ちびくまスケッチ(2004年5月)



5/2

大阪のエキスポランドでサンリオのキャラクターショーをやっているというので、ちびくまを連れて行ってみることにしました。
エキスポランドまでは複数の電車とモノレールを乗り継がないといけないのですが、これまでの「おでかけ」でかなり長時間の外出に耐えられるようになっているので、少し冒険してみようと思ったのです。

でも、さすがゴールデンウイーク。電車も遊園地もすごい人です。
入場券を買うだけで30分以上並ぶ羽目になりました。ちびくまはいっしょに並ぶことはできませんでしたが、待っている間、父とモノレールを見て大喜び。

ところが、肝心のサンリオの展示は、ほとんど素通り。サンリオのキャラクターをTVやパソコンで見るのは好きでも、絵が飾ってあるとか、人形とかにはまるで興味がなかったようです。

ちょっと拍子抜けした親をよそに、外に出るなりちびくまが「ちびくまくんはあれに乗りたい!」と指差したのは、ジェットコースター。ひえー。
とりあえずお弁当を食べてからね、と言い含めて園内マップを調べると、ちびくまでも乗れそうなミニコースターがあります。

でもこれもすごい行列です。ちびくまに再度確かめると「ならぶ。じゅんばんまって、ジェットコースターにのる」と言います。それならば、ということで炎天下に行列に並ぶ事にしました。結局、途中何度も泣いたりくじけそうになったりしながらも、約40分の待ち時間を頑張りぬいてコースターに乗る事ができました。

コースターに乗ったちびくまは、さっきまで泣きが入っていたのが嘘のように、「きゃはははは〜」と珍しいほど大声で笑い、とっても嬉しそう。こういうの、好きだったのね(^_^;)。 降りたあとも、「おかあさんと、ジェットコースターのったね。おもしろかったね。またのろうね」と言いつづけていました。

その後はあまり並ばなくても乗れる自動車や汽車の乗り物を自分で選んで乗り、最後に生まれて初めてのソフトクリームを食べて、おしまい。
帰りのモノレールの中では、ガラス張りの運転席の真後ろに張り付いて、最高にご機嫌なちびくまでした。


5/6

ちびくまは、通常学校から送迎バスに乗ってマンションのエントランスまで帰ってきます。
ところが今日は、予定の時間を過ぎてもなかなかバスが現れません。「おかしいなあ」と思っていると、障担から携帯に電話。
「発車する時にちょっとトラブルがあって、やっと今出ました。あと20分ほどで着くと思いますから」

やっと帰って来たバスは、運転手さんも添乗員さんもいつもの人とは違っていました。「おかあさん、遅れてすみません。ちびくまくんも、長いこと待たせてしまってごめんね」と添乗員さんが声をかけてくれても、ちびくまは滅多に見ないような固い表情です。いかん、シャットアウトモードだ。かなり負荷がかかっているようです。

案の定、バスを降りると、ちびくまはしくしく泣き始めました。暴れたり叫んだりするわけではないので、周りの人にはわかってもらいにくいけれど、ちびくまにしてはかなりのパニック状態。
「しんどかったねえ。おうちに帰って、ねんねしようか」と声をかけると、素直に歩き始めましたが、廊下を通って、玄関のドアの前まで来た途端、
「げえっ」と戻してしまいました。

これでますますパニックになったちびくま、泣きながら自分の手とハンカチで床を拭こうとします。
「おかあさんがお掃除するから、いいよ。ちびくまくんはおうちに入りなさい」と言って、箒とちりとりと新聞紙を運んで始末します。結局、そのあと濡れ雑巾で床を拭いてきれいにするまで、ちびくまは泣きながらその場に立ちすくみ、その後倒れるように眠ってしまいました。

後で事情を聞くと、たまたまその日に限って、運転手さんも添乗員さんも急遽ピンチヒッターということになってしまい、車(リフトバス)の勝手がわからず子ども達を乗せたまま15分近くもあーでもない、こーでもない、とやった挙句、運行ルートも怪しくて道を確認したりしていたそうです。

このルートに乗っている子どもはちびくまも含めて、激しく泣いたり騒いだりしない子なので、乗務員の人たちはそれがどれだけ子どもに負担をかける出来事だったかわからないのでしょう。ちびくまは特に、ぎりぎりまで我慢した挙句、体に反応が出るタイプなので気をつけて欲しい、とこれまでも再三運行会社(民間に委託している)に申し入れをしているのですが、まったく暖簾に腕押し状態(ーー;)。

「いっそ大泣きして暴れて噛み付いてやれ〜」と危険な思いを抱く母なのでした。


5/7

整形外科の手術のため入院していた障級のクラスメートが無事退院し、今日から登校してきました。
そのSくんのために障担が企画したのは「たこやきパーティ」。材料の買い物や調理も手順表を作ってちびくまたちにやらせてくれました。
もちろん、ちびくまは大張り切り。たこ以外にもウインナーやチーズを入れることを障担に提案し、できあがったたこやきは3種類ともぱくぱく食べたそうです。

・・・家では絶対にたこやきは食べないのに(笑)


5/10

ちびくまはいつも、リビングの隣の和室で遊んでいます。部屋の隅に置いたパソコンデスクの前が彼の定位置。
しかもいつも決まったルートで動くので、畳がそこだけ擦り切れてしまいます。さすがにそれだけで全部の畳を替えるのはもったいないので、上敷きを買ってきて敷いてあったのですが、わずか1年でまた同じ場所に穴が空いてしまいました。

さすがに気になっていたので、今日ちびくまが出かけた後、ホームセンターに行って新しい上敷きを買い、敷きなおしてみました。ああ、さっぱり。

でも、そこに散らばっていたおもちゃも全部片付けたわけですし、そもそも上敷きを替えるということを予告しておかなかったので、帰ってきたら泣かれるだろうな〜、と覚悟はしていました。

案の定、学校から帰ったちびくまは和室に入ろうとして、フリーズ。
「ごめんね。畳に穴が空いてたから、きれいな畳に替えたんだよ」
と説明すると、しばらく考えてから
「おかあさん、わしつをリフォームしたの?きれいになったね」
おおおおーーーっ、なんて柔軟なの?)^o^(喜ぶ母に、ちびくまが一言。
「ビフォーアフターみたいだね」

はははっ。元ネタはそれでしたか。でもいいや、それですっきり受け入れてもらえるんなら。


5/11

アメリカにいた頃、ちびくまの必需品、プラスチック製の文字や数字をしまっておくために、プラスチック製のコンテナをアメリカで買いました。もともとは靴ケース。

今もそのコンテナは中身を和室にぶちまけたあと、畳の上に伏せておくのがちびくまの決まりだったのですが、今日、遊んでいるうちに、ちびくまがそれを踏んづけて、「メキメキメキッ」見事に底が抜けてしまいました。
「あー、こわれちゃった」と半泣きになるちびくまに、「もう古かったからね。これはこわれちゃったから捨てて、また新しいのを買おう」と言うのですが、ちびくまは「すてません。しゅうりします」

そして自分でメンディングテープを出してきて、一生懸命元に戻し始めました。30分近く奮闘して出来上がったのは、まるでコンテナのミイラ。しかもガタガタ。ちょっとさわったら穴が空きそうです。でも、ちびくまの思いを思うと、あまり簡単に捨てるのもなあ、という気もします。

(後日談)ちびくまの気がそろそろ済んだかな、という頃に、こっそり100均で買ったケースにすりかえておきました。すると「前のはこはこわれちゃったからさいしゅうかい。あたらしいかごは『新』って書いてあるね」(物事が入れ替わることをテレビ番組の最終回、新放送になぞらえて理解している)と納得していました。


5/13

今日は障級の春の遠足。今回の行き先は隣の市にある動物園です。
去年の春も同じところへ行ったのですが、去年は動物を見ないでひたすら付属遊園地の方で過ごしてしまいました。
今回は障担が「午前中は動物を見て、お弁当を食べた後に遊園地で遊ぼうね」と話しておくと納得して、午前中はちゃんと動物を見たそうです。

でも、やっぱりメインは遊園地。お弁当もそこそこに、介助の先生にお願いして、ここでもジェットコースターに一緒に乗ってもらったそうです。すっかりジェットコースターにはまった模様。

帰ってきて私の顔を見るなり「ちびくまくん、ジェットコースターにのったの。びゅーんってぼうしがとばされて、おじさんがどうぞ、ってひろってくれたの」とご報告。今回も楽しい遠足だったようです。


5/17

今日は社会見学で、交流級の友達に混じって、市のクリーンセンターに見学に行きました。
ゴミを運ぶ大きなクレーンを見て、「ゲームセンターみたいだね」と一言。

・・・UFOキャッチャーじゃないって。


5/18

今年度から始まった、週1回、障級合同の調理実習。これがすっかり気に入ったちびくまは、この時間を「M田クッキングスクール」と呼んで指導してくれるM田先生を喜ばせています。
おもしろいのは、これまでまったく口にしなかったようなものや、家では絶対に食べないようなものでも、この時間に作った時はちゃんと食べているようなのです。自分で作ったもの、という達成感が大きいのかもしれません。

さて、今日もお団子を沢山食べたちびくま、給食が終わった頃から、口の中を盛んに気にし始めました。気付いた介助の先生が「ちびくまくん、歯が痛いの?」と尋ねると、「はがいたいです」「じゃあ、保健室に行って見てもらおうか」というと素直について行ったそうです。

でも、治療済みの虫歯があるほかは、痛みそうな歯も見当たらない、ということで「はえかけの永久歯がちょっと気持ち悪いのかもしれません」と母に連絡が入りました。

帰って来たちびくまに「歯が痛いの?」と訊くと「わーーーーーっ」と大声を出して遮って、どうもその話題には触れられたくない様子。観察していてもそれ以上歯を気にしている様子がないので、そのままにしておきました。

夜になって、にこっと笑ったちびくまの顔を見て、はっとしました。下の歯が1本減ってる!ちびくま、どうも歯が抜けたのを「失敗してケガをした」と捉えているふしがあり、なぜか私には隠そうとするのですが、それなら納得。熱が出ても行こうとしない保健室に行ったのは、「ケガをしたときには保健室で見てもらう」というルールがあるからなんですね。

何はともあれ、大したことでなくて良かったです。


5/21

ちびくまの障級では毎春、校区の農家へイチゴ狩りに行くのが恒例になっています。これは、そのお家の方が、ご好意でわざわざそのために毎年専用のイチゴ畑を作って招待してくださるのです。
雨でイチゴ狩りに行けなかったときは、摘みたてのイチゴと手作りのイチゴジャムが学校に届けられます。

ところが、丹精してくださったそのイチゴ畑が、今年はイノシシに荒らされてしまい、イチゴ狩りができなくなりました。でも、イチゴ狩り遠足を楽しみにしていた子ども達のために、急遽行き先変更。
市内の大きな自然公園へ行って1日遊ぶ事になりました。

ちびくまはオリエンテーリングよろしく、障担を引っ張って午前中だけで広い園内を2周させ、すっかり疲れさせてしまいましたが、本人はすごぶる元気。楽しく遊んできたようです。でも、あとでぽろっと「イチゴがり、いけなかったね。またいきたいなあ」やっぱり残念だったのでしょう。

来年はまたイチゴ狩りに行けるといいね。


5/26

今日は社会見学で、市の浄水場見学に行きました。
午後からは皆で川遊びをした後、川沿いに7キロの道を歩いて帰校。
最近、プールなどきちんと水泳用に用意されたところでないと入らないようになっているので、どうかなあ、と思っていましたが、先生も皆も川原に降りているのを見て、自分も同じようにして遊んだそうです。
帰りの道もへこたれずにみんなと歩調を合わせて歩こうと努力していたらしいです。

こうした校外活動にも危なげなく参加できるようになったあたり、随分成長したもんだなあと思います。


5/31

ちびくまは、いつもプラスチック製の文字と数字で遊んでいます。そして、彼が家に居る間は、いつも畳の上にこれらが散らばっています。片付けても片付けても、ちびくまが帰ってくると元に戻してしまうのです。いったいどの程度元に戻しているのか?と思い、一度写真にとって見ることにしました。


ただ散らかっているように見えます。


ここまでかたづけました。


ちびくまが帰宅して15分後。1番上の写真と比べてください。

もうここまできたら、自閉の芸術と呼ばせていただきましょう(笑)

ちびくまスケッチ目次へ戻るトップページへ