| 12/1 県の心理リハビリテーション(動作法)学会がありました。 午前中が講演、午後が実習で、テーマが「発達障碍児への適用」。 初心者にもわかるような内容にする、とのことでしたし、ちびくまが自分の体との付き合い方を学ぶための援助、という点で動作法に興味を持っている私は、、「これは行くっきゃない」と、ちびくまを1日夫に見てもらい、でかけることにしました。 高速バスと電車を乗り継いで、片道1時間半ほどの距離。 途中、まだ独身の頃働いていた街や、ちびくまが生まれる前働いていたところなどを通るので、「ああ、ここも随分変わったなあ」なぞと、けっこう感慨に浸ってしまいました。 会場についてみると、月1回の訓練会で指導してくださっている先生、ちびくまの学校へ1学期に1度指導しにきてくださっている先生、毎週、別の療法でのちびくまの指導をしてくださっている先生・・・とちびくまが見たら狂喜乱舞しそうな顔ぶれ。 親は少数派で、殆どが養護や障級の先生のようでした。ちびくまの担任もせっかくの日曜日をつぶして、来てくれていました。 でも、もう1人、どこかで顔を見たことのある人が・・・。 隣に座っている障担に、「先生、あの方、うちの市の先生じゃないですか?」と訊くと、 「あ、**先生ね、今、●●小学校にいらっしゃいますよ。以前はうちの***学級の仲間だったんです」 「あの先生、ちびくまの就学相談でお目にかかったような気がするんですけど・・・」 「あ、そうですね。(その年は、障担も就学指導委員だった)」 やっぱり。 就学相談の席で、アメリカの療育システムについての質問をしてきて、「自分たちの現状が恥ずかしい」「ちびくまくんにとって、もっとも良くないのは、これだけ落ち着いてるんだから、普通学級でずっと”みんなと一緒に”頑張らせれば、もっと“良くなる”と考えるような教師でしょうね」と言ってくれ、「この市での教育には期待していいのかもしれない」と思わせてくれた、その人。 休憩時間に、障担が、その先生を紹介してくれました。 「ああ、どこかでお会いしたな、と思ったら、やっぱりそうでしたか。覚えてますよ、アメリカから帰国していらした・・・。」 ちびくまを可愛がり、ちびくまの指導をしてくれている先生方がずらっと勢ぞろいしたその会場で、「ちびくまって、本当に恵まれてるんだわ〜」とほっこりしてしまった私なのでした。 この日の講師はもと国立特殊教育総合研究所にいらして、今は大学の先生をされている方で、発達障碍児の特性にも詳しく、とくに自閉症児の体への向き合い方、という点では、ちびくまを理解するヒントを沢山いただきました。若い男性の先生とペアを組んで、訓練の実習をしたのも学生に戻ったようで、楽しくて、その場その場の付け焼刃ではなくて、発達障碍児の教育を、きちんと体系的に勉強してみたいなあ、という気持ちを新たにした1日でした。 帰りは障担とおしゃべりしながら一緒に帰ったので、1時間半の道のりが あっという間。家に戻ると、ちびくまが、「あ、おかーさんだ。おかーさん、かえってきたよ。よかったねー」と言って飛びついてきました。 |
| 12/3 今日は、ちびくまの学校のマラソン大会。 学校から10分ほど歩いた川の河川敷を学年ごとに出発時刻をずらして走ります。 私が学校に着くと、ちょうどちびくまが介助の先生と、他の2年生たちが教室から出てくるのを待っているところでした。2年生たちと一緒に整列して、スタート地点まで歩きます。 スタートラインに並んで、前に走った学年が引き上げるのを待っていると 校長先生がちびくまの所に来て、 「ちびくまくん、先生、ちゃんと見てるからな。頑張ってや」と声をかけてくれました。校長先生が大好きなちびくまは満面の笑みで「はい!」。 さて、いよいよスタート。 2年生と言っても、トップ集団は最初からかなり飛ばしていきます。 ちびくまは、介助の先生に伴走してもらって、真中から少し後くらいを、ニコニコしながら、マイペースで走っています。 去年は、どうして走らないといけないのかがわからず、歩いてばかりでしたので、これも成長と呼んでいいようです。 待っていると、折り返し点で折り返して、帰って来ました。 ペースは遅く、学年最後尾になっていますが、でも、一応走ってはいます。 幸いにして、今日は検診車が来ていなかったので、そこから一歩も進めない、ということこそないんですが、でも、だいぶ注意力は逸れてきているらしく、遊歩道沿いの花壇に立ててある小さな立て札が曲がっているのを見つける度にそこへ駆け寄って、まっすぐ直していました。それで、どんどん他の子たちから遅れていきます。 あと、100Mほど、というところにくると、とうとう、コースに残っているのは、少し喘息ぎみで呼吸が辛そうな子と、ちびくまの2人だけになりました。喘息ぎみの子には学年の先生が、そしてちびくまには、校長先生も伴走して、2人ともゴールイン。 ちびくま、最後尾の「98」の札をもらって、嬉しそう。まわりのみんなからも、「ちびくまくん、最後までよく頑張ったな」と沢山声をかけてもらっていました。 |
| 12/6 今日は、障級のクリスマス会。 去年は教室でやったのですが、今年は子どもだけで21人と人数が増えて、教室だと入りきらないので、地域の福祉センターの大広間を借り切りです。 まず、サンタが助手のお姉さんとトナカイを連れて登場。 子どもたちに1人1人、お菓子やおもちゃの入った長靴(子どもたちの手製)をくれます。そして、サンタと一緒に歌って、踊って、第1部の終了。 今年のサンタは、去年のサンタと違って細身なので、とちゅうで何度もズボンがずり落ちて、母たちにオオウケでした。 第2部は、3グループに分かれて、劇の発表。 大道具も小道具も衣装も先生たちの手作りです。歩けない子も多いし、台詞が言える子の数も限られているし、何より、舞台上で突然怒り出したり泣き出したり、出演を拒否したり、飛び入り出演したり、飛んだり跳ねたり走り回ったり、という子どもたちと一緒に劇をしようというのだから、相当の忍耐と体力とアドリブのセンスが要求されます。 でも、なかには「これを本職にしてもいいかも」と思えるほどの先生もいて、母たちは思いっきりお腹を抱えて笑わせていただきました。 いつもながら感心するのは、それぞれの子に、「芸をさせる」のではなく、 その子の持ち味やクセがそのまま「芸になる」ように構成されていること。 バギーや車椅子に乗った子は「輿に乗ったお姫様」や「王様」の役だったり、大声をあげる子は「おどかす役」、物を投げる子は「手裏剣をなげる忍者の役」だったりします。 台本を読むのとマイクで喋るのが大好きなちびくまは、自分のグループの開演挨拶と、最後のキャスト紹介のナレーションを任されて、大満足。その部分「だけ」はしっかり勤め上げたのでした。 |
| 12/10 今日は、個人懇談。 障級と交流級、両方の先生とお話をしに行きます。障級にいる子どもたちは、ひとりで留守番をさせるわけにはいかないので託児つきです。懇談の間、他の先生が別室で子どもを遊ばせてくれているのです。 障担と私とは日頃からしゃべりまくりなので、懇談に行く時もこれと言って話題を用意してあることはありませんが、交流級の先生と話せる機会はあまりないので、今回は自閉症協会東京支部作成の「アスペルガー症候群を知っていますか」を持参しました。 ちびくまは、5歳の時点での診断では「自閉症スペクトルであることには間違いないが、高機能自閉症の定義もアスペルガー症候群の定義も満たさない」と言われていますが、典型的自閉症について書かれたものよりも、アスペルガー症候群について書かれた特徴の説明のほうがしっくりくることがよくあるからです。 まず、障担のところにこれを持っていって読んでもらうと、 「うわー、これ読むと、ちびくまくんだけじゃなくて、あの子も、この子も、あ、あの子もそうだ、って次々に顔が浮かんじゃいますよ」と大感心。「これ、私もまとめて買って、まわりの先生にくばりますね」と言ってくれました。 障担と一緒に交流担のところに行きます。 「ちびくまくんの場合、できることが沢山あるので、まわりの子達から一目置かれている面も多々あるのですが、できることとできないことの差が大きいので、どこまで頑張ることを要求していいのか、まわりの子どもにどう理解させていくか、ということを常に模索している」という話がでてきました。軽度発達障碍のお子さんの援助でもよく問題になることですが、やはりこういう「見えない障碍」の子どもにどう配慮していくか、というのは、普通学級の先生にとっても難しい問題なんだろうな、と思いました。 障担はちびくまが交流級にくることをとても楽しみにしていること、交流担の対応の良いところを、「交流担の前で」「私に」説明し、交流担には「先生、お母さんからまた参考になる資料をいただいたのよ。私も一緒に勉強させてくださいね」と言ってくれました。 こういうところ、いつもながら「さすがだな〜」と思います。 |
| 12/11 ちびくまは現在、算数と生活、音楽、体育、図工の時間、介助つきで交流級で授業を受けています。 今日の5時間目の音楽。 内容はなんと「音楽を聴いて、その感想を紙に書く」でした。こういう抽象的な内容を、苦手とする自閉っ子は多いです。 ちびくま、紙を受け取り、神妙な顔で音楽を聴いていました。曲は「めんどりとおんどり」。 介助の先生が、どうするかな〜、と思いながら見ていると、ちびくま、さらさらさら、と書いて、「できました」と提出。 さて、その内容は・・・ 「1.たまごくらぶ 2.ひよこくらぶ 3.こっこくらぶ」 ちびくまくん、それは「感想」じゃなくて、「題名からの連想」じゃない?(^^ゞ 先生は、その場で笑いをこらえるのに、さぞ苦労されたことでしょう(笑)。 |
| 12/12 6日のクリスマス会でもらったプレゼントの中に、可愛い犬のぬいぐるみが入っていました。でも、それを私が袋からとりだすと怒るちびくま。 今日は「学校へ持っていく」と言って、自分で手提げに入れて出かけました。教室につくと、自分でそれを手提げから出して、4年生のお姉ちゃんに渡します。 「可愛いもの大好き」の彼女は、大喜びで、夢中になってそれで遊んでいます。その間、ちびくまは介助の先生を独り占めにして、好きな絵本を存分に読んでもらったのでした。 「これって、思いやりなのかしら。それとも作戦なのかしら?」と先生方は笑いながら頭をひねったそうです。 |
| 12/13 ちびくまは、制度上は「固定制障碍児(特殊)学級在籍」になってるのですが、毎日の学校生活では、交流級である2年1組の一員として、係の仕事や給食当番、掃除当番なども他の子どもたちと一緒にやっています。 今日は、ちびくま、日番の日でした。 日番は、朝の会の司会から、給食を食べる挨拶、終わりの会の司会まで、みんなの前で代表で話したり号令をかける機会がいっぱいです。目立つこと、人を動かすことの大好きなちびくまは、この日を楽しみにしていました。 前日から、朝の会の流れを何度も何度も復唱するほどの気合の入り方です。送迎バスが学校に着くと、まっすぐ2年1組の教室に入って、自分の出番がくるのを、今か今かと待っていました。 先生が来て、いよいよ朝の会の始まり。 「おはようございます!」「おはようございます!」の挨拶から始まって、見事に朝の会の司会ができました。 給食の時間は、挨拶の前に、みんながざわざわしているので、「静かにしてください!」と注意できるのが、もう、嬉しくて、嬉しくて。 終わりの会も、進行にしたがって、ばっちり。 最後に、交流担の先生から、「ちびくまくん、日番のしごと、ちゃんとできたね。えらかったです」とこっそり褒めてもらって、有頂天で帰ってきました。 「みんなと同じにできること」は、実はそれほど大事ではないけれど、障碍児学級に在籍していても、「自分はみんなの仲間である」「自分はみんなに認められている」という体験を、こうして毎日積んでいけること、それがこの学校の魅力だと思っています。 |
| 12/17 ちびくまの学校に、「絵本の読み聞かせボランティア」の方たちがやってきました。ちびくまの学年3クラスに1人ずつ来て、子どもたちに絵本を読んでくれます。 絵本に関しては、かなりうるさいちびくま。 最初はみんなと一緒に読んでもらうのを聴いていましたが、ついに、自分も読み聞かせをしたくてたまらなくなり、最後の1冊は、ちびくまが読ませてもらいました(汗)。 絵本はちびくまの大好きな「ぐりとぐらのおきゃくさま」。 もちろん、ちびくまは絵本を見ないで一字一句間違えずにすらすらと読みましたので、読み聞かせにきてくださったかたも、交流担もクラスのみんなもびっくり。 「ちびくまくん、すごーい」「読むのじょうず〜」と周りの子から褒めてもらって、大得意のちびくま。 ・・・母は「その場にいなくて良かった・・・」と思いましたが(^^ゞ。 さて、その夜のこと。TVドラマ「アルジャーノンに花束を」の最終回でした。知的障碍があって、でもいつもにこにこ、みんなに可愛がられているハルくんが、ちびくまに重なって、ついうるうるしていると・・・、寄ってきたちびくまが、「あ、おかあさん、こんなところになみだがついているよ!」と一言。 「あー、こっちにもついてる」「ここにもついてるよ。いっぱいなみだがついてるね」と指摘されつづけ、とうとうお笑いの世界に引き込まれてしまったのでした。 |
| 12/18 クリームシチューは、偏食大王のちびくまの、数少ない好物のひとつ。秋冬には、我が家の食卓に欠かせないメニューです。 さて、昨日もちびくまが「クリームシチュー食べたいなあ」と言い始めました。「じゃあ、明日の晩御飯はクリームシチューにしてあげるよ」と言うと、大喜び。 「おかあさん、クリームシチューにグリンピース、入ってる?」 「え?グリンピース、入れて欲しいの?」 「クリームシチューにグリンピース入ってる?」 「入れて欲しいんなら、入れてあげるよ」 「クリームシチューにグリンピース入ってるんだね」 「うん、じゃあ、入れてあげる」 ・・・で、今晩、クリームシチューを作りました。 リクエストにお答えして、グリンピースもたっぷり。ちびくまはわざわざ台所まで来て、私がグリンピースを鍋に入れるのを確認していました。 さて、できあがったシチューを器に入れて、テーブルに出すと、大喜びで食べ始める・・・はずのちびくま、シチュー皿をじっと見つめた後、「クリームシチューにグリンピース入ってる」とつぶやいて、皿を向こうに押しやると、席を立ってしまいました。 そこで初めて、母はとんでもない間違いをしでかしたことに気がついたのです。つまり、ちびくまが「グリンピース入ってる?」と繰り返したのは「グリンピースを入れてくれ」という意味ではなくて、「グリンピースが入っていたら嫌だなあ」という意味だったのです。 あわてて、ちびくまを台所に呼び、新しいお皿に、今度はグリンピースが一粒も入らないようにシチューを入れるのを確認させたうえでテーブルに出しなおすと、明るい声で「クリームシチューにグリンピース入ってないね!」と確認してにっこり。おかわりまで要求されました。 言葉がほとんど話せなくて、彼の顔色や行動だけで彼の意図を読み取ろうとしていたころなら、もっと早く気がついたかもしれないのに、なまじ言葉でのやりとりができるようになったばかりに、油断してしまいました。 自閉っ子の仲間たちって、こういう誤解をされて、困っていることも多いのでしょうね。 それにしても・・・「入れたら嫌なんなら、最初からグリンピースのことなんか言わなきゃいいのに・・・(-_-;)」とこっそり溜め息をついた母なのでした(笑)。 |
| 12/19 となりのクラスの障担のS先生のミニバンに憧れているちびくま。 「今度のせてやるわな」と以前から言われつつ、まだ一度も乗せてもらったことがありません。 「ちびくまと約束ばっかりして、全然乗せへんかったら、S先生うそつきや、と思われるわ」と、S先生と障担が、「放課後、S先生の車で温泉に行く」という企画を立ててくれました。 ちびくまと障担と、S先生とS先生のクラスの3年生の男の子と、4人で、車で10分ほどの温泉へ。天然温泉ではありますが、日帰り専用、スーパー銭湯のような場所です。 障担を1人ロビーに残して、S先生とお兄ちゃんと3人で男湯に入ったちびくま。ジャグジーに大喜び、露天風呂も満喫して、あまり長い間出てこなかったので障担が心配したほど、はじめての温泉を楽しんだそうです。 S先生の車で、マンションまで送ってもらったちびくまは、できたてのゆでたまごのように、つるつるほかほかで、これ以上はない、というほどの笑顔。「楽しかった!」という気持ちを、全身からオーラのように放っていました。 |
| 12/23 私は冷え性なので、冬になると手足が冷えて眠れません。子どもの頃から、湯たんぽやあんかが欠かせませんでした。最近は、電子レンジで2分半暖めるだけの、ジェル式のゆたんぽを愛用しています。 最近、寝る前に電子レンジをかけている私の様子を興味深そうに眺めていたちびくまですが、今日は、「おかあさん、もうねんねしよか」と声をかけにきたかと思うと、自分でさっさと湯たんぽをレンジにかけています。 あっ、と思って見に行くと、いつも私がしているとおり、カバーをとって、2分半かけてありました。そして、温まった湯たんぽをかかえて、私の布団に入れてくれます。 「ちびくまくん、ありがとう」と言って、私が布団に入ると、「おかあさん、ちょっと、タッチこうたいしよか」そして、私の寝ていたところに入って、湯たんぽに足を載せ、「わあ、あしがあついね〜」とニコニコ。 「気持ちいいでしょ。それ、あったかい、って言うのよ」と教えると「あったかうま」とニコニコ。すっかり気に入った様子で、そのまま眠ってしまいました。 それから、毎夜、ちびくまは寝る前に電子レンジをチンしています。 湯たんぽ、もうひとつ買おうかなあ。 |
| 12/24 「クリスマスのプレゼントは何がいい?」と訊くと、「わーーーっ」と叫んで、質問を遮るちびくま。 ひとつだけのプレゼントをもらうより、好きなときにおもちゃ屋へ連れて行ってもらって、ずらりと並んだおもちゃを好きなだけ眺める方が良さそうです。 ケーキも今まで嫌いだったので、我が家ではクリスマスは今までなしでした。でも、今年、誕生日に障担がケーキを買ってくれたら、それは大喜びで食べたし、20日も、「2学期のうちあげ」と称してケーキを出されたら、これも食べた、というので、ダメ元でショートケーキを買ってみました。 終業式から帰ってきたちびくまとお昼ご飯を食べた後、「ちびくまくん、今日は、クリスマスイブだからクリスマスのケーキを買ってきたのよ」と出してみると、じっと眺めて、「おかあさん、ケーキ、サンタさんついてるね」 「うん。クリスマスおめでとうのケーキだからね」と言うと、納得したのか、上に乗っているいちごをパク。 それから、クリーム、スポンジ、クリーム、スポンジ、と一段一段上からはがすようにして、「おかあさん、いちごのケーキ、おいしいねえ」 最後まできれいに食べてくれたのでした。 親子2人でケーキを食べたのはこれが初めて。 診断を受けたばかりで、涙にむせびながら迎えた4年前のあの日、たった4年あとのクリスマスに、こんな会話をしながら、こんな風にケーキを食べる日がくるなんて、想像もつかなかった。それを思うと、やはり、誰にともなく「ありがとう!」と言いたくなります。 ちびくまは、いつでも私にとってのプレゼント。 ・・・それにしても、安上がりな親子だわ。 |
| 12/25 冬休み第1日目。 でも、障担が「私は出勤しますので、よかったら学校へ連れていらっしゃいませんか」と誘ってくれました。もちろん、ちびくまは大喜び。 学校でやるために宿題のプリントを抱えて、大張り切りでお出かけです。 でも、教室に着いて、大好きな障担と介助の先生たちと絵本とおもちゃを見ると、もう遊びたくて遊びたくて。まあ、なんだかんだ言いながら、算数のプリントを一枚だけ仕上げました。 実は、このあとが本当のお楽しみ。 障担が、3年生のお兄ちゃんとちびくまと、介助の先生2人におうどんやさんでご馳走してくれる、という約束になっていました。しかも、その行き帰りは、以前からずっと憧れていた、介助のK先生のお家の、ドイツ車に乗せてもらえるのです。 終業式の時に、それをK先生から聞かされて、「ちびくまくんは、わくわくしています!」と最高の笑顔で答えたというちびくま。 件の車に乗ると、もう私の方は振り向きもせず、行ってしまいました。 帰りは、マンションまでその車で送ってもらって、もうご機嫌。帰宅したあとも、ミニカーで何度もその場面を再現して、浸っていたちびくまなのでした。 |
| 12/28 ちびくまは、私が掃除や片付けをするのが嫌いです。掃除や片付けには、ちびくまの大嫌いな 「ものを置いている場所が変わる」 「ものの数や形や色が変わる」 「掃除機が出てくる可能性がある」 「お母さんが日頃見慣れない動き方をする」 といった要素がふんだんに含まれるから。 アメリカにいた頃は、大掃除はしませんでした。 日本に帰ってきてからは、換気扇の分解掃除や窓拭きや照明器具のランプ交換などは、ちびくまが学校に行っているうちにすませてしまって、年末年始は、ひたすら遊んだり食べたりしていました。 でも、今年は段取りのどこをどう間違ったのか、ちびくまが冬休みに入ったのに、まだ窓が拭けていません。そこで、ちびくまに相談してみました。 「ねえ、ちびくまくん、おかあさん、お掃除したいんだけど」 (さっと顔色を変えて)「おそうじしません。おそうじしません。」 「あそこのね、窓を拭きたいんです。汚れてるでしょ」 「まど、よごれてます。おそうじします」 「お掃除していいですか?」 「ちびくまくんもおそうじします。2ねん1くみ」 「そうね、ちびくまくんも、2年1組のお掃除したのね」 「ぞうきんください。ちびくまくんもおそうじします」 「え?おかあさんと一緒に、お掃除してくれるの?」 「おかあさんといっしょに、おそうじします」 ちびくまに1枚雑巾を手渡して、ガラスク*ーをガラスに吹き付けてひと拭き。その下で、ちびくまがガラスをほんのちょっとだけこすっては、 「わあ、きれいになった。おかあさん、ぴかぴかだよ」 「じゃあ、次は、こっちのガラスにしましょう」 「わあ、きれいになった。ぴかぴかです」 リビングのガラスを4枚拭いたところで 「おかあさん、もうきれいになったから、これでおしまいだね」 と宣言されてしまいました。 そうね、あんまり欲張るとバチがあたるかもしれませんね。 まだ汚れたままの窓ガラスは、暖かくなってから、ゆっくりきれいにすることにしましょう。 でも、ちびくまが磨いてくれたのは、私の気持ちのほうだったような気がします。 |
| 12/31 穏やかな年の瀬です。 大掃除は放棄したし、おせちも、伝統的なものはちびくまが食べないので、ほんの一口ずつを近くのスーパーで買ってくるだけ。帰省もしなければ、来客もなし。 ちびくまは、朝からいつものように、テレビを見たり、パソコンをしたり、絵本を「読んで」と持ってきたり。 私が少しばたばた動いていると、「おかあさん、だっこして〜」「おかあさん、ちゅーして」と甘えに来たり、少し別室に行っていると探しに来て、「なんだ、こんなところにいたんだ!」と叫んで一瞬抱きついていったり。 今年は、ちびくまが生まれてから今までで、一番穏やかに、何事もなく過ぎたような気がしています。 あの頃、「もう、2度とこの子のことで笑うことなんかない」と思ったことが、嘘のように・・・。 この子のために泣いたことも、もちろん沢山あったし、嫌な思いも沢山したけれど、この子のおかげで知った幸せや、喜びのほうがはるかに大きかった。 今年も、私とともに、この子を愛し、この子を可愛がり、この子を育て、この子を見守ってくださった全ての人たちに感謝したいと思います。 来年もちびくまと、皆様にとって、良い年でありますように。 |