DIARY
July 99

慟哭
貫井 徳郎 著 | 創元社推理文庫 | 30.07.99 読了
たまたま書店でみかけて購入 推理小説
首都近辺で起こっている連続少女誘拐事件 捜査の指揮をとるのは異例の速さで課長に昇任したキャリアの佐伯 警視総監の一人娘を妻とし 元法務大臣の隠し子であるという彼に同僚からの風当たりは強い 内部での軋轢 手がかりがつかめないまま時だけが過ぎていく
人は自分が信じたいことだけを信じるのです。
著者のデビュー作
幼児連続誘拐事件 おたく 新興宗教 キャリア・ノンキャリアの軋轢
短い文章で淡々と語られているので 馴染むまで少し時間がかかった けれど いったん引き込まれるともう戻れなくなるほどおもしろい世界だった

ムギと王様
ファージョン 著 石井 桃子 訳| 岩波少年文庫 | 29.07.99 読了
ネットでお勧めだったので購入 短編集
空に浮かぶお月様が欲しいと泣きせがんだことから大騒ぎを起こしてしまった王女様のお話 大きな仕立て屋さんに奉公する本当はその国いちばんの小さな仕立て屋さんのお話 十歳のグリゼルダと百十歳のグリゼルダおばあちゃん仲良く片寄せあいながら生きる二人のお話 などの11のお話
すきな人へ
あなたは、わたしの犬のようにきれいだ。だから、わたしはあなたが好きだ。
カーネギー賞 及び 第一回国際アンデルセン大賞
受賞作
暖かな日の光を浴び 緑の原っぱで寝転がっているような気分になる一冊
とても 楽しい気分になれた

ヴィラ・マグノリアの殺人
若竹 七波 著 | 光文社カッパ・ノベルス | 27.07.99 読了
若竹さんの新刊だったので購入 ミステリー
神奈川県葉崎市(架空の都市)海岸通の脇に 五軒づつ並行に二列に並んで連なる建売住宅がある 窓からは海が一望でき砂浜もすぐ近くに広がる瀟洒な住宅 しかしその住宅に住む人々はある問題に頭を抱えていた 交通の便が大変悪いのだ そうしたハンデを乗り越え気ままに生きている個性的な住民達 ある日彼らの上に1つの事件が持ち上がった 一軒だけある空家で身元不明の死体が発見されたのだ
おまえさん、流されることばっかり上手になってどうすんだい。
ユーモアに溢れ さくさくっと進んでいく展開が心地よかった 中に出てくる街一軒の洒落たレストラン 黄金のスープ亭で出てくる料理の記述も女の人ならでは きちんととてもおいしそうに描かれていた
ところで 文中 心理分析を聞いていた刑事が機嫌を悪くするといった場面がでてきた なんとなくそういうのも分かるかな? と思いながら読んだ

黒き舞踏
泡坂 妻夫 著 | 新潮文庫 | 26.07.99 読了
たまたま書店でみかけて購入 ミステリー
小学校教諭 胡島 奏江は母と二人で東京の郊外 急激に人口の増えた街に住んでいる 彼女の教え子の銛口繁夫はかねてからその土地に住む名家の出であるが彼の妻が次々と他界している その死と彼の家に伝わる浄瑠璃人形は関係あるのだろうか?
あなたといると、気が休まる。でも、なにか、違う
著者の今までの作品とはがらりと異なった作風
といっても今まではどこかに笑いのある作品しか読んだことがなかったけれど
ストーリーはどことなく薄暗いイメージの中進む それは人形が主題になっているからか それとも愛が絡んでいるからなのか
西洋の世界では人形劇としてあやつり人形が主流とされるという 糸を巧みに
操り魂のない人形をいかに人間らしくみせるか それが良しとされる 日本の
場合は人形浄瑠璃 一体の人形を舞台で動かすために三人もの人間が必要 尚且
客席からは黒子の格好をし人形を操る人間の姿が見える 観ている客はその裏方の姿を目
に入れつつも想像力でカバーし劇を堪能する この作品でそんな日本の文化を堪能した

日本語のレッスン
貞奴 著 | 幻冬舎 | 26.07.99 読了
書店で平積みになっていて帯に坂本龍一と内田也哉子が書いていたので購入 日記 ことば
PART2
阿片
何がいちばん良いかなど
誰に分かるものでもなく
誰にでも分かるもので
誰にも分かるものではなく
本当はどこかホテルの部屋
本を読みながら半裸で
つるりと横たわっている
勝手に
何がやさしさなのかなど
誰に分かるものでもなく
誰にでも分かるもので
誰にも分かるものではなく
本当はやさしさが
いちばん必要のないものなのでしょうか
igrek
どうしてアナタは私のような人間を好いて呉れるのですか?
une legend
何でも出来る人になりたかった、
だなんて。
なにもいうまい いえるまい

鯖
貞奴 著 | 情報センター出版局 | 20.07.99 読了
書店で平積みになっていて帯に坂本龍一と内田也哉子が書いていたので購入 日記 ことば
はじめまして
ハジメマシテ
サダヤッコです
剃ってますか?
それではご機嫌よう
やられました 気になる人は ここへ!

深夜特急 香港・マカオ
沢木 耕太郎 著 | 新潮文庫 | 23.07.99 読了
ネットの友人及び学生から勧められ購入 旅行記
26歳のわたしはユーラシア大陸をバスで横断するために日本を旅立った 所持金もあまりもたずこれといった長旅の準備もせず綿密な旅行の計画もなし
ただこれといった理由もなくバスで大陸を横断することを決意した作者の旅 まずは出発地点インド デリーに辿り着くまでの序章 香港マカオでの出来事から
---貧困は僕にとって必ずしも忌むべきものではなかった。 なぜなら、太陽と海とは決して金では買えなかったから。
面白かった
何も持たず歩き回り 自分の感覚を頼りに道を選ぶ
さまざまな人との出会い 口にしたもの耳にしたもの聞いたもの感じたもの 全てが熱のように読み手に押し寄せてくる
わたしも リュック1つを抱え1週間ほど旅行に出たことがあった 行く先など特に決めていなかった その日の気分でぶらぶらと勝手気ままに過ごす時間 (でも地球の旅と現地の旅行ガイドブックは肌身離さず持っていた) 何度も道に迷い 迷ったことにより本来出会うはずのなかった場所を訪れることが出来た そんなことを思い出しながら読んだ

しあわせの書
泡坂 妻夫 著 | 新潮文庫 | 23.07.99 読了
ネットので評判だったので購入 推理小説
戦後急成長した宗教法人 惟霊講会では次期後継者問題に揺れている
そんな折 ヨギ・ガンジーとその弟子達は恐山で口寄せをしている最中に 講会の元信者の失踪を知ることになる 手がかりは講会から出版されている「しあわせの書」 あれよあれよというまに事件に巻き込まれていく三人の運命は
なるほど、出会いですか。肝心なのは
泡坂氏のシリーズものにはアマチュアカメラマン 亜愛一郎と女性マジシャン曾我桂城そしてこのヨギ・ガンジーものが代表的(らしい) その中で読んだことがあるのは亜愛一郎の三部作のみ ヨギ・ガンジーものはこれより前に短編集「ヨギ・ガンジーの妖術」なるものが出版されているようなのだが既に版元新潮社からは出版されていない
ことばの1つ1つを巧みに使い読者の期待を十分に膨らませ最後にすっすっとした種明かしと思わず うっと唸らされる小技が用意されている 泡坂氏の特徴が遺憾な発揮されている作品

始まりはギフトショップ
シャーロット・アームストロング著 藤村 裕美訳| 創元推理文庫 | 20.07.99 読了
ネットの友人に勧められ購入 冒険小説
ロサンジェルス空港のギフトショップで働くジーン・カリフはある日奇妙な客に出会
う 電話ボックスの場所を聞いたその客は後に空港内で意識不明で倒れ込帰らぬ人と
なった 彼が最後に電話をかけ助けを求めたのは資産家の友人ポール・ロスチャイル
ド 彼ははこの事件を解決すべくジーンと伴に世界を駆け巡ることに キーワードは
そう 豚!
実際---悪いことというのは、悪いようにしかな
らないのではないか?死よりも悪い運命があると考える人もいるかもしれない。だが
、そんなものはありえない。
豚を巡る大冒険!!!
恋 スリル 家族愛ありの小説 それぞれのキャラクターがしっかりと巧みに自分の役割を果たしている 瞬く間に読
み終えた お金や権力で全てが解決できるわけではないけれどそれらが原因でおこるトラブルは
つきものなのね・・・ アイルランドの美しい緑が描かれた章を読んでいて旅行熱に火がついた

化身
愛川 晶 著 | 幻冬舎文庫 | 19.07.99 読了
帯に惹かれて購入 長編推理
大学の文学部に籍をおく人見操は姉を一才の時に海難事故で母を15歳の時癌で父を18
サイトの時に事故で亡くし仙台から上京して独り暮らしをしている 彼女の元にある
日一通の封書が届いた 中身はどこかの建物と
外国の風景画を写した写真が二枚だ け入っていた それを見た操はひどく衝撃を受けた なぜだかわからないがどこかで
見たことがあるような気がしたからだ
それでいい。終わるだけで、もう充分だ。
正統派の作品
作者はこの作品でデビュー及び鮎川哲也賞を受賞
丹念に段階を踏んで組みたてられているトリック 最後の事件解決に至るまでこれぞ
謎解きといった感じ
自分と両親との絆が描かれている

長い長い殺人
宮部 みゆき 著 | 光文社文庫 | 16.07.99 読了
確か話題の小説が文庫化だったので購入 推理小説
わたしの主は部長刑事 いつも上着の内ポケットに警察手帳と一緒に入れてもらって
いる わたし?わたしは彼と七年の付き合いがある財布
この他にも 強請りや 少年 探偵 事件の目撃者などの合計10個の財布によって語
られるある殺人事件の真相
難しいのは人を信じることの兼ね合いだ。
財布が見聞き感じたことが独白されている
独特の視点からお金・恋・独占欲などによって変ってしまった持ち主の生き方が書か
れている
計算されたシナリオ 誰にでも読める作品

ホテル・アイリス
小川 洋子 著 | 幻冬舎文庫 | 16.07.99
なんとなく購入 小説
百年前祖父の父親が下宿屋を改装して出来たホテル・アイリス 高級でなく地の利が
良いわけでもないホテルには毎朝わたしの髪を椿油で整えぴっちりとまとめあげ自由
を奪う母とその古くからの友人であるおばさんとわたしの三人がいる わたしは高校
を途中で辞めホテルの手伝いをしている その単調な日々に ある日独りの老いたロ
シア語翻訳家が現れた
私たちはいつだって二人きりです。他に必要なものなど何もない。
独特の世界
音楽や音に関する記述がみられるにも関らずコトリとも音のしない一夏の出来事が描
かれている
義務を全うし 寂しさを埋め合わせるために快楽を貪る そんな少女と老人の物語

少女達がいた街
柴田 よしき 著|角川文庫 | 16・07・99 読了
職場の人のお勧めだったので久々に柴田さんの本を購入 長編推理小説
最初の舞台は1975年 rockを愛する少女ノンノは学校が終わると渋谷の街にあるロック喫茶に通いつめていた そこで親友でバンドを組んでいるチアキと他愛のないでも大切な話をしロックを聴き17歳の時を過ごしていた ある日彼女達は人気アマチュアバンドのグルーピーの少女と出会う 彼女ナッキーはノンノととても似た外見をしていた 瞬く間に親交を深めたノンノとナッキーだが性質はまったく異なっていた 未来のないノンノと未来しかないナッキー
「そう・・・・・・誰も本当は信じてやいないのに、それでも信じたいと思う。明日は来る、きっと来る。あさっても、来週も、来年も、きっときっと来る」
最初はこの登場人物のネーミングに躊躇する
けれど 名前からも設定からも当時の時の流れがよく出ている
これまで柴田さんの作品を読んで女性らしい切り口だなと思うことはなかったのだがこの作品は違った いつもは女性に対する視点がかなり客観的で今ひとつなのだが今回は少しだけ身近に感じることが出来たからかもしれない

迷宮
清水 義範 著| 集英社 | 15・07・99 読了
ネットのお勧めだったので購入 長編小説
「わたし」には記憶がない
そして精神のねじくれを取るために実験的治療をうけることになった 与えられた文章を読むのだ 文章の中身はストーカーにより殺害され遺体の一部を切り取られたOLの事件に関してでその形態は週刊誌報道 取材記録 供述調書 モデル小説と多岐に渡る 「わたし」は一体何のためにそんな文章を読まされるのか?「わたし」は一体だれなのか?
「あなただけじゃない。みんなそうなんだ。(中略)だけど、言葉にはならないこともあるんですよ。それを無理にどれかの言葉にあてはめていくのは、わかったような気になって安心したいからなんだ。嘘の説明をつけて、そのことを終わりにしようとしているだけなんだ」(中略)
「君は事実を見ないようにしているんだ。ことばで説明するってことは、事実を正当に理解しなければできないことで、そのためにはいやなことでも直視しなきゃいけない。それがこわくて、きみは逃げているんだ。」
清水さんの本を読むのは何度目だろう?多分大学入試用に赤本を解いていたときに何度か読んだ記憶があるような・・・
読んでいるうちに錯覚を起こしそうになる 情報が溢れる現代にあってわたしたちが知りえるものとは何か そもそも知るってなんだ?

BATTLE ROYAL
高見 広春 著| 大田出版 | 15・07・99 読了
ネットで評判だったので購入 長編小説
大東亜共和国という島国の軍事国家では毎年防衛上の必要のため全国の中学校から任意に選んだ三年生の50クラスを対象に戦闘実験シュミレーションを行っている 内容は閉ざされた空間で各クラス内の生徒同士が互いに戦い 最後の一人が生き残るまでの時間などを調べるものだ 今回バスで修学旅行に向香川県の中学生たちが50クラス中の1つとして選ばれた
”必要なときにはゆっくりしてればいいさ。しかし、必要なときには神経を張りつめてろ。要は、その判断を見誤るなってことだ”
一日で読み終わろうとしたが無理だった
極限の状態で行われるゼロサム 今まで一緒に仲良くやってきた級友たちとの戦い それぞれの決意 心理 生への執着
こわい本だった
この本は某ミステリー小説賞に応募したものの一次すら通らず 次に某社ホラー大賞に応募したのだが その時もあまりの内容に最終選考で落選 しかし作品の衝撃度と破壊力が口コミで広がり それを聞きつけた太田出版がクイックジャパンで作者に呼びかけ今回の出版となった

イノセントワールド
桜井 亜美 著| 幻冬舎文庫 | 14・07・99 読了
「Love Songs」で桜井さんの作品が気に入ったので購入 中篇小説
知的障害をもつ兄 両親が彼との関係に気づいたために引き離されたきょうだい 彼に会うためにクラスメイトの何人かと始めた「テレファックス」 ---テレフォンしてファックする
大切なものが欠けた家に生まれた不完全なわたし
すべての偶然は必然だ。
なぜなら世界は帰納法的に、矛盾と過ちに満ちた偶然を解析するがために存在しているのだから。
舞台の設定を書き連ねると 生々しく聞こえるかもしれないが一人称つまり主人公アミの目線でクールに語られている 外に向かって自分のことをわかってという信号を発信するのではなく 世界がわたしのことを分かってくれなくてもいいと思う強さが描かれていた
これがデビュー作

学校の青空
角田 光代 著|
河出文庫文藝collection | 14・07・99 読了
Young Adult Fairにつき購入 短編集
おじいちゃんが死んでから一人で散歩にでかけるようになったおばあちゃん 和則とわたしと一緒の小学校に通い中学に進学してから自殺したハルオ
私はどこから逃げてどこへ行こうとしているのか、もう一度ゆっくりと自分に問い、答えが出そうにないのを確認してゆっくりと振り返り、元来た道を歩き始めた。
極々ありふれた退屈でいつもと変わりない風景の中で
自分たちに課せられた限界をある程度越えようと努力する少女たち
飾りすぎず かといってカッコが良いわけではない
本当に身近で存在感あふれる登場人物がさらりと書かれている
J文学なんだな これがと思える作品

悪霊だってヘイキ!
小野 不由美 著| 講談社X文庫 | 13・07・99 読了
先月のシリーズ期にあわせて購入 中篇ホラー
今回の舞台は前回の能登の帰り道 道に迷った彼らはある場所に辿り着いた その場所を見たとたんナルは他の者に即刻帰れといい また事務所も閉鎖すると言い出した この言動の裏には何があるのか? SPRの所長ナルの秘密が解き明かされる 今回がこのシリーズ最終作
誰かに片思いして、ふりむいてくれない悔し紛れに「あたしだってあんたのことなんて嫌い」っていうのってすごーくいじましくてカッコ悪い。両思いでないと、相手への好意を認められないなんて、かえってものほしげでダサイ
お昼休みに上巻を読み下巻を帰宅してから読む 普段は夜にホラーを読むなんてこと滅多としないのだけれど酔っ払った勢いで ついやってしまう
やっぱり下巻できた いつもの小野さんの手口 起承転結の結の部分が鮮やか ここまで伏線を引いていたのかと読み取れなかったわたしはちょっと悔しい思いをした 面白かった
このシリーズを読んでいて思ったことは人間の生に対する思いの強さ 負の力の強さについて 例えば「怒り」はプラスのエネルギーだとわたしは思う でも「うらみ」はマイナスのもの 膨大な力を持つ点で似ているけれど絶対に違う二つの感情・・・
無意識の間にさまざまなことをコントロールしているわたしたち 生きている 生かされているってすごいことだね

Love Songs
唯川 恵・山本 文緒他 著| 幻冬舎文庫 | 12・07・99 読了
帯に惹かれ購入 作家連作短編集
松任谷由美「消息」Puffy「これが私の生きる道」RCサクセション「エンジェル」華原朋美「I'm
proud」等作家各々のお気に入りの曲をイメージした作品が8本
「神様が人間にくれた最大のプレゼントは、忘れることだって言ったよね」
「違うの?」
「逆じゃないかな。忘れられないことさ。だって忘れられない何かがあるって、忘れてしまいたい何かがあるより、価値があるはずだろう」
今をときめく人気女流作家が一同にかいして〜なんて陳腐な台詞もどこへやら
それぞれの持ち味がよく出ていてうまく出来た短編集 せつないはなし つよいはなし 恋しなきゃやっぱりってはなし どれもとってもおんなしている

水無月の墓
小池 真理子 著| 新潮文庫 | 11・07・99 読了
新潮文庫でおもしろそうだったので購入 短編集
夫と離婚し東京で仕事をしながら疲れたときに羽を休めにいく妹夫婦の家 いつものように彼らの家に上がり帰りを待ちわびているわたしの頭にふと とうの昔に亡くなった叔母の思い出がよみがえった
仕方ないね。諦めるのも癪だけど、世の中には諦めなくちゃいけないことが、たくさんあるんだからさ。
以前小池さんの作品を読んだ時は文体になじむことができず途中で止めた覚えがある だから今回は短編に挑戦してみることにした 改めて読むと彼女の文体の美しさに驚いた 一枚の薄い膜を通した世界と艶かしい”せい”がうまく調和している
読みかけで止めていた本にもう一度挑戦してもよい時期になったような気がした

悪霊とよばないで
小野 不由美 著| 講談社X文庫 | 08・07・99 読了
先月のシリーズ期にあわせて購入 中篇ホラー
今回の舞台は能登 日本海を望む岬の上にたつ会員制料亭
代替わりのたびに多くの死者を出す一族 そして命を落とした者は一族の者だけではないという 使用人 店の利用客 御払いに来た霊能者 今回の敵は手強いかも!?
胸の中に辛い悲しいものがぎっしり詰まっていて、呑みこむことも吐き出すこともできなかった。この苦しいものが喉に詰まって、きっと窒息してしまうんだと思った。
これまたお昼に読んだ
海は好きだけどこういう本を読むとちょっとだけ怖くなる
あらゆる意味で大きすぎるからかな・・・

悪霊になりたくない!
小野 不由美 著| 講談社X文庫 | 07・07・99 読了
先月のシリーズ期にあわせて購入 中篇ホラー
依頼人と思いきやなんと所長のナルの師匠がやってきた 彼女の願いで今回は(も)派手な事件を扱う羽目になった渋谷サイキック・リサーチ いつものメンバーを含め長野県諏訪の洋館(幽霊屋敷)に集められた有名な霊能者たちの運命はいかに
「人間、あきらめちゃおしまいだからね。」
「うん。あたし、負けない」
夜に怖い本は読んじゃいけない
この教訓はわたしが大学生のとき スティーブン・キングの短編集を読んで以来ほとんど破られたことのないものだ だからこの本も昼間に読んだ
読後 やっぱりお天道さまの下で読んで良かったと思った

群青の夜の羽布団
山本 文緒 著| 幻冬社文庫 | 06・07・99 読了
山本さんの本が久々に読みたかったので購入 長編小説
家族って一体なんなんでそうね? たまたま血が繋がっているだけで、どうしていっしょに暮らしているんでしょう
駅から20分 急な坂道を登った丘の上に立つ一軒の家 そこにすむ母娘三人家族 体調不良のため大学を中退して今は家事手伝いの身分長女 さとる 高校卒業後すぐに事務員として働きはじめた次女 みつる 小学校と予備校で教壇に立つ厳格な母 そんな家族の話し
人は案外「叱られる」ことに弱い。優しさは常に曖昧さを伴い、曖昧さは不安をはらんでいる。
こういう文章はきっとこの人にしか書けないのだろうと思う
本当に何気ない日常で繰り広げられる物語 女たちの抱える不安 せつなさ
なぜここにわたしが描かれているの?と思いながら読んだ 最新作で評判の良い「恋愛中毒」(吉川英治文学新人賞受賞作)を読もう読もうと思いつつ・・・今月中に読むことを目標にしようっと!

猫語の教科書
ポール・ギャリコ 著 灰島かり 訳| ちくま文庫 刊 | 05・07・99 読了
宣伝に惹かれ購入 中篇ファンタジー?
ある日編集者が朝ご飯を食べていると玄関にぶあついタイプ原稿が届けられた 差出人不明のその原稿の中身は記号と文字の入り混じった文章だった 困った編集者はすぐに作家であるわたしの元にその原稿を持ってきた 暗号解読に成功したわたしだが果たしてその文章は子猫 のら猫 捨て猫たちに覚えて欲しいことが記されていたのだった そしてこの暗号文の作者はなんと猫だった
愛は本能とは違います。 猫は本能で結婚相手を探しに出かけますが、愛はこれと別のもの。何かまったく違ったもので、自分で感じたときにそれとわかるとしか説明のしようがないのです。
ポール・ギャリコの本は有名な「雪のひとひら」を読みかけたことがあるくらい
猫ずきにはきっとたまらない一冊 けれどそうでなくとも家族円満にやる秘訣とか人間の生活を客観的に垣間見れる(多少猫の偏見もあるが)ので面白く読めると思う
猫は子供の頃に灰色の毛並みで青い目のすてきにかわいらしいのを飼ったことがあるくらい この本を読んで飼いたくなったけれど実際には飼えないし飼わない そういう気持ちになれただけでもこの本を読んで良かったと思った

深呼吸の必要
長田 弘 著| 晶文社 | 04・07・99 読了
ヤングアダルトフェアで題名に惹かれ購入 詩集
日常 日々を暮らす中ででふと忘れていたもの
何気なく見ていたものが彼の言葉により新たな息吹を感じるようになる 子供から大人になったときのこと 子供の頃に遊んだ原っぱ 歩くこと など そんなモチーフの作品が収められている
なに、もともと物それ自体には醜いも好いもないよ。大切なのは、醜とか好とかにとりこにならないことさ。物を率直にみることだ。
詩集というよりはエッセイに近いような文章
子供のころのこと もっと世界を素直に見ていたころの心を思い出す
いつから大人になったかなんてわたしも分からないけれど (いや 世間一般の見方はさておき 果たして自分が大人であるかどうかすら今をもって分からないが) 自分が年を取ったという事実だけは沁みてくる だからといって守りに入るのではなく だからこそやれること感じることの出来ることは多いと思う 何歳になっても生きるのは面白いね

夢見るごもくごはん
中島らも事務所 編| 双葉社 | 04・07・99 読了
表紙と題に惹かれ購入 エッセイ集
わかぎえふのエッセイがメインで一編にそれぞれひうちみさおの四コマ漫画それに中島らもかチチ松村のエッセイが付いている 恋の話し 姿の話し 心の話しなどがかかれている
恋のために、何も犠牲にしない方がイイと思います。犠牲にするということは、恋とそのもう一方を比べているということです。
オリーブという少女向け雑誌に連載されていた「うめぼし新聞」を改題・再編成したものがこの本 中島さん系列の本を読むのは久々だったが関西人味溢れるエッセイはやっぱり面白かった 所々にちりばめられている80年代の話しを懐かしんだり ボウイが好きだなえふさんの感性にシンクロしたりと楽しめる本

佐藤君と柴田君
佐藤良昭 柴田元幸著| 新潮文庫 | 01・07・99 読了
柴田先生のエッセイなので購入 共著のエッセイ集
それぞれのライフスタイルから始まり東大で始めた新しい英語教育 60年代の世界
音楽 ことば 今 そんなものたちがときに面白くときに真面目にさりげなく語られている
情的現実に対して分析的知性はどう構えたらいいのか。主観というものをどのように
客観に見つめることができるのか。---こういう問いに踏み上がっていくことは、問
題を抽象論に拡散させることとは違う。
偶然本屋でこの本をみかけ買うことにした 翻訳家として名高い柴田先生の
本を読むのはいっぱしに語学で独り立ちしようとしていたわたしにとってなにかの縁
だろうと思ったからだ お二人とも東京大学で教鞭をとる傍ら翻訳をされているわけだが
このような先生から知識を吸収することが出来る学生は幸せだなと思う 学長があの
蓮見重彦にしてユニークな教授陣 活気があっていいね やっぱり
面白い本 お薦めの本がありましたらメールまたは掲示板にて
教えていただければ 幸いです
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