ちびくまスケッチ(2004年9月)


9/1

今日から2学期、また学校が始まります。 ちびくまは昨日から「あしたから学校だね。あしたは校長先生のお話をきくね」と楽しみにしている様子でした。

でも、学校に着いたちびくまは、いつもより固い表情で、口数も少なかったのだとか。ちょっと緊張していたのでしょうか。

家に帰ってきたちびくまは、特に疲れた様子もなく、いつもどおりでしたが。今学期は運動会や音楽会など行事の多い時期。無理せず楽しい学校生活を積み重ねてもらいたいなと思っています。


9/3

新学期が始まったばかりだというのに、もう運動会の練習が始まりました。本番は今月の18日。わずか2週間で仕上げなくてはならず、かなりハードな練習になりそうです。

今日は早速リレーのチーム分けがあり、ちびくまは第2走者に決まりました。ダンスは障担の感想として「ちびくまくんにはかなり難しそうな振り付け」なのだそうです。

連日の猛暑の中、どこまで頑張れるか、ちびくま。


9/4

今日はマンションの消防設備の点検の日です。共用部分の火災報知器などのほかに、各戸内の警報設備のテストもあります。

テストとはいえ、けたたましい警報音が鳴り響くため、聴覚過敏のあるちびくまには辛いだろうと、これまで当日にはいつも両親のどちらかがちびくまを外に連れ出し、その間に点検を済ませるようにしていました。

ところが、今年は、点検日のお知らせの紙を見るなり、ちびくまが自分から
「ちびくまくんは、しょうぼうせつびのてんけんがだいきらいなの。『かじです、かじです』っていうのがいやなの。4日はおかあさんとおでかけする」
と言い出しました。

もちろん、こちらはそのつもりだったので、彼の言葉どおりになったのですが、短い文字情報からそれが何を意味するかを読み取り、そのことに対する自分の感じ方をモニターして知っていて、他人にそれを伝えることができる、その3段階がここ1年の間にできるようになっていたんですね。ちょっとびっくり、かなり嬉しい成長ぶりです。


9/6

ちびくまの学校では、夏休み明けに「作品展」があります。夏休みの間に子供たちが作った自由課題の作品を展示して全校生や保護者に見てもらうのです。

私はそういうことに無頓着というかずぼらというか、誰かに見せるためにちびくまに作品を作らせるということにとりくめない性質なのですが、1学期末に「自立」の時間の課題として作った、少し大物(1200ピース)のビーズのれんを、障担がちびくまの作品として出品してくれました。

それを交流級の友だちが見ていて、「ちびくまくん、あんなの作ってすごいなあ」とわざわざ教室まできて誉めてくれたそうで、ちびくまはとても嬉しかったようです。

運動会の練習のほうは、しんどくなると(特に暑いのは苦手なので)「ちびくまくんはきゅうけい」と勝手に休憩を入れながら、みんなのするのを少し見ていてはまた参加し、というようなスタイルをとっているようです。これも去年は見られなかった様子。もちろん、そういうスタイルをとっていても「さぼっている」と叱られない環境あってのことですが、段々「しなければならないこと」と「自分のニーズ」のバランスの取り方がうまくなっているようです。


9/7

また台風が接近しています。でも、朝起きたら、青空が覗いていていい天気。これは学校はあるかな、と思ったのですが、念のために確認すると暴風警報が出ていて、学校は臨時休校です。

雨が降っている、とか強い風が吹いている、とかあれば、ちびくまにも視覚に訴えて「台風が来ているからね」と説明できるのですが、いつもと変わらない天気なのに、さて、納得してくれるでしょうか?

母が悩んでいるところへ起き出してきたちびくま。おそるおそる「ちびくまくん、今日は警報が出ているから、学校はお休みなんだって」と伝えると、「じゃあ、もういっぺんねんねしてもいい?それとも、テレビみてもいい?」とあっさり。

1学期の台風でしっかり免疫が出来ていたようです。最近、情報の取り込みが私の想像を越えて良くなっていて、拍子抜けすることが多いです。子どもは、親の知らないところで成長しているんですね。


9/10

連日、運動会の練習が続いています。厳しい暑さの中、1日2時間も3時間も練習があるのですが、ちびくま、一生懸命頑張っているようです。1年生の頃は、運動会の練習があるといかにも疲れた〜、という感じで帰ってきて、神経質にキーキー言ったり泣いたり、とストレスの存在がはっきりわかるような感じだったのですが、今年は家でもすっかり落ち着いていて余裕の表情です。過去3年間の積み重ねが、i意外にしっかりした見通しを耐久力をつけてくれていることがよくわかります。

リレーのほうは、ちびくまのカバーができるような足の速い子が同じチームにいる(チーム分け上の配慮)ので、いつもちびくまのチームがぶっちぎりの1位だそうです。本人も去年に比べると走るコースやスピードも安定してきたし、バトンパスもなんとかできるようになったので交流級の先生や子どもたちからも「ちびくまくん、みんなと同じ距離でええんとちゃうん?」(ちびくまは他の子の半分の距離を走り、後の半分は走りの得意な子が余分に走ってくれる)という声があがっているくらいだそう。

ダンスは、本人は頑張ってはいるのだけれど、やはりみんなの動きについていくのは難しいらしくて、「今年は少し介助が必要かもしれません」とのこと。でもあくまで大事なのは「うまくやらせる」ことではなく、「ちびくまが『自分は頑張った、よくできた』と感じる事ができること。そのコンセンサスが障担との間でとれているので、余分な心配をしなくてすむのは助かります。

本番まであと1週間ほど、ちびくま、どれだけ頑張れるでしょうか。私は私の持ち場で、ちびくまをしっかり支えることを心がけるとしましょう。


9/13

ちびくまのダンスの練習の様子を、障担がビデオ撮影して持ち帰らせてくれました。ちびくまのいるところで見ると嫌がるので、別の部屋でこっそり見てみます。校舎の2階の窓からとったらしくて、かなり遠いので見にくいのですが、ちびくまは他の子の動きを見て一拍遅れて動くので、どこにいるのかはすぐわかります。

うん、確かに動きはぎこちないですし、遅れてはいるのですが、周りの子の様子を一生懸命見ながら、きっとちびくまとしては精一杯の努力をしている、というのが見て取れて、じーんとしてしまいました。テープに添えられた障担のメモも「思ったよりうまく踊れています。この分なら介助は最小限にとどめて良いかなと思います」
そこへちびくまがやってきて
「あ、おかあさん、ちびくまくんのビデオみてるーーー」

「うん。ダンス頑張ってるね。上手に出来てるね」と誉めると、えへへというように笑顔を見せて
「ちびくまくんは、がんばってるんです〜」
きみが、そう思えるなら、もうそれでOKでしょう。


9/18

アメリカ出張に行っていた父が帰ってきました。お土産はスクールバスのミニカーが付録についた、英語の絵本。

それを渡されたちびくま、ニッコリ笑って
「わあい、えほんつきのミニカーをもらったよ!」

ちびくまの世界では、優先順位が違うのです(笑)


9/17

いよいよ、明日は運動会本番、少しお天気が心配です。昨年は途中からかなり強い雨が降り出して大変だったので、今年はなんとか降らずにもってくれるといいのですが・・・。

連絡帳には「ダンスの時は、介助の先生に近くにいて声かけしてもらうだけにすることにしました。よく頑張っています。お楽しみに!」と。
さてさて、ドキドキして眠れないのは、ちびくまか、それとも私か。


9/18

ついに運動会本番。お天気の方もまずまずです。
私もいつもより早起きして、ちびくまの好物ばかりでお弁当を作りました。

さて、注目のダンス。ちびくまはちょうど障碍児学級保護者席の真ん前で踊る事になっています。満面の笑顔で皆に混じって入場してきました。1番なかよしの介助の先生が1メートルほど離れたところにいてくれるので、スタンパイの間、しきりに得点板を指差して話し掛けています。どうも紅白各組の得点が気になっているようです。

さて、音楽が鳴り出すと、ちびくま、皆と一緒にさっと立ち上がって、動き出しました。ビデオでは一拍遅れていたのですが、今はちゃんと一緒に動けています。少し緊張しているようではあるけれど、ビデオカメラのファインダー越しに見えるちびくまはいい顔をしています。「やらされている」時の顔ではなく、「自分がやりたくてやっている」時の生き生きした目です。肩膝立ちのときは少ししゃがんで態勢を合わせ、片足ジャンプでのその場回転のときは4歩歩いてその場で回転し、と自分にできない動きは、自分にできる範囲でできるだけ同じように動いて、きちんとリズムを合わせているのもよくわかります。

前の女の子とペアで動くところも、隣の男の子が回す棒を飛び越えるのも無事にこなし、最後の「ヤーッ!」という掛け声とともに立ち上がるところまで、とうとう大きくはずれることなく、踊り通しました。
退場の時はもう満面の笑顔。自分でも納得のいく出来だったのでしょう。

その後のリレーもちゃんと走って、練習の時どおり、ちびくまのチームはダントツの1位。帽子とりも、全校競技の綱引きも、応援合戦にも、ずっとニコニコ笑顔で参加していました。
競技に出ない時は、交流級の子に混じって、観覧席で一緒に応援。1年生の時の運動会とはもちろんのこと、昨年の運動会と比べても格段に成長のあとが見られた運動会。ちびくまにとっても、私たち親にとっても素敵だと思える運動会になりました。

毎年のことですが、障碍児学級在籍の子どもの親がみな、我が子の成長に目を細められるこの学校の運動会は、他に誇って良いのではないかと思います。「どうやってうまくやらせるか」ではなく、障碍児学級にいる23人の子どもたちが「それぞれ」「どのように援助すれば」「その子らしく参加できるか」を考えてくれる学校だからこそ、それがかなうのですが。


9/22

運動会の代休を含めた連休明けの今日。運動会の予備日で給食がなく、本来なら弁当持参の日なのですが、ちびくまの障級では調理実習を兼ねてカレー作りをすることになっています。(母はとってもありがたいです)

今は「クッキング」がちょっとしたマイブームのちびくま、張り切ってあくとりやルーを割りいれる仕事も自ら買って出て、ついでにちゃっかり味見もして、しっかりおかわりしてお腹いっぱい食べて帰ってきました。


9/27

今日も運動会の予備日で給食がないのですが、今度は障級の子どもたちは学校近くのファミレスで「外食訓練」に出かけました。

ちびくまは「お子さまうどん」を注文して、しっかり楽しんだ模様です。

でもうどんなら大人1人前ぺろりと食べるちびくまには、お子さま用で量は足りなかったと見えて、家に帰ってきてからおやつを要求して1食分ほどしっかり食べたちびくまなのでした。


9/30

今年は関西にも本当に何度も台風がやってきます。
ちびくまの学校はまた警報が出て臨時休校でしたが、ちびくまももうすっかり慣れっこになって、まったく戸惑いを見せませんでした。ところが。

夕方から暴風雨になりそうだというので、夫が会社を早退していつもより早く6時ごろ帰ってきたとたんに、ちびくま久々の大パニック。

「どうしてお父さんが(こんな時間に)おうちにかえってくるの〜」
「どうして(平日なのに)3人でばんごはんをたべるの〜」
とわめきながら大泣き。

とうとう夫を見えない部屋に追い込み、ひとしきり泣いて、やっと落ち着いたのでした。夫は「そんなに俺が帰ってきたら嫌なんか」と憮然。

「お父さんが帰ってきたのが嫌」なのではなくて、「予告なく、(彼が)予想していなかったことが突然起きた」ために「混乱」しただけなんですけどね。
夫はまだまだ修行が足りません(笑)。今度いつもと違う時間帯に帰ってくる時はちゃんと携帯メールで帰宅時間を予告してから帰ってくるように教えておきました。



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