありました。うーん。


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1学期はひらがな、2学期はカタカナの書き方を習ったちびくま。
3学期は、漢字の学習に入っています。障担は「1年生の漢字が読める」ことを当面の目標にしていたらしいのですが、書く方も興味を示しだしたので書字の練習も始め、漢数字が書けるようになりました。

今日、日番だったちびくま、子どもの数を黒板に書くのに、わざわざ習いたての「四」を書いて、得意になっていました。
「新しいことができるようになった」喜びと誇りが、彼をどんどん育てていきます。


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給食にみかんが出ました。
ちびくまは、1歳代ではみかんを食べていたのですが、その後まったく食べなくなっていました。給食に出るみかんも、今まではすぐ袋にしまって、そのまま持って帰ってきていました。

ところが、今日はみかんを残して先に給食を食べて、ナフキンを片付け、みかんを「カブカブ」と食べる真似。
それから、それを障担に突き出して、「むくの」。
障担が皮をむき、白い筋を取ってくれると、一房手にとって、そーっと口に運んでいます。
また一房、また一房、と口に運んで、とうとうみかん1個を食べきりました。

最近、私がみかんを食べているのを、じーっと見ていることがあったのですが、差し出したみかんに手を出すことはありませんでした。
彼なりになにか思いがあって、信頼できる障担と1対1の時間に、思い切って挑戦してみたのでしょう。

彼が親以外に、自分の成長を助けてくれる人とのしっかりとした関係を作れていることを、私もとても嬉しく思います。


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離れたところに立っていた介助の先生を自分の席に呼ぶのに、
「ちょっと、ちょっと」と声をかけたというちびくま。

「言葉で人を動かせる、ということに気がついて、それがおもしろくてしかたないようです」(連絡帳より)


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ちびくまは、週1回、放課後、感覚統合訓練に通っています。
昨年の6月から訓練を始めたので、そろそろ一度評価のしなおしをしましょう、と、訓練の時間中に、発達検査を少しずつやっていくことになりました。

今日は描画系。ちびくまが苦手とする分野です。
「ちびくまくん、ここに顔と体を描いてね」と言われて、ちびくまは
「かおとからだ」と書いたそうです。
ありがち・・・(笑)。


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ちびくまは「取引のできる子」だと、障担が言います。
何かをやりたい、というときに、
「じゃあ、これをやってからにしようね」
「今はできないけど、○時○分になったらしようね」
そういう聞き分けができる、ということです。
もちろん、そういう約束を、障担は必ず守ってくれます。

今日、リビングのテレビで、ちびくまがビデオを見ていました。
一度終わったのに、また巻戻して、もう一度見ようとしています。
「ちびくまくん、お母さん、N○Kのニュースが見たいんだけど」
ちょっと嫌な顔になったちびくま、少し考えて、にっこり。
「おかあさん、このビデオがおわってからにしようね」

そして、ビデオがおわったら、ちゃんとN○Kをつけてくれたんですが・・・
ニュースは終わってました。





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