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■22.12『詩的私的ジャック』読了 ■ 21.12『詩的私的ジャック』開始 森博嗣 講談社文庫 [推理小説] 犀川は非常勤講師としてS女子大の講義を受け持つことになっていた 授業初日 登校した犀川は二日前にキャンパスで T女子大の学生が殺されたことを知る 相手の思考を楽観的に期待している状況・・・・・、 これを、甘えている、というんだ。 いいかい、気持ちなんて伝わらない。 伝えたいものは、言葉で言いなさい。 それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない。 焦点はHowよりWhyなのだけれど 読み終わってみると事件の起こった理由よりも 主役や準主役の関係や思考の変化の方が 面白かった ■21.12『スイート・リトル・ベイビー』開始読了 牧野修 角川ホラー文庫 [ホラー小説] なぜ人は子供を 最も弱い立場にあり 何の抵抗も出来ない幼児を虐待しなければならないのか 幼児虐待ホットラインに十年近く勤める丸山秋生の元に 七年前息子を虐待していることを悩んでいた母親 斉藤則子から再び電話がかかってきた 人間関係に完璧なやりかたがあるかしら。 そんなことはどだい無理な話なのよ。 どこかが曖昧でだらしなくしておくこと、 それが一番大切なの。(中略) すべてがきちんきちんと解決がつくわけがないの。 だからその結果に対して一つ一つ折り合いをつけていかなきゃならない。 肉体の細かく生々しい描写 ことばの繰り返しによって どくどくと音を立てて読者の頭の中に作者の世界を浮かび上がらせている 虐げられている子供たちの声を抑えることによって その痛々しさを際だてようとしているのだけれど 生々しさのみが強調され全体のバランスがとれていない気がした ■21.12『笑わない数学者』読了 ■20.12『笑わない数学者』開始 森博嗣 講談社文庫 [推理小説] 12月25日の夜 国立N大工学部建築学科の犀川助教授と 学部二年生の西之園萌絵は偉大な数学者天王寺博士の家で 開かれるクリスマスパーティに招待されていた あらゆる課題は、現実と理想、 あるいは事実と理論の間のギャップにある。 それを自覚することだ。 トリックや舞台の設定などは建築が絡んでいるだけ 一番とっつきやすかったし面白かった 理系文系ということで人をもし分けるとするならば わたしは恐らく文系の人間で これまで「数学」について深く考えたことはなかったけれど こういう本を読むともう一度やってみようか などと好奇心を喚起させられたりする それほど面白かった 作品の 大きな大きな とても大きなシャボン玉を膨らましていたつもりだったのに いつの間にか自分がシャボン玉の中に入り込んでいた感じに とても惹かれている ■20.12『てのひら童話』 読了 おーなり由子 角川書店 [絵+ことば] 帯を吉本ばななが書いていたから購入 ずっとまえ わたしがてんとうむしだったとき はなびらの むけていく おと きこえたよ このシリーズは第三集まででていて これは一集め ちょっとわたしには甘すぎるのもあるけれど それでもこの前読んだ三作目よりも好きな作品に出会えた 作品は季節ごとに分けられている 読んでいるとそれぞれの季節の空気がすーっと漂い出てきたりして ■20.12『盤上の敵』読了 ■19.12『盤上の敵』開始 北村薫 講談社[推理小説] 人間は、心を与えられて、 その感情次第で、人を傷つけたりする。 粗筋を書こうとしたのだが ネタをばらさないように いや この作品を存分に楽しんでもらうには 予備知識のない方が良いだろうと判断して今回は書かないことにした 手抜き じゃない・・・はず ■ 19.12『最後の戦い ゲド戦記3』読了 ■18.12『さいはての島へ ゲド戦記3』開始 ル=グウイン 清水真砂子訳 岩波書店 [児童文学] 大賢者ゲドの元に一人の少年がはるばる海を越えてやってきた エンラッドとエンレイド諸島を治める者の息子アレンは異国で次々と 起こる異変について知らせにきたのだ 知性があるなら、あるように行動しなければ。 選択が許されているなら、それなりの責任を持って行動しなければ。 ほめたり、罰したり、そりゃ、このわしにその力がないわけではないが、 しかし、そんなことをして人間の運命をいじりまわすなんて、 このわしがいったい何者だと言うんだね。 この巻で重要なキーワードになる歌 歌は 語り残すべきものを伝える方法で 人々に勇気や安らぎを与えるもので 忘れていたなにかを思い出させてくれるものだったんだと 先日自宅でパーティーをしたときに 知人のドイツ人が 歌ってくれた歌を聴きながら感じた ■19.12『わが心のクリスマス』読了 ■16.12『わが心のクリスマス』開始 パール・バック 磯村愛子訳 女子パウロ会 [短編小説集] 子供のため 孫のために書いたクリスマス物語や 大人向きに書いたクリスマスの喜びの物語 また、その精神が欠けているのは、 感情的に過去にとらわれ、 未来が、はかなく、たよりなげなものに思えるからだ。 今日、人間は生活に深く根を下ろさず、 また、下ろそうともしていないが、それは、 今日のことさえわかっていないのに、 明日が目の前に迫りすぎているからである。 『大地』でノーベル賞を受賞したパール・バックによる短編集 家族の暖かさにおもわずほろりときた ■16.12『失われた腕輪 ゲド戦記2』開始読了 ル=グウイン 清水真砂子訳 岩波書店 [児童文学] アチュアンの墓所の大巫女は永遠に生まれ変わる巫女として 名前を持たず行事を司る者として君臨していた しかし神官を兼ね大王が島全部を治めるようになってから 次第に人々の大巫女への関心は薄れていった 彼女が今知り始めていたのは、自由の重さだった。 自由は、それを担おうとする者にとって、 実に重い荷物である。 勝手のわからない大きな荷物である。 それは、決して気楽なものではない。 自由は与えられるものではなくて、選択すべきものであり、 しかもその選択は、かならずしも容易なものではないのだ。 前半 ものがたりにこれといって起伏もなかったので 少し時間がかかったが後半はぐぐっときた 面白かった 今回わたしが読んでいるのは大人向けに訳し直されたものなのだが この内容は子供の時に読んでいても ほとんど全く分かっていなかっただろうと思う 今出会えて良かった本の一冊 ■16.12『プレゼントをあげる』読了 吉野朔美 大和書房 [絵本] ある雪の激しく降る日に小包が届けられた ふと宛名を見てみたら これはわたし宛のものじゃない! あ・・・でももう業者さんは帰ってしまったし 幸福の記憶が人を泣かせる。 痛みが人をうつむかせる。 純粋な悲しみを 受け止めるしかない残酷を 私は羨ましいと思う。 ことば じゃなくて 感覚 ■16.12『遺品』読了 ■15.12『遺品』開始 若竹七海 角川ホラー文庫 [ホラー小説] 夢をもって勤めていた美術館が閉館となり つきあっていた男性とも決定的破局を迎え 最低の精神状態だったわたしに大学時代の先輩が就職を世話してくれた それは かつて学生の間でカルト的人気を誇った女優であり作家でもあった 曾根繭子の資料室を作るのでそれを手伝うというものだ これまでどれほどの<裏話>が、 こうして闇に葬られていったのだろう。 ついに明かされることのなかった真実がどれほど存在し、 どんな<真実>が生き残ってきたのだろう。 若竹さんのホラーを読むのは初めてだったので どの程度怖いのか想像がつかず かなりドキドキしながら読んだのだが結構きた 結末の後味の悪さはいつもの作品にも増してすごかった ■13.12『空飛ぶ豚』 開始読了 荻野アンナ 共同通信社 [写真+文章] 彼女の元に集まった豚を巡るストーリー 生きるべきか死ぬべきか。死んだら豚はハムになる 『背負い水』の荻野アンナさんが豚を集めていると知ったのは 新聞の紙面上でかなり以前のこと 当時 豚にそんなに興味をもっていなかったわたしは あのアンナさんがね〜そうなのか という程度の感想しかもっていなかった そんなわたしも今じゃ豚コレ仲間となったわけだけれど この本はしかし豚好きじゃなくても ウィットに満ちてて楽しめる一冊 ■14.12『影との戦い ゲド戦記1』読了 ■11.12『影との戦い ゲド戦記1』開始 ル=グウイン 清水真砂子訳 岩波書店 [児童文学] 数多くの魔法使いを生み出した地として有名な東北の島 ゴント島 魔法使いの中でも他の追随を許さない者「ハイタカ」もこの島で生まれた これは彼がまだその名を世界に広める前 歌にもうたわれなかった頃の物語 人は自分の行きつくところをできるものなら知りたいと思う。 だが、一度は振り返り、向きなおって、源までさかのぼり、 そこを自分の中にとりこまなくては、人は自分のいきつくところを 知ることはできんのじゃ。 最初は主人公の若さにひるみ あまり読み進まなかった そして展開部で 彼の過ちに対してどのような出来事が起こるのかと 興味が湧いてからはあっという間に読めた 今更ながらにゲド戦記を?と思う方もいはるでしょうが 実は子供の頃から岩波の少年少女物はあまり読んでこなかった 文庫ものはドリトル先生やチーポリーノの冒険等 結構読んだのだが ハードになるとからっきり だからランサムのものも 『ライオンと魔女』を半分も読んでない位 何を読んでいたかというと昔話・民話やアンデルセンにコナン・ドイル 寺村輝男さんの王様シリーズ クレヨン王国も 高千穂さんの『クラッシャージョーシリーズ』にはまったかと思えば 11歳でメルビルの『白鯨』に挑戦してみたり ともかく このころは好きな本は 繰り返して読んでいた ■11.12『「きよしこの夜」が生まれた日』読了 ポール・ギャリコ 著 矢川 澄子訳 | 大和書房 ギャリコの作品だったので購入 短編小説 オーストリアのザルツブルグに近い小さな町にある聖ニコラ教会 クリスマスイブの日に教会のオルガンの革製ふいごがねずみに食われ 音が出なくなってしまいました 困ったオルガン奏者のグルーバーと 教会の若い司祭モールはある打開策を生み出した えらんだんじゃない、えらばれたんだよ 私自身 作者不明として記憶していた 「きよしこの夜」を巡る話なのだけれど ともかくこの曲を生み出した作曲家作詞家が 淡々としていて純朴で だからこんな奇跡が起きたのかもしれないね ■11.12『がらすの月』読了 野中 美峰 | 書肆とい 面白そうだったので購入 詩集 蜘蛛 あなたは何時も 小さな自分のグループの中でしか お話ししないでしょう クラスの皆と 仲良く出来るようでなければ いけません おともだちは何人いますか と中学生の私に 家庭訪問でやって来られた先生は 聞かれました その時から私は ともだちを 手持ちのカードのようにして 一枚いちまい 数える癖がつきました 人は一人ひとりが どきどきする程美しくリアルな作品で それぞれの個性が ビーズよりも堅く光って その一枚いちまいを縁どっているから 私の無防備な指先は 傷ついて 血を幾筋も流しました ですから私は 自らの腹の中より 粘り着く銀の糸を紡ぎ出しては カードを絡め取ることを覚えたのです おともだちは何人いますか 糸の先で頼りなく震えるカードの 一枚いちまいは 私との均等な距離を保ちながら 幾何学的な模様を織り成していきます 窓や花びらのように見える 不思議と明るい一つひとつの空間が 重なり合って出来た私の曼陀羅 けれども 中心に居る私は もう 身動きがとれないのです 先生 病んでいるのは私ですか それとも これは初期の作品 ’73年に日本で生まれアメリカで教育を受けている作者のこころから 紬だされることば ■10.12『蜂工場』 読了 イアン・バンクス 野村芳夫訳 |集英社文庫 インターネットのお薦めで購入 中編小説 17年前ヒッピーでアナーキストだった親父は 産まれたおれの出生届を出さなかった だから今もおれの戸籍はなく生きて 存在していることを示すものは何も存在しない そんなおれはスコットランドの小さな島で父と二人で暮らしているのだが ある日家に警官がやってきた 精神病院に入院している兄貴エリックが脱走したというのだ 死は常に刺激的で、自分は生きているのだという実感と、 どれほど幸福であろうと 人の一生がいかにはかないかを教えてくれる。 高校生だった頃に読んだ夏目漱石の書の影響か 夜ふと目が覚めたときや なにか不安を覚えたときに 右手を心臓の上に置き とくとくいう 鼓動を確かめていたことがあった 主人公が”生”を確認するには このような儀式を行うしかなかったのだろう ■10.12『東京大學殺人事件』読了 ■08.12『東京大學殺人事件』開始 佐藤亜有子 | 河出書房新社 なんとなく購入 桂木探偵事務所の探偵桂木は26歳で 男も魅惑するほど美しい顔立ちをしている ある日彼のパトロンの夫人から依頼がよこされた 一ヶ月前に大学構内で自殺した医学部牧野教授の事件に関連し 彼女の元に何故か脅迫文が届いたのだ その事件を解決すべく桂木とその助手長津が動きだした 愛の対象を他者に分け与えることには、 奇妙に純粋かつ複雑な喜びがある 思いの外時間がかかった 読み終わったときに思ったことは 帯のフォーカス、週間女性、共同通信、DIRECT TV等発売前から取材殺到 という文字を見たときに勘付くべきだったのだということ 流れが唐突に切れたり 背景が見えなかったり でも最後はどうにかなるんじゃないかと信じ読み続けたが 駄目だった すごく偏った世界だった 本を読んでこんなこと思うのはすごく久々だけど こんな作品を世に出していいのだろうか? ■07.12『月神の統べる森で』読了 たつみや章 | 講談社 『ぼくの・稲荷山戦記』が面白かったので購入 児童文学 連作長編の第一作だそうです はるか太古の昔のはなし 山も川も鳥も魚も心をもっていたころのこと ある時 海から大きな船に乗ってヒメカの民がやってきた 彼らはイネを植える一方山や川で乱雑な猟を行い クニを作り 前から住んでいた人たちに敵意を抱いていた ものごとにはすべて理由がある 縄文から弥生への移行を描き出す作品 子供の頃は愛読していた本や見ていた テレビ番組(例えば日本昔話など) そして一緒に暮らしていた祖父祖母からの影響もあり 毎朝夕お地蔵様に挨拶に行ったり等 自然に対する信仰は多少なりともあった 小学校からはカトリック系の学校に通い始めたこともあり 信仰の対象はもっと具体的なものになった 今はどうかと 昔のように純粋な気持ちではなく どことなく冷めた大人の視線で そういう物事を捉えているような気がする なんとなく思う こんなはずじゃなかったのに ■ 06.12『水の伝説』読了 たつみや章 | 講談社 第43回産経児童出版文化賞JR賞 児童文学 シリーズと帯にかいてあったので購入 小学六年生のぼくは斉藤光太郎 まえいた東京の学校ではうまくやれなかったから白水村っていう 山奥の小さな村に山村留学しているんだ 村の人はとても感じが良かったし友達も出来た でもある日神社で不思議なものを拾ってからというものは する気がなくておこるのが過ち。 そして過ちにも結果はある。 それだけのこと。 今までの作品では加害者=大企業 権力であったが 今回はもっと大きなもの つまり人間そのものが 自然を脅かしていることが主題 ■06.12『夜の神話』読了 たつみや章 | 講談社 シリーズと帯にかいてあったので購入 児童文学 なんでもあって便利だった都会から いかにも「村」って感じの田舎に 引っ越してきたぼく なんだか何もかもが気に入らなくて ふてくされていたのだけれど 一学期の最後の日 鎮守の森で不思議なお兄さんに出会った 忘却は時があたえる慈悲だといった人間もいるぞ 前作に比べるとちょっとファンタジー色が強い 主人公の対面する問題が深刻なものだけに 夢の部分が浮いているのかもしれない ■05.12『ぼくの・稲荷山戦記』 読了 たつみや章 | 講談社 第32回講談社児童文学新人賞受賞作 書評をみて購入 児童文学 今のように茶店を開くずっと前から 先祖代々裏山の稲荷神社を守ってきた僕の家 とうさんはマグロ漁船に乗って遠い海へかあさんはずっと前に亡くなった だから今ぼくはおばあちゃんと二人で暮らしているんだけど ある日不思議なお客さんが訪ねてきたんだ 信ずればすべては真、 うたがえば、すべては模糊の混沌におちいる。 なにが現でなにが虚夢か、きめるのはおまえの心ぞ。 クライマックスへのアプローチの上手い作家 例えば大きな展開部分での主人公の興奮を伝える場面など秀逸 ■03.12『沈まぬ太陽5 会長室編下』読了 ■03.12『沈まぬ太陽4 会長室編上』読了 ■03.12『沈まぬ太陽3 御巣鷹山編』読了 ■02.12『沈まぬ太陽2 アフリカ編下』読了 ■02.12『沈まぬ太陽1 アフリカ編上』読了 山崎豊子 |新潮社 インターネットのお薦めで面白そうだったので購入 長編小説 会社が一人の人間をここまで追いつめるとは・・・ 妻と子供二人を日本に残し 社命により カラチ テヘラン ナイロビと盥回しにされた 国民航空社員 恩地 元の二十余年を綴った五冊 利権構造と、人間の物欲は、 真実と正義を埋もれさせてしまうのではないだろうか。 五冊分まとめて 御巣鷹山での事故のことはよく覚えている 最初の記憶は なぜかお風呂場で髪を洗いながら 坂本九が 亡くなりはったんやなと思ったこと 次は続々とマスメディアで公開された 人々の情報 揺れ続ける飛行機の中でしたためられたことば 当時知る由もなかった事故の裏側を ここにきてかいま見た ■01.12『妖鳥ハルピュイア』読了 面白そうだったので購入 長編推理小説 多摩市郊外にある病院聖バード病院には妙な噂がある それは患者が死ぬ夜には決まって 黒くて大きな翼がある死に神が現れるというものだ その病院で次々に奇怪な事件が起きた 弘法大師様は、『請来目録』のなかで、 真如は色を絶すけれども色をもってすなわち悟る、 そうおっしゃっています。真如というのは真理のことなんですってね。 真理は色を絶したものであるけれど、 色をもって悟ることができる。 細かい伏線に魅せられ ---女は天使なのか悪魔なのか?という問いかけを見て ページをめくる手を止めた ■30.11『ねこのてからのおくりもの』読了 大野 隆司 著 | 新潮社| 書店で見つけて面白そうだったので購入 作者の版画と文章が併せて楽しめる本 まわりにあわせてばかりいると じぶんがなくなってしまうよ ほのぼのとしているかと思うと うっ!スパイスが利いたりして ■30.11『夕潮』読了 日影 丈吉 著 | 創元社推理文庫 | 書店で見つけて面白そうだったので購入 長編小説 わたし 未知は在学中に親同士古くからのつきあいがあり 子供の頃から良く知っていた春辞と結婚した 結婚後すぐに外務省に勤めていた春辞は アフリカの小さな独立国へ赴任し その二年後帰国した 夫となんのはずみもなく ずるずると夫婦生活を続けていたのだが 思いがけず二人で一ヶ月旅行が出来ることになった 行き先は伊豆の島 何に対する義務かは知らないが、人間はよくわけのわからないことに 支配されて、安堵しているものである。 比喩の上手い作家 独特の世界観を作り上げている 夕やみで次第に輪郭を失っていくもの 潮の中で妖しく映える ■28.11『てのひら童話』読了 おーなり 由子 著 | 角川書店 | 帯に惹かれて購入 童話というか漫画というか劇画というか シリーズ第三作 うまく要約できないので筆者のあとがきより〜 一瞬は一度きりで、風景もそのつど湯気のようにふぁーんと ひろがったり、雫のようにポチッと透明になったり、 一度きりの形に姿を変えます。 心の通りに。 「サヨナラ サヨナラ」 一瞬一瞬にさよならをするから、世界はこんなにもひかったり ゆられたり色づいたりするのかもしれません。〜 こんな作者の思いが描かれている作品集 傷つくのはねぇ 傷つく方も悪いねん 傷つけようと思って傷つける人なんて あまりおらんと思うもん 人の心をすっと惹きつけるものがある作家だと思う 暖かいだけじゃなくて 甘すぎるわけでもなく やさしい バランスが良いということなのかもしれない ■28.11『幻獣遁走曲』読了 倉知 淳 著 | 東京創元社 | 猫丸先輩シリーズ第二段ということで購入 短編推理小説集 晴天の冬空の下 毎年二月五日に幕張臨海野外特設会場で開催されている 「日本良い猫コンテスト」 今年も主催者側の東京フレッシュペットはVIPや審査員のお世話から 会場運営まで猫とその飼い主で埋まっている会場内を走り回っていた そんな中一大事件が勃発した 不可能への挑戦、未知への冒険−−−お前さんもまだ若いんだから、 そういう向上心忘れちゃいかんよ すすーっと読めた 短編集だし 謎解きだし 軽快で展開もテンポがよい でも わたしは前の短編連作の方が好き |
PAST ~1999.11 |
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