2話、五人の男達
「やほー。この瞬間を待ちどうしにしていた。」
リーダージョーが叫んだ。5人は、握った手を上に挙げともに抱き合い喜びをわかちあった。涙も流した。ここにたどりつつくまで7年間いろいろあった。今はただほかの人には伝えられえないぐらいのこの喜びを体で感じとるしかない。
「今のも(2025年の)テレビに映されているかな。」
ボビーが言った。
「世界中の人が見てるんだ。もっと男前な顔しておけばよかったな。」
ベッカムが言った。
「なにを言うんだベッカム。もともといい顔のくせによー。」
ポンドがつっこんだ。
「今さ、俺の彼女は、涙流してテレビ見てるんだろうな。無事でよかったてさ。」
ベッカムは、500年後に生きる彼女を思い浮かべていた。もう長いこと顔も見ていない。みんなの前で会いたいとかひとことも言ったことがないが本性はさびしいのである。それはここにいる5人みんなおなじだ。シュークリーム号飛行場から旅立ってここにたどりつくまでの1ヶ月、シュークリーム号のベットでみんなが静かになると500年後に生きる自分の家族、友人、恋人の事を思っていた。もしかしてもう会えないかもしれない。という不安を人間である以上いだいてしまうからだ。でも今はタイムスリップが成功したのが嬉しくてそれを一番喜んでいるだろう大切な人がどんな様子でテレビを眺めているだろうか、そう考えると胸がそわそわした。
5人はしみじみ村の景色を眺めた。けして大きい分けではないのだが川もあるし、山も見える。なんたってあの日本一の富士山がこちらをのぞいている。自然豊かあで、空気もとてもすんでいてる。気候はとても暖かいが、オランダよりは涼しく過しやすい。恵まれた環境にある。ここは駿河の国。
「ククク、」
シャクミス博士がわらった。
「なに博士、いきなり笑って。」
「いやいや、一人で妄想に先走ってしまった。わしらは今世界中で一番きゃこうを浴びている。地球人なら誰でもテレビのくぎずけじゃ。ということは、・・・」
「そうか、博士。俺達の勇士ある姿をアメリカの超大物女優が見てるっちゅうことか。」
ポンドもそんな事考えられなくもない、そんな風に言った。
「キャメロンディアスのようなな。」
「博士はキャメロンが趣味か。俺はな、ブリトニーだ。かわいいよなブリトニー。」
「だめだなー、本当の味がある女ってのはジュリアローバーツ見たいのを言うんだ。」
ジョーが言った。ジョーは恋愛の達人らしい。ボビーがわいわいしゃべっているみんなに早くきずいてと言わんばかりに口を開いた。
「ね〜ね、みんな。僕らの前にギャラリーが集まっているのきずいてる?」
「すっげーな。みんなきれいなひとえじゃねーか。」
ポンドが言った。
「やだーポンドさん一重なんてはっきりいうもんじゃないのよ。」
博士がふざけて女の子の声をしてみせた。
「いいぞー博士!!」
ベッカムが言った。みんなは笑った。
「ほらみんなのんきに笑っている場合じゃない。」
ジョーが笑いを止めた。
「わしも思う。笑っている場合じゃない。」
博士が言った。
「博士が言ったんだろ。」
ベッカムがつっこんだ。つっこみも一流だ。
目の前を見てみると、200人ほど村人が集まっていた。誰だとか、この乗り物なんだ。言い合っていた。だが5人が村人に気がついて見るとぴったと言い合いがとまった。無言で世の終わりだとでも言うような顔をしていた。何がなんだか分からない3歳ぐらいの子供が喜んで5人の方めがけて走ってきたが、母親がすぐ連れ戻して抱いた。子供に何か怒ったようにように話していたが、多分あそこに行ったら殺されてしまうよといっているのだろう。日本人は自分達を怖がっているのだと5人はわかった。背も高くて鼻も高くて、ほりがほかくてはだが白くて(ボビーは黒人だからボビーを除いて)はじめて見れば迫力があるだろう。世の終わりという顔をしている村人達は先頭にどうどうと立ちかまえる女にしがみついていた。ジョーは200人の村の中のリーダーのような女に英語で話しかけた。だが女には全く通じていなかった。通じるはずがない。
「それにしてもこの女がリーダーなのかっちゅの。」
ポンド。リーダージョーはあごをかかえて言った。
「そうみたいだが言葉が通じていないようだ。」
「博士、あなたに頼っていいかい。」
「ほうほう、その言葉待っておった。ひそかに昨日、徹夜して作っていたのが役立つときが来たようじゃ。」
「さすが博士、頼りにしているよ。」
ボビーがニッコリ笑った。博士は自分の奥さんに作ってもらったマイバックから道具を取り出した。博士は結婚して30年経った今でも奥さんのことを愛していて、今では、しわくちゃだらけのかわいらしいおばあちゃんだが、若い頃はとてもきれいなひとで、よく男達に奥さんの結婚当時の写真を見せては自慢していた。何でも、彼女が、結婚式で、白いウエディングドレスを着たときはわしは天使かと思ったわい。とよく口癖で言っていた。
「みた目はへんてこなんだが、なかなかのすぐれもんじゃ。」
その道具は、一見普通に見えるマイクだが、マイクの下に小さなラッパの形をしている機械がついていた。
「これの使い方を説明する。普段マイクを使うように、我々の使う英語で話す、するとこのマイクに入った音が、ラッパのような機会のところで、英語を日本語に変えて、このひろがったくちから言葉を出してくれる。これの優れたところは、英語をその人の声の質のまま日本語に変えてくれるのだよ。まあ多少は、英語を日本語に変えるのに時間はかかるのだが、大目に見てくれ。」
「ナイス!!さっそくつっかて見ようぜ。」
ベッカムがそういうとジョーがさっそうと使ってみることにした。
「我々はシュークリーム組織グループで私はジョーといいます。」
すべての言葉が言い終わってから10秒たってラッパの口から女にむかって日本語がでてきた。女は機会が直した日本語を聞き取ってからまた自分の言葉を言った。するとまた10秒たって英語で男達に言葉を教えてくれた。
「とうさぬわ。」
女は張り上げた声で言い放った
ミュージカルのようないい声だ。シャクミス博士は、マイクがちゃんと通訳できて相手もジョーの英語が分かってこちらも女の日本語が分かったのでそれに喜んでいた。女は驚いているようだ。今使った便利な機会、シュークリームの形した乗り物(シュークリーム号)ずいぶん身なりのいい外人にあやしいと思ったようだ。5人はスマイルは相手をスマイルにをモットーに口が張り裂けそうなくらい笑った。
「博士、やりすぎ。かえって怪しい人みたい。」
「なにー、ン〜悔しいのだが、おまえは黒人だから、笑うと歯が白く見えてと一段とカッコイイな。」
女から何かしゃべり出した。」
「おまえは何者か。どこの国からやってきた?
「我々はオランダという国からやってきた者達で、あなた達とは顔の作りも違うでしょう?それにずいぶん発達した技術が無ければ作れないこの乗り物を持っているのに驚かれただろう。信じてもらえないかも知れないが、我々はここから500年後に生きている者達で時空を越えて500年前からやってきた。」
「バカいうな。確かに、いまの世の中いくら発達した外国があってもあなた達の得体の知れない形の乗り物を作れるとは思えない。でもおまえの言っていることはおかしい。」
(おまえとはジョーのことらしい。)
「500年も前から時を越えてこれる分けがない。」
「そうだ。みんなどんなロボットを作れてもタイムスリップなんて夢の話できるわけがないって思ってた。だけどそれをシュークリーム組織グループがやり遂げたんだ。だから世界中が興奮しているんだ。」
「おまえの言っていることはむじゅんしてる!!大体どうやってこの乗り物で来た!」
「この人」
ジョーがシャクミス博士を指差して女に語りかけた。
「シャクミス博士がこのシュークリーム号のモータからエンジンから作ったんだ。だから博士が運転してきたんだ。」
「いままでつつましい言葉をさがしていわなくてもうしぶんなかった。」
張り上げた声が急に優しい声になり、したうようにジョーを見上げ目を見た。
「私の名はなつめともお申す。あなた方はたくさんの技術持っているようですね。私達にも是非教えていただきたい。あなた方をこの村へ通そう。ようこそわが村へ!」
こわばっていた村人の顔も自然な表情に変わり拍手がわいた。5人はほっとした。タイムスリップが成功したとしても寝床がなければどうしようもない。