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■23.02『海神の晩餐』開始読了 若竹 七海 講談社文庫[推理小説] 1932年上海の港で河坂は見知らぬ老人より声をかけられた 彼は自らを二十年前に沈没したタイタニック号に乗っていて 運良く生き残ったものだと名乗り、河坂にタイタニックから流れ出た 原稿を記念にと差し出した 個人的に好きなひと、殺せと言われて殺せる人なかなかいない。 そのままでは戦争にならない。でもよく知らない、悪い性格の人を 殺しにいく者なら、英雄になる。 私がもし戦争を始めようと思ったら、 相手にとって悪いことばかり言い触らします。 知らなければひとはすぐ信じる。 知っていても、百回言われたら本当かと思う。 陰謀に負けないためには、自分の目を、心を、信じること。 世の中のなにごとも、黒と白に塗り分けるできない。 良いものあて、悪いものある。 おかしいと思うこと、たくさんある。そのほとんどに答えなどないのです。 見渡す限り一面の海 長く船で旅をしていると、水面に浮かぶ船がどれほど大きくとも 人間がいかにちっぽけで非力かということを痛感させられる。 そういった自然のスケールの大きさの違いとその中で繰り広げられる 人間ドラマが反響しあっている作品。 ただ 笑うべき場所で笑えなかったのは私が疲れていたからなのだろうか? ■22.02『奇跡の人』読了 ■18.02『奇跡の人』開始 真保 裕一 講談社文庫[長編小説] 八年前自らが引き起こした交通事故で一度は脳死判定をされた にもかかわらず奇跡的に命をとりとめ植物状態は間違いないという 予測もはねのけ一人で歩き話せるようになった奇跡の人相馬克己 事故以前の記憶を全くもたない彼は8年間の病院生活を終え 新たな人生を踏み出そうとしていた 人には、その−−−生き方というものがある。 死に方ではなく、間違いなくそれは、ひとつの生き方なんだと思う。 痛みをこらえて無理をするなんていうのは、一見身体を大切にしない 浅はかな考え方のようにも思えてしまいがちだ。 でもね、その時の生活がかけがえないものであればあるほど、 人はそれを大切にしようと思い、無理を重ねてしまうものだ。 ひとつのことをふっきるまで こんなにも多くの犠牲を払わなければならないのかと 思いながら読んだ。主人公に感情移入できるかどうかで 好みがわかれる小説かもしれない。 ■12.02『ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生』開始読了 上遠野 浩平 角川電撃文庫[中編小説] フォルティッシモとの戦いで肉体に深い傷を負った谷口正樹 心に塞ぎきれない傷を負った高代亨 エンブリオを巡るこの戦いの行く末は果たして 決意や行動にとっての最大の障害とは、実は”馴れ”である。 どんなに切実なことであっても”いつかやる”と思い続けていると、 いつのまにかどうでもよくなってしまうものだ。 今回はそういうキャラが出てきたからなのだろうけれど 全体的にあつい(熱血か?)雰囲気が漂っていた。 この作品の良さは無機質な冷たさだったのにこのまま キャラが走り続けるときつい気がした。 ■10.02『刑事ぶたぶた』読了 ■09.02『刑事ぶたぶた』開始 矢崎 在美 廣済堂出版[短編連作] 刑事課の捜査三係に配属され 所轄の署に初めて足を踏み入れた立川英晃は 主任と組んで事件を担当するように命じられた どきどきしながら先輩が登場するのを待っていたのだが その姿を一目見て驚愕した 言ってみたら、少しだけ心が軽くなったような気もしたけれど、 ---それと同時に、自分のことがものすごくかわいそうだと思った。 心が突然深くなって、見えていた底がなくなってしまった。 ---こんなこと、本気で思うもんじゃない。 絶対に考えたくなかったことなのに---驚きのあまり、涙も乾く。 山崎ぶたぶたシリーズ第二作 こそこそ読んでいたにもかかわらず途中で大笑いしてしまった はた目から見たらきっと変な人だろう 食べ物の話も沢山でてきてどれもひどく美味しそうだったので つられて読んでいる最中はかなりの栄養を摂取した 繊細な感情やものごとの描写は相変わらず上手かった ただ、今回は刑事役ということで用意されていた謎解きの部分が 少し弱かったので そういうものが無くぶたぶたさんが 思い存分活躍したが良いと思った ■09.02『ぶたぶた』開始終了 矢崎 在美廣済堂出版[短編小説] いつも時間通りにやってくるはずのベビーシッターが今朝に限って 来ない。今日は会議があるので早めに出たいのにと 焦っているとドアのチャイムが鳴った。 急いでドアを開けるとそこに小さなピンクのぶたのぬいぐるみが立っていた。 彼は人事担当部長 山崎ぶたぶたと印刷された一枚の名刺を差し出した。 ぬいぐるみが、電車に乗って会社行って、飯食ってた。 ---あまりに正直すぎて、涙が出そうになる。 ぬいぐるみは、かわいい。 思わずキーボードに突っ伏してしまう。いったい夜中に何を書いているんだろう。 第一作目でぶっときた 笑いもあり切なさもありで読ませる作品集 ぬいぐるみが動いたり話したりするという 常識では考えられない世界が繰り広げられているのだが メルヘンになりすぎず程良い感じに色付けられている ぶたぶたさんに会うことはかなわなくとも せめてこのぶたのぬいぐるみが欲しい ■06.02『地の掟 月のまなざし』終了 ■05.02『地の掟 月のまなざし』開始 たつみや 章 講談社[児童文学] クニの女王により白い髪の魔物と見なされたシクイルケを 討つために旅に出ていろいろなものを学んだワカヒコと シクイルケ亡き後ムラに戻ったポイシュマのその後についての話 しんぼうする気になるのと仲直りとでは、 すっぱいブドウと甘いブドウほどのちがいがあるんだがな 権力というものの強さについて 特権に固執する者の愚かさが丁寧に書かれている なにかに執着することはある種の弱さの現れだと 思うのだけれどそれは、あるものごとについて そこまで情熱をもてるという強さでもある訳だよね ■05.02『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』開始終了 吉野 朔実 本の雑誌社[エッセー+漫画] 例えばゴミの日に捨てられていた本を巡る話や アインシュタインの脳を巡る冒険の話など本について 「本の雑誌」で連載されているエッセーの単行本化第二段 読書は自分と本との融合の時間ですが、 私は本を、好きな人とキャッチボールすることから始めました。 だからでしょうか、今でも面白い本に当たるといろんな人のぶつけたくなるのです。 前にも少し書いたけれど わたしと本との出会いは幼稚園のころ それ以来本好きで、小学生の時は本がきっかけで友達が出来たりして 読書に関する幸せな記憶は多い しかしこれを読み切った!って自慢できる本は無い (今度作家の全集を読む予定なので それが自慢本になる可能性は高いかも) 共感することや初めて気がついたことなどいろいろあって 面白い本だった ■03.02『死者は黄泉が得る』終了 西澤 保彦 講談社ノベルス[推理小説] 永遠の命を持っているわたしたちファミリーは 屋敷に迷いこんできたクリスティン・チェイスを殺すことにした それはいつもの手順であったし何の問題もないはずなのだけれど 彼女はなにか私たちを不安にさせるものを持っていた 純粋という単語が、必ずしも良い意味で使われるとは限らない。 要再読図書 前半をあまり集中して読むことが出来なかったせいだろう ■02.02『見張り塔からずっと』開始終了 重松 清 新潮文庫 [短編小説集] バブル時代に首都圏の西の外れの 山間の団地にマンションを購入した わたしたち家族は一億円近くで将来の夢を買ったのだ きっと、優しさは、その程度でいいのだろう。 それを越えた優しさは持つべきではないのだろう。 久々に重松さんの作品を読む。 登場人物の姿を見て感じることによって、 普段気がついていない、いや気がつかないようにしている 自分の中のどろどろした思いをすくい上げ その感触を味わうことが出来た。 なぜ?という問いは人を時として追いつめるという 下りで考えさせられた。 ■31.12『フランクザッパ・ストリート』読了 野中 柊 光文社 [短編連作小説] フランクザッパ・ストリートに住む人々の恋のお話7つ と作中に登場してくるお料理のレシピ付き 普段ダイナーでウェイトレスとして働いている恋人ミミのために 週に一度のお休みの日は朝ご飯を用意してあげるハル そんなふうにいろんなものを見て見ぬふりをして 生きていると、本当に大切なものを見落としちゃうぜ 大人向けの童話 あまーくてかわいくてうへっ!となる場面もあるけれど たまにはこういうのを読むのも良いなと思う 美味しそうな食べ物がなにより沢山でてくるし ■30.12『海がくる』開始読了 安土萌 作 杉田 比呂美 絵 理論社 [短編小説+絵] 第五回星新一ショートショートコンテスト最優秀作 しずかにしずかに海がやってきた 町の西から東へ向かって海は毎日その領域を広げていく 海は 遠くでほほえんでいる。 泡の歯に 空の唇。 海の静かさ青さが心にしみいってきて あまりの懐かしさにほろりとする ■29.12『ナイフが町に降ってくる』読了 西澤 保彦 祥伝社ノベルス [推理小説] 7月28日夏休みの真っ直中 真奈は意中の英語教師岡田のマンションに どうにかあがりこもうと必死で策略を練っていた 今日こそなんとしてもと意気込んでいた真奈だが 突如彼女一人を残して時間が止まってしまう 人間はいつでも”執行猶予”を求めている。 嫌なこと、苦しいことはでき得るかぎり先送りしたいし。 逆に楽しいこと、幸せなひとときは、なるべくなるべく持続させたい。 でも時間は止まってくれない。 何事にも平等に、淡々と過ぎ去ってゆく。通り過ぎてゆく。 ものすごい設定なので犯人はすぐに分かる でもそういうことを気にせずさくさく読める作品 |
PAST 12~1999 01.2000 |
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