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DIARY

June 99










ハードボイルド/ハードラック 
吉本 ばなな 著  奈良 美智 画| ロッキング・オン | 29・06・99 読了

吉本さんの新刊だったので購入  中編小説
晩秋にあてもなくひとり旅をしているわたし 山間の小さな町に辿りつき そこで一夜を過ごす予定だ
秋の透明な夜 思いでの中でしか会えないあの人を思う ハードボイルド
姉は勤めていた会社を結婚退社するために仕事を詰め込みその結果脳出血で倒れた その日から一ヶ月 家族の姉を見送るための時間だ ハードラック

いつも今しか見ていないのに、どうして時の流れはこんなに悲しいのだろう。

二年ぶりの書き下ろし
一作目のハードボイルドは夜の闇で繰り広げられる話し ちょうど「東亰異聞」を読んだ直後に読み始めたので
なんとなく縁を感じながら読む お風呂に入りながら読んだのだが背筋が何度もぞくりとした  二作目ハードラックは優しい夕日の似合う小説 死とそれに対面する周り親しい人たち さりげない前向きなこころ 吉本さんらしいタッチで書かれている 
独特の文体 さらっとしていて その自然体が心地よい





悪霊はひとりぼっち 
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 29・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたがこの際一気に購入  中編ホラー
今回の依頼は千葉県の公立学校 そこでは不可解な事件が連続して起こっており 新聞でも取り沙汰されマスコミの関心が集まっていた 決まった周期で起るボヤ 目撃される幽霊 集団中毒 除霊事件に謎の黒犬 何が原因でこれだけの霊が集まってしまったのか 

「誰でも、自分のしたことの責任は負わなければならないんだ」
「みんな知らなかったじゃない」
「無知は言い訳にならない」


何故学校が舞台にされることが多いのだろうか 
大勢の同年代の人間が一つの場所に集まり 一定のルールに従い生きる学校 
そこでは 楽しいこともあるだろうし 悔しいこともあるだろう そういったさまざまなものが出口を探しうごめいているのかもしれない  
ちなみに学生時代のわたしはというと ほどほどに羽目を外し あまり勉強もせず ひたすらクラブ活動に燃えていた(こともあった) 






東亰異聞-とうけいいぶん- 
小野 不由美 著 | 新潮文庫 | 28・06・99 読了

小野さんの新刊文庫ということで購入 長編小説
明治元年七月「江戸」から「東京」と呼ばれるようになった 緩やかに成長してきた港町に 政治の拠点が移されてから急激な変貌をとげつつあるまちで起る奇怪な事件 人魂売りに首遣い 火炎魔人や闇御前 夜の闇から生まれ人を襲う魔ものたち 闇に紛れて徘徊する魑魅魍魎  一連の出来事に目をつけ取材を始めた新聞記者の平河だが・・・

「時代は変わっていくのですよ」そう万造は言った。「変わっていく性質のものだからです。その行く先がどこであれ」
「そのとおりだ」
「それでも水が高いほうへは流れないように、決して逆戻りはしないものです。より良くなるにしろ、悪くなるにしろ、時代は転変していくもの」


今まで読んできた小野の作品とはまた一味違う印象を受けた
今回の時代設定は明治だが下調べも入念で 大学時代に読んだ江戸川乱歩やその他当時の浅 草の喧騒を愛した作家のことなどを思い出しながら読む
急激な時代の移り変わりに戸惑う人々の様子や 町の風景などが実に見事に描き出されている こんなに上手いのならもっと メジャーになっても良いと思うのだがどうも実力の割に不当な扱いを受けている気がする
ともかく読後 社会の変容に伴い 人々が失ったものもしくは切り捨てたものの 多さ改めて気付く 荒俣宏さんの「帝都大戦」を読んだときも柴田よしきさんの「炎都」 を読んだときも思ったのだが古くから伝わってきていることにはそれなりの理由がある  新しさ便利さだけを求める流れから 次に生みだされる流れはどんなものなのだろう






星兎 
寮 美千子 著  鴨沢 祐仁 装画 | パロル舎 | 27・06・99 読了

寮さんの新刊ということで購入 ファンタジー
ユーリはある日街で兎に出会った 等身大の身体を持ち直立で立ち ことばを話す不思議な兎 そんな兎と過ごす一夏の物語

ぼくも、そこらのおとなたちと変わらない。そこにあるもの じゃなくて、あるはずのものを見てしまう。

寮さんの作品はこれまでに「ラジオスターレストラン」 「ノスタルギガンテス」 を読んでいる
少年 薄荷 星 といった作品の中にでてくるモチーフが鴨沢さんの初期の作品にで てくる ものと似ている そのイメージはそのまま宮沢賢治や稲垣足穂などから発されている ものなの だが ともかくそういった彼女らしいものを踏まえながらも 生きること  ひとりということ そしていつか必ずやってくる別れが描かれている  切ないけれど心地よい読後感 夏の暑い夜に読むのがお薦めの本





悪霊がいっぱいで眠れない 
小野 不由美 著  | 講談社X文庫 | 26・06・99  読了

シリーズ半ばで止めていたのが夏なので際購入 中篇ホラー
渋谷サイキックリサーチに次々と女子高生が訪れた コックリさんをやった後におかしくなってしまった友人 ポルターガイストが起る部室 教室での祟りといった相談は全て一つの私立高校でおこっていた怪現象だった 早速調査に乗り出したメンバーだが・・・ 

そういう考え方は不毛だよ。人間みんなそれぞれ自分のため に一生懸命生きてるんだし、他人の影響なんて言っても、けっきょく選ぶのは自分な んだから

げに恐ろしきは人の心か・・・ 
そろそろそういう展開になるかな?と思っていたら その通りになった シリーズ二作目で伏線が引いてあったので 勘の良い!?読者ならわかったこととは思うけれど ともかく今回新たにほどこされた伏線は次回作からどのような働きをするのか楽しみ 
楽しみではあるけれどなかなかシリーズ4作目まで辿りつけないな 何故だろうか?(理由は明白か!?)




俺はその夜多くのことを学んだ 
三谷 幸喜 著  唐仁原 教久 絵| 幻冬舎書房 | 26・06・99  読了

三谷さんの本は読んだことないなかったので購入 短編
入社したときに一目惚れした彼女を三年かかってようやくデートに誘うことに成功した俺 そして楽しく映画を見終わり帰宅してからの俺の話し

恋愛に関して、新たに悟ったことは、既にもう、前に一度悟 っている

三谷節がさえる作品 この人に情けない男を書かすと天下一品
読んでいると登場人物に対して 苛々するのだが結局は自分の姿をそこに見ていることが多いのだ
雨の日に読むといいかもしれない こういうのって自分一人じゃないんだって思えるから
ちなみに わたしは雨の日の夜 お風呂に入りながら読んだ




アリーテ姫の冒険 
ダイアナ・コールズ 著  グループウィメンズ・プレイス 訳| 学陽書房  | 1?・06・99  読了

Young Adult Fairというので購入 児童書
とてもお金持ちの王様には一人娘 王女アリーテ姫がいました 彼女は大変活発で利口でした しかしそれは良いお婿さんをもらうには「可愛らしく おとなしく 従順」であれと願う父の心に沿いませんでした 果たして彼女に求婚してきた王子様たちは・・・

だいじょうぶ、心配しすぎることはないわ

今までの「シンデレラ」や「眠れる森の美女」に出てくるお姫様と違い自分の知恵と勇気で問題を解決しようとする王女様のお話





レイクサイド・ストーリー 
サラ・パレツキー 著  山本 やよい 訳| ハヤカワ文庫 | 24・06・99 読了

確か以前読んだことがある気もするがシリーズ半ばで止めていたのでこ の際購入 長編ハードボイルド
シリーズ第二作 V・I・ウォーショースキー の従兄弟で元アイスホッケーの花形選手ブームブームが雨の埠頭で足を滑らせ事故死したとの知らせを受けウォーショースキー(以後ヴィク)は悲嘆にくれる 何故なら穀物会社に勤めていた彼から緊急に相談したいことがあると聞いていたからだ 警察の見解に納得がいかず独自に調査を始める彼女に立ちふさがる壁は・・・ 

そんなことでくよくよしたって過去は変えられないんだから 、かわりに現在に注意を集中したほうがいいんじゃない?

この作品を読んでいるとお酒が飲みたくなってくる
主人公のヴィクは黒ラベルをこよなく愛しているし シェリーだのワインだのが結構な数出てくる
誤訳が少々気になった 何気なく読んでいて見つけのが3〜4位の文章に似合わない訳語 
そんなたいそうなことではないのだがなんとなく気になるものだ (単なるあげ足とりかもしれないね)





サマータイム・ブルース 
サラ・パレツキー 著  山本 やよい 訳| ハヤカワ文庫 | 24・06・99  読了

確か以前読んだことがある気もするがシリーズ半ばで止めていたのでこ の際購入 長編ハードボイルド
警官だった父 イタリア人の母の間に生まれた 主人公V・I・ウォーショースキー はシ カゴで事務所を開いている一匹狼の探偵 ある日彼女の元に好条件の依頼がやってき た 家を出て労働者運動に熱を上げている息子を連れ戻して欲しいという父親の依頼 に乗り出した彼女は間も無く不可解な事実に直面する

人生のすべてが簡単に運ぶなら、自分のやりとげたことを誇ら しく思う気持ちは味わえない

初版が出たのが1985年 結構前のことだけれど昔という程以前でもない そんな 感じの古さが漂う作品 
文中にでてきた「このアイスクリームは罪深いといえるほどおいしい」という言葉に 心奪われる そんなアイスクリーム食べてみたいものだ・・・




悪霊がホントにいっぱい! 
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 18・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたが夏なので購入  中編ホラー
15歳の女子高生 谷村麻衣は前回の事件から「渋谷サイキックリサーチ」でアルバイトを続けている  ある日待ちに待った依頼人が SPRの戸を叩いた  依頼人は森下典子 依頼は 彼女の住む古い洋館にポルターガイストに関すること そこで早速邸を訪ねた二人だが・・・

レンアイに理由なんていらないのよね。困ったもんだ。

あまり怪奇現象に詳しく無い人でも丁寧な解説がしてあるので問題なく読める
この手の話を読むと思い出すのは子供の頃に読んだホラー漫画 それは人形にまつわるとても 怖い話だった 人形の持ち主が人形の中に吸い込まれ 元々人形だったものが持ち主の身体に 宿る 周りのものはその異変に気付かない そんなお話
ああ 怖いと思い ふと自分の部屋にある豚のぬいぐるみの数を数えてみると10以上あった  人の形をしていないから大丈夫だろう・・・




ムーミン谷の十一月 
ヤンソン 著  鈴木 徹郎 訳| 講談社文庫 | 18・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたがこの際購入  中編ファンタジー
ムーミン谷に秋の気配が漂いはじめました スナフキンはいつものように谷を後にしました 
とても小さなホムサは まだ会ったこともない楽しいムーミン一家のことをいつも夢見ていました
お掃除好きのフィリフヨンカは冬支度をしている間にとても嫌なことを考えてしまいました 
ヘムレンさんは自分のことが嫌いで 全てを放り出したくなりました
みんなの行きつくところはどこでしょう? 

ものを見る目があるというのは、いったい、どういうことなのかしら。目があるために、どうなるかしら。まず、見る・・・・・。

この作品で講談社から出ているムーミンシリーズは終り  ともかく 秀作
何気なく手にとって気軽に読み始めたものの 気がつけばこんな高みにいた 
すみきっていて あたたかくて ここちよくて これがムーミンの世界





ムーミンパパ海へいく 
ヤンソン 著  小野寺 百合子 訳| 講談社文庫 | 18・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたがこの際購入  中編ファンタジー
8月の終わり ムーミン一家はムーミン谷を出て島に移り住むことにしました それ はパパの島で 灯台で新しい生活を送ることがパパの夢だったのです 一家は何日も波に揺られ島に 到着しました さぁ海に囲まれた小さな島で彼らはどんなことを思い 生活することになるのでしょう

たまには変化も必要ですわ。わたしたちは、おたがいに、あまりにも、あたりまえのことをあたりまえと思いすぎるのじゃない?

題名を見ても分かる通り今回のメインもムーミンパパ 前作ほど彼の一人舞台ではな いけれど...
家族を危険なものから守り 物事を良く知り尊敬され 仕事をして家族を養うのがパ パなのだ という信念に基づき いろいろなことに挑戦するパパ そんなパパに時々不満をこぼ しながらも 温かく支えるママ 独りでいることを分かり始めたムーミントロール
 
幸せってなんだろう?





ムーミンパパの思い出 
ヤンソン 著  小野寺 百合子 訳| 講談社文庫 | 16・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたがこの際購入  中編ファンタジー
ムーミントロールがまだ小さかったとき パパは夏風邪をひきました  あまりしんどいのでパパはこのまま死んでしまうのではないかと心配しました  その時ふと もしこのまま死んだら自分の大切なものは(既に伝えているものもそう でないものも) いづれ忘れ去られてしまうに違いないと思いました  そこでパパはママにすすめられ思い出の記をつけることにしました

「ヨクサルがあんなに無関心なのは、おかしいと思わないか」
フレドリクソンの返事はこうでした。
「そういっちゃいけないね。それは反対で、ヨクサルのほうが、案外いろいろと気を つかっているのかもしれないよ。おちつきはらって、てきとうにね。
 ぼくたちは、いちばんたいせつなことしか考えないんだなあ。きみはなにかになり たがっている。ぼくはなにかをつくりたいし、ぼくのおいは、なにかをほしがってい る。それなのにヨクサルは、ただ生きようとしているんだ」 
「生きるなんて、誰にだったできるじゃないか」


今回のメインはムーミンパパ
パパの子供時代 友達フレデリクソンとの出会い 海への冒険やスナフキンやミースニフの親のことも 書かれている
  本編は子供でも楽しめるが どちらかというと大人向けだろう  
それは  生きるとはどういうことなのだろう? ふと頭 によぎる疑問 自分は本当に今まで自分が信じてきたほど価値のあるものなのだろうか? という問い掛けが書かれているからでもあり また空想的な冒険部分とパパの生きるとはについて語られている 独白部分との比重が上手くとれていないからでもある 
翻訳の仕方の問題でもある気もする 児童文学とレッテルを貼られているものなのだ からこういう訳に なっても致し方ないのだが少し残念





ムーミン谷の冬 
ヤンソン 著  山室 静 訳| 講談社文庫 | 14・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたがこの際購入  中編ファンタジー
雪のしんしんと降り積もる冬 まだ遠い春を待つ間 ムーミン一家はいつものように 冬眠についています いつものように冬眠から覚めた後の準備も出来ていて みんな は気持ち良く眠っていました 何もかも普通どうりでした ただいつもと違うことが 一つ起こりました ムーミントロールが目を覚ましそれっきり冬眠出来なくなってしまったのです 一家一族の中で初めて冬に出会うことになったムーミンの一冬の物語

「どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけないものよ。 そうして、自分ひとりで、それをのりこえるんだわ」

今回のメインキャラクターはムーミントロール おしゃまさん ミー ヘムレンさん  犬のメソメソ となじみ深いものばかり
前回の「夏まつり」では皆で困難を乗越えようする物語だったが 今回は基本的にムー ミントロールの一人ぼっちの冒険 北欧の長く厳しいけれど美しい冬が淡々と描かれている 
いまは 夏 だけれど もう少し待って 冬の温かい部屋で読むのにぴったりの本





ムーミン谷の夏まつり 
ヤンソン 著  下村 隆一郎 訳| 講談社文庫 | 14・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたがこの際購入  中編ファンタジー
ムーミントロールが冬眠から覚め 山に積もっていた雪も消え 小鳥が囀り みどりがつやつやとおいしげる六月に起こった物語
火山が噴火しムーミン谷に大水がおしよせてきました お家は瞬く間に水の下に沈みはじめました お気に入りのものを もって屋根の上に避難していた一家ですが 水はどんどん増え続けるし このままではどうしようもないと思っていたとき ちょうどよい大きさの家が流れてきたのです  一家はすぐにその家に移り住みました 新しいお家にすぐになじめると思っていた 彼らでしたが その家には大きな秘密があったのです

「そうかい。たいせつなのは、じぶんのしたいことを、じぶん で知っているってことだよ。」

ムーミン一家の穏やかな性格が 彼らの周りで繰り広げられる冒険と とてもバランスよく描かれている
短編よりやはり中長編の方が断然面白い
  ところで ぶどうジュースの入った紅茶というのが作中にでてきた 今度一度試してみようと思う





ムーミン谷の仲間たち 
ヤンソン 著  山室 静 訳| 講談社文庫 | 14・06・99 読了

シリーズ半ばで止めていたが実はかなり前に購入していた シリーズ期なのでこの際読むことにする 短編ファンタジー
ムーミンシリーズのわき役たちの9つの物語
スナフキンの旅の話 ニョロニョロの秘密 小さなことでくよくよして泣いてばかりのスニフの話  想像力が豊かなホムサの話 一人が好きなヘムレンさんの話など

「その調子でいくと、おまえはたちまち、おとなになるな。パパやママみたいになってさぞ世の中の役にたつことだろう。そうなったら、おまえはただありきたりのことしか、見たりきいたりしないんだ。いっとくけど、そりゃなんにも見もせず、ききもしないってことだぞ。そうなったら、もうおしまいだな」

子供の頃にアニメで見ていたのだが相変わらず登場人物の名前がそのイメージと一致しない
あまりに思い出せないと少しいらいらする だから  そういう時はそのキャラクターはアニメには出てこなかったのだと自分を納得させて 読み進めることに決める  アニメと原作とはかなりかけ離れているし なにも自分の偏った記憶に頼って本を 読める必要もないと思うのだが  子供の頃の記憶が思いの外しっかりと自分の中に根づいていて言うことを聞いてくれないのだから仕方がない
これまでの2作は長編だったが今回は短編集 
内容は子供には難しいものがあったりと かなりばらけている
それでも やっぱりスナフキンいいやつだった





夜明けのブギーポップ 
上遠野 浩平 著 | 電撃文庫 | 09・06・99 読了

シリーズものだったので一気に購入 長編ファンタジー
女の子たちだけが知っている 人が もっとも美しいときに 醜くなる寸前に殺すという 伝説の死に神ブギーポップや 急逝した人気作家の愛娘で今は”炎の魔女”と呼ばれている霧間凪のそれぞれの物語のはじめが描かれている

「---困ったことに、本当の努力というのは決して他人には理 解されないものだ。それが理解されるのは勝ったときだけで、しかし勝ったときには その努力そのものの美しさは変質して別のものになってしまっている。真の努力の成 果は犠牲になったものの中にしかない」

書店に行き購入する予定だったのは最初の一冊だけだった というかまさかブギーポ ップがシリーズ物だとは思ってもいなかったのだ 見た瞬間 少し悩んだが 平積み になっているから売れているんだろう えい!まとめて買っちえ!と思い購入 初期 のものより後半のもののほうが好みだった 最初 静的な世界で淡々とすすむ物語に少し違 和感を覚えたのは確か





ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王
上遠野 浩平 著 | 電撃文庫 | 09・06・99 読了

シリーズだったのでまとめて購入 長編ファンタジー
ワンマン経営で巨大な富を築き急死した伝説的ビジネスマン寺月恭一郎 彼の最後のプ ロジェクトである一大情報管理システムタワー”ムーンテンプル”は寺月亡き後の巨 額の負債にまみれ また管理費を維持することもできないため 一ヶ月の一般公開の後に解体されることが決まっていた 公開オープニング当日には 多くの人がこの巨大建造物を一 目見ようとあつまっていた そこで事件が起こった

他人のことを気にする前に、自分のことを何とかしなさい

過去に戻りたい あの時に戻りたい やり直したいと思う気持ちは誰にでもあるだろう
でも昔の自分に後悔して蔑んだり 懐かしんで甘美な思いに身を任せるばかりじゃ なく あの頃の自分に向かって 元気にしてますか? わたしは今 こういうことを思えるようになったし こんなことも出来るようになった こちらも(は)元気にやってい ます と思えるようになりたい





ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ   
上遠野 浩平 著 | 電撃文庫 | 08・06・99 読了

シリーズだったので購入 長編ファンタジー
高校を退学し毎日街で自分を含め六人の仲間とつるむ海影香純 お互いの学校も住所 も知らない六人に共通するのは一つの才能 彼らは不定期にカラオケボックス等で会っては人前では見せないこの才能を思いっきり使い1つの時間を共有していた そんな彼らがある事件に巻き込まれる 
ブギーポップ 黒いマントに黒い帽子のうわさの死に神は今回はどんな役目を果たす のだろうか?

おれたちってよ・・・ひょっとすると、とんでもなく重要なこ とでも、へーきで見逃してしまっているんじゃないか、って

何か行動を起こすときにたいていのときは未来について考える 
もしも 未来を知って今が変るのなら 生きることとは一体 何を意味するんだろう





ブギーポップリターンズ VSイマジネーター Part2
上遠野 浩平 著 | 電撃文庫 | 06・06・99 読了

シリーズだったので購入 長編ファンタジー
パート1の続き

「君は、これまで何を考えていたのかな?(中略)自分の意思だと、はっきり決めて行動していたことがあったのかな?」
「・・・・・・・・」
「社会に適応しているということは、どっちにしろ社会に都合のいいように洗脳されているということだ。違うのは、君のようにその相手がはっきりしていないことだけだ。洗脳されていない人間などこの世にはいない」
「・・・・・・・・」
「問題はそのなかで-----洗脳されて自由のない精神の中で、君が何をもっとも大切にするかということだ。君は、がんじがらめに世界に縛られているが、そのなかで何を望む?」

もうちょっと若かったら読み方はきっと変わっていたのだろうと思う 
今のところ このシリーズで出ているのはあと3冊!





ブギーポップリターンズ VSイマジネーター Part1
上遠野 浩平 著 | 電撃文庫 | 05・06・99 読了

シリーズだったので購入 長編ファンタジー
三月初めに深陽学園の屋上から1人の少女が飛び降り自殺した 生徒の名前は水乃星透子 享年17歳だった 遺書もなにも残さずにある日突然逝った少女 
彼女に死により次々と事件が起き始めた 

「・・・・・確かに何かがいる。人に「かくあらねばならない」と思いこませている何者かが。それは人々の間に入り込み、いつのまにか世界を軋ませている・・・・・人間の生涯に、何らかの価値があるとするならば、それはその何者かと戦うところにしかない。自分の代わりにものごとを考えてくれるイマジネーターと対決するVSイマジネーター-----それこそが人々がまず最初に立たねばならない位置だろう」

人の弱さについて考えた
先に読んだ十二国シリーズでは強さについて考えたが 今回はその逆について考える  





ブギーポップは笑わない 
上遠野 浩平 著 | 電撃文庫 | 05・06・99 読了

ネットでお薦めだったので購入 長編ファンタジー 第4回ゲーム小説大賞受賞
県立深陽学園では生徒が次々と行方不明になっていた
1人の視点からではなく 5人の登場人物によってその事件の全貌が明かされる 
女子生徒の間に流れる噂の殺人魔ブギーポップ(不気味な泡)はどのようにこの事件に関わっているのか

「優しさがすべてに優先する動機だと駄目なの?」

こういう小説を書きたいと思っていたことがあった
それぞれの登場人物により語られるそれぞれの真実  面白かったのだが 読後切ない気持ちになった





図南の翼 
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 05・06・99 読了

気になっていたシリーズだったので購入 長編ファンタジー
西にある恭国では春分を目前に控え旅客でにぎわっていた 先代の王が倒れてから27 年がたち人々は麒麟により早く新王が選ばれることを願っていた 王になるためには 志願者は 年に一度開門する時に黄海に入り 金剛山へと辿りつき 麒麟によって選 ばれ なくてはならない 
恭国に生まれ育った豪商の娘 珠晶は麒麟に会うべく 王になるべく黄海へと旅立つた 十二歳の少女の思いは.....

「あなた、目があるんでしょう?耳があるでしょう?そこにあ るものを目を開いて耳をそばだててちゃんと受け止めていれば、分かることだってた くさんあると思わない?」

この主人公も元気だ ここまでこのシリーズを読んできて思うのは本当に"女"の人が力強いということ 
前向きで良い!
ちなみに本作品も番外編 初版が刷られたのが96年2月 それ以降は本シリーズの作品がまだ出ていないのが残念 小野さんの本で次に挑戦するなら夏だしホラーだと この作家を紹介してくれたMさんは言うのだが貴志さんの「黒い家」も積読(つんどく)中のわたしがそのシリーズに実際手をつけるのはいつになることやら......近いうち 多分 
最後になったが Mさんこの作家を教えてくれて本当にありがとう 一流のエンターテイメントを楽しませていただきました
面白かった





風の万里 黎明の空 上下 
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 04・06・99 読了

気になっていたシリーズだったので購入 
北西の国芳では王仲鞭の圧政に耐え兼ねて兵が蜂起し王 王后 麒麟を討ち取った  自分の目の前で殺戮劇が繰り広げられ さらに公主としての地位を奪われた王の娘祥 瓊は市井で普通の民として生きることを余儀なくさせられる 
南西の才州国には凌雲山という女仙の住む山があった そこで下女として働く鈴 という娘がいた 彼女は元は蓬莱(日本)から流れてきたためこちらの世界のことば も話せず それでもなんとか生きていたところ今の主人に巡り合った 仙人になれば 誰とでも話しができると聞き 懇願し仙籍に入ることを赦されたのだが仙としての生 活は今までよりさらに過酷なものとなった 
慶国では陽子が遂に登極した しかし王としての責務を果たすにはこの国いや世界に ついて知らなさ過ぎる自分が居る また自信が無いため臣下や麒麟との関係もうまく いかない

「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分のものなのですよ」
「-----はい?」
「人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようがしあわせだからなのです」


女の子三人が主人公 タイプはそれぞれ異なるが皆元気でよろしい 
三人の脇役である男たちもそれはそれで良いのだが…彼女らに比べて魅力は数段落ち る気がする
読んでいて思ったのは自分と他者の距離感について 
周りに依存ばかりして自分を甘やかすことに慣れちゃいないだろうか?と自分に問い かけた
わたしには悩み事があると話を聞いてくれ非常に的確なアドバイスをくれる友人がい る その人たちのことを信頼しているが 時にそのあまりの心地よさに寄り掛かって いる自分がいる ひとりの人間には思考や行動等に限度があり だからこそ他の人間 の意見・協力等が必要になるのだが やはりバランスが大切だと思う 
うまくバランスをとるにはやはり 自分に自信をもたねばならないだろう



東の海神 西の滄海 
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 03・06・99 読了

気になっていたシリーズだったので購入 長編ファンタジー
この世界では麒麟が王を選ぶ 神獣である麒麟が天啓をうけ 天意にそい王を選んだ 後王の臣下となり宰輔として宮廷に仕えるのだ 国一つに付き麒麟が一つ 故に12国 には12の麒麟が存在するということだ 
六太こと延麒(雁の麒麟)は王として尚隆を選んだ 王として君臨した尚隆はしかし  政にはあまり関せず 機をうかがっては下界に降り町衆と戯れている 先代の暴君 のために荒れ果て焦土と化した雁国は この有能だがでたらめと側近から評される国 王の手腕により豊かになるのであろうか?王に対する民の思いと臣下の策略がうずま くこの国の行方は?

人は正義を標榜するのだ。

これまでの作品と異なり国や民を巡ったテーマのため考え方のスケールが大きい
国を統治することとはどういうことか そして 良い王であるということとは? 
この作品は十二国シリーズの番外編 いつもの本編より少し抑えた雰囲気のする作品 





魔性の子 
小野 不由美 著 | 新潮文庫 | 02・06・99 読了

気になっていたシリーズだったので購入 長編ファンタジー 第5回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作
広瀬は母校の私立高校に教育実習生として戻ってきた 彼は高校時代一人疎外感を感じ問題児として通っていた そんな彼が在学中 唯一信 頼していた化学の後藤教諭の指導をうけることになったのだが 担任のクラスに こ れといった理由はないのにも関らず 妙にインパクトのある生徒がいることに気付く  その生徒は高里という名で彼の周りには奇妙な噂で満ちあふれていた 曰く 神隠 し 祟り 見え隠れする白い手・・・ 彼は一体何者なのか?そして彼にとって安住 の地はあるのであろうか?

人は人であること自体がこんなに卑しい。

先日から読んでいる十二国シリーズの先駆けの作品というので読む何故これだけ新潮 から出版されているのかと疑問に思いながら読んだが確かにこの本は講談社ファンタ ジーのシリーズとは一風異なる 
怖かった 
人は本当にもろいものなのだ
人のさがというものについて考えさせられた






風の海 迷宮の岸 上下 十二国記シリーズ
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 01・06・99 読了

気になっていたシリーズだったので購入 長編ファンタジー
世界の真ん中に黄海という名の場所があった 黄海の中央には五山という連なった山 々が存在した その中央に聳え立つ蓬莱山 そこは女仙の宮でそこに住むものは生れ落ちる麒麟(神獣)に仕えている  いつ麒麟の実が捨身木に生るかと待ち構えていた女仙だが ある日ついに 実がなった 10ヶ月後に生まれいづる麒麟へと皆の期待は高まっていた しかし喜びもつかのま 大規模な触(災害)のために麒麟の実はいづこへと姿をくらましてしまう 懸命に探すこと10年 やっと行方不明になった麒麟が見つかった これまでこのように長く行方が知れなかった麒麟は居なかった この麒麟は無事に王を選ぶという 大役を果たすことが出来るのであろうか?

「景台輔はけっして間違ったことをも申されたわけではありますまい。-----なれど 、正しい方法が必ずしも最良の方法ではないことを、学ばれる必要があらっしゃる。 」

大人でもなく子供でもない過渡期の子供が生まれながらに背負った あまりにも大き すぎる宿命 そして期待に応えようと周りに気を使いながら懸命に生きようとする姿勢が切なく 涙を誘う 





月の陰 影の海 上下 十二国記シリーズ
小野 不由美 著 | 講談社X文庫 | 31・05・99 読了

気になっていたシリーズだったので購入 長編ファンタジー
中嶋陽子は近所の平凡な私立女子校に通い 両親 教師 クラスの友達の期待に応え 誰にとっても良い子であろうと努力していた 自分の髪の毛が人より赤く目立つこと から職員室に呼ばれ先生から注意を受けていたとき 彼女の前に不思議な男が突如現 れた それにより彼女の今までの生活は一変した

「どっちを選んでいいかわからないときは、自分でやるべきほうを選んでおくんだ。 そういうときはどっちを選んでも必ずあとで後悔する。同じ後悔なら、すこしでも軽 いほうがいいだろう」
「うん」
「やるべきことを選らんでおけば、やるべきことを放棄しなかったぶんだけ後悔がか るくてすむ」

上巻は読むのがかなりつらかった 人はどれほど強いのかを考えながら読み進めた 
下巻は展開部分 ぐっと読者を惹きつけ読ませるところがこの作者の力量か
信じていたものからの裏切り 同情の裏にあるものは? 生き抜くために本当に必要 なものとは一体なんであろうか? こんなことは極限状態でないと考えられないし答 えも出せないだろうけれど それでも後悔をするような選択だけはしたくないと思う し 何よりも先ず 本著に書いてあるとおり 何かをやらなかったと後悔するよりも  やったことにたいして後悔したいから








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