我が子の発達がおかしい、と思ったとき

我が子の発達が、他の子供に比べて思わしくない。これは母親にとっては大きな試練です。ましてそれに気づいたのが言葉も不自由で社会の仕組ももうひとつわかっていない外国での事となればなおさらです。日本なら保健所の検診もあってちょっとでもおかしいようならすぐ要観察になっちゃうし(これはこれで欠点もありますが)、自治体主催の発達相談もあるし、小児科医さんに相談もできます。でも、外国だと、おかしいと思ってもどこへ相談したらいいのかもわからないし、途方にくれてしまいますよね。

とりあえず、アメリカにお住まいの場合は、まず、かかりつけのドクターに相談しましょう。“I have some concern about his(her) development. (子供の発達の事で心配があります)"と言ってみるのです。信頼するに足るドクターなら、どこがどう心配なのか、きいてくれるでしょう。ドクターなりの意見をくれるかもしれませんし、必要と判断すれば、しかるべき専門家のところに紹介してくれるでしょう。

ドクターがあてにならない、またはドクターは心配ないと言ってくれたけど、やっぱりおかしいような気がする、というときはどうしたらいいでしょうか。実はちびくまがそうでした。2歳までかかっていた日本のお医者様も、2歳半の検診をしていただいたアメリカのお医者様の「特に異常はない」とのご意見でした。でも、毎日ちびくまと接してくださっている幼稚園の先生は「何かおかしい」と思っていらしたし、3歳すぎることからは私も同意せざるを得ないような状態でした。

もし、今、アメリカのどこかで、同じような悩みを抱えているお母さんがいたら、すぐ、お住まいの地域担当のschool districtに電話してください。電話番号は電話帳の公立学校のところにのっているはずです。自分で調べられなければ、身近なアメリカ人にヘルプを頼みましょう。電話をかけるのはspecial-educationの担当者のところです。わからなければ、適当な部署にかけて、「スペシャルエドの担当者と話がしたい」と言えば、繋いでくれるはずです。自分で電話がかけられなければ、誰か信頼のおける、英語のできるひとに頼みましょう。最初は簡単です。「子供の発達のことで心配があります。なにかしてもらえますか?」これだけが伝えられればいいのです。お母さんが英語ができないなら、その後は日本語の通訳を公費で手配してもらえるはずです。

なぜ、school districtに電話するのかというと、ここが日本でいう、障害児福祉の担当になるからなのです。お子さんが3歳以上であれば、無料で専門家による発達検査が受けられます。3歳未満の場合はEarly Interventionといって、これもSchool Districtがやっている場合と、これは別の機関に委託している場合があるようです。

日本ではよほどのことがない限り、発達のおくれについては3歳くらいまで様子を見る、というのが一般的なようですが、アメリカでは療育の開始は早ければ早いほどいい、という考え方なようです。アメリカではいわゆる「障害児のレッテル」はあまり気にする必要はありません。「障害」でなくとも、「ヘルプを要する程度の発達の遅れ」があれば、特殊教育サービスが無料で受けられますし、遅れが取り戻せればいつでも普通の子としての扱いに戻してもらえます。万が一障害がある場合でも、「できるだけ普通の子に近い状態」で教育を受ける権利は米国市民であるか否かに関わらず、21歳まで保証されています。「おかしい、おかしい」と悶々としながら、「様子を見る」だけより、弱いところは補強し、強いところはなお強く、というアプローチをしてくれるアメリカの障害児福祉はずっと前向きで親のためにも子供のためにも良いのではないかと、私は考えています。

ひとりで悩んでいないで、専門家に助けをもとめましょう。あなたのために。そして何よりも可能性を秘めた、あなたの大切な子供のために。

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