ちびくまスケッチ 8月


8/2
夕食後遊んでいる時に、何か得意そうにこっちへもってきたなあ、と思ったら、ひらがなを並べて「くはめ」と書いています。
「どーだ、すごいだろー」と言いたげなちびくまですが、私は「???」。
「これなーに?」と訊ねると「ぐはめ!」
なんだ、点々がないからあれだけど、ちゃんとわかって書いてるんだ。でもなんだろう?
「わーすごい、おりこうさんだね!」と言わない私に、だんだんちびくまが苛立ってくるのがわかります。
「う〜〜〜んゥvするとちびくま、お気に入りのビデオをかけはじめました。
「しめた!」これ幸いと逃げようとする母ですが、ちびくまに押しとどめられます。
「なんなの〜、もうっ!」
小犬と小猫がボール遊び、という場面になると、ちびくまが「これこれ」という風にブラウン管を叩いてみせます。
小猫の投げたボールが小犬の顔に当たり、「いった〜い!」「ごめんねー」
ちびくまも同時に叫びます。「ぐっはめー!」
な〜んだ、「ごめんね」だったのか。「ごめんねって書いたのね」
ちびくまは我が意を得た、という満足顔。「ぐはめ!」
「でもそれはね、『ぐはめ』じゃなくて、『ご・め・ん・ね』だよ」
ちびくま、強情に「ぐはめ!」やれやれゥ齠x間違ってインプットすると、訂正がきかない。出来の悪いコンピュータソフトみたい(^^;;;
その後もちびくまは私の膝に飛び乗って「いった〜い!」と言わせては、「ぐはめ〜」を連呼しております。

8/11
最近、寝室で寝るのを嫌がって、リビングのソファーで寝ています。
リビングで寝ちゃったのをそーっとベッドに移しても、むくっと起き上がって泣きながらリビングに行っちゃう。こうなったら、頑張ってもお互いストレスたまるだけなので、「リビングで寝たって死なない」を合い言葉に容認。甘やかしすぎかなあ。でもねえ、私たちには見えないものが見え、聞こえない音が聞こえているような子供を相手にしてると、「自分の基準に合わせちゃいけない。この子にはこの子なりの理由がある」って思っちゃうんですよねえ。
でも、ひとりでリビングに寝かせていると、「もし夜中に地震が来たら・・・」とか思って不安なので、親はリビングの床で寝てます。翌朝腰が痛いわ、肩凝ってバキバキになるわで、キャンプ用のエアマットレス買いました。
「お家でキャンプ」気分です。やれやれ(^^;;;

8/16
スピーチセラピーの帰り道、お天気が良いので公園へ寄り道。
ダウンタウンの真ん中にあるのに、池と広大な芝生のある、いかにも外国、という感じの公園です。
日本風の児童公園のコーナーもあるのだけれど、そこは素通りして、散歩道をひたすら歩く、歩く・・・。やっと1人で歩くようになった頃から、とにかくよく歩く子ではあったけど、それは今でも変わらず、1キロ2キロは息も乱さずたったか歩きます。
親の方がギブアップして、無理矢理車に載せてしまいました。
しばらく後部座席でギャーギャー怒ってましたが、信号待ちで止まったとたん、「B-L-O-C-K-B-U-S-T-E-R-V-I-D-E-O!」と叫ぶ声。
「へっ?」
あ、ありました。交差点の所にレンタルビデオの大手、ブロックバスタービデオの店が。
「そうだね〜、ブロックバスタービデオだね」もうこれでちびくまのご機嫌は完治。
「ブオックバーターヴィデオー」と叫びながら家まで到着。
でもやめてほしいのね。廊下で出会った人を指差して(自分が話しかける相手を指差す。「あんたに言ってるんだよ」という意味らしい)「ブオックバーターヴィデオー」と叫ぶのは。何なのかと思われるでしょ(^^;;;。
リビングの隅に飛んでいったから何をしているのか、と思ったら、やっぱり・・・プラスチックの文字で"BLOCKBUSTERVIDEO"と綴ってありました。
覚えるのね、一瞬で。母は慣れてはいるけど、やっぱりスゴイと思います。私にこの能力あったら、受験ももっと楽だったかもしれない、なんて。
ちなみに、夜になってパパが帰ってきてもやっぱり書いて見せてました、"BLOCKBUSTERVIDEO"って。

8/18
お友達のスウさんと昼食を食べに行きました。
スウさんは元々ダンナの会社の受付だった人。今は転職して別の会社の受付をしていますが、退職後も私とは仲良し。
ちびくまを連れてランチなんて落着かないよ〜と言うのに、「でも私ちびくまに会いたいもん」って、子連れOKのファミレスへ。ちびくまが脱走できないように、隅っこのボックス席を指定してくれるあたりは、さすがスウさん。
ちびくまは椅子の上に立ち上がったり、変な食べ方したり、自閉症児を身近に見ていない人にとっては、苛立つ存在だろうと思うのに、「おっもしろいわねえ。これだけ動いてくれると、お母さんは運動が足りていいじゃない」なんて悠然と笑ってたりします。
このレストラン、玩具の汽車が中を走ってるのですが、ちびくまはこれが大好き。スウさんに「トレイン」って指差して教えてるけど、 通じなかったので、「T-R-A-I-N」とスペルアウトして、スウさんをびっくりさせました。アメリカ人の子供って、日本の子より文字を覚えるのが遅いので、4才児が字を読んだり、スペルができたりするのって、本当にビックリするみたいですね。
せっかくだから、この間の"Blockbuster Video"も披露してあげました(笑)。
「障害児っていうより、天才じゃないのー?」うん、そうなのよ。ある意味では。でもねえ(笑)。
普通の子のお母さんや、障害に関わらない人とはどうしても疎遠になりがちになるけど、相手によっては、こうして子連れランチもできる。やっぱり、理解してくれる友達って、ホントにありがたいです。

8/21
夜、テレビを見ていたら、ちびくまがプラスチックの数字「0」を2つ並べて「せーの?(これなんだ?)」と言います。「え?ゼロゼロ?」ちびくまは「ちっがーう」の顔。「じゃね、ダブルオー」ちびくまはギャハハと笑って「ハンドレッド」と言うのです。
「なんで〜。100はワンハンドレッドだけど、00だけじゃハンドレッドじゃないよ」
するとちびくま、100と並べて「ワン・ハンドレッド」「うん、そうだよ」
次に700と並べて「セブン・ハンドレッド」「そう、オリコウだね」
1600と並べて「シックスティーン・ハンドレッド」(注:日本の学校英語ではこうは教えませんが、アメリカではこのように言うのが普通です)「そうだね」
最後に16を取って00だけにして「ハンドレッド」。
な〜る〜ほ〜ど〜。確かに00は「ハンドレッド」と読んでるわ〜。(親がそんなに感心してどうする(笑))
ちびくまの識字力にまた一本とられました。それにしても、これだけできるのに、オムツがまだ取れないのはどういう訳だ?って論点をすりかえるのは母の悪い癖?(笑)

8/24
いろいろあって、2年間通った日系プリスクールを辞めることにしました。
まわりで親以外の人間が日本語を話しているという環境はとても大事に思っていたので、随分迷いましたが、今の園の保育内容では、これ以上ちびくまを預けられないと判断しました。
以前は本当に暖かく、フレキシブルに対応してくれる園だったのですがゥB
最終的には厄介払いをされるようなやり方で辞めなければならなかったことが、とてもくやしいです。
ちびくまは最後までとうとう園の先生の名も子供の名も口にすることがありませんでした。自分をわかってもらえない、心から受け容れてもらえないことの、彼なりの抵抗だったのかもしれません。
ただ単に集団生活に入れればいいものではない、というのが良くわかりました。
こういう周囲の無理解に、これから何度も苦しみ、憤ることでしょう。親の私が強くなって、ちびくまを守ってやらなければ。

8/29
今のちびくまのマイブームは「絵本の音読」です。 以前からお気に入りのフレーズを拾い読みしているような気配はありましたが、最近はお気に入りの数ページにまで昇格しました。 絵本が手元にないときでもやっているので、殆ど暗記によるものであることは確かですが、時折、「と・い・い・ま・し・た・まる」のような読み方をしている所を見ると嘯熄Eっているようです。 面白いのは、日本語は聞いたとおりに書き、書いてあるとおりに読めばいいけれど、英語は綴りと実際の読み方は違っている、としっかりわかっていることです。TEACCHのテキストによれば、日本語を読む時と英語を読む時では、脳の機能する部分が違うそうです。一応どっちもきちんと働いている、ということかしら(笑)。


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