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■30.04『風が吹いたら桶屋がもうかる』読了 井上 夢人 集英社[推理短編集] 嫌がらせというのは、本人に被害者意識を 持たせなければ意味がない。 登場人物のうち2人と「爆笑問題」の姿が 重なる。テンポのよい作品だから あの2人を使ってドラマ化しても楽しめるかもしれない。 うん。ぴったりだ。 ■30.04『霧越邸殺人事件』読了 綾辻 行人 新潮文庫[推理小説] 定められた運命というものが、この世界には 存在する。それはつまり、動的な時間の否定に繋がる。 無限の可能性を秘め、未来に向かって進む時間の否定です。 時間は静的な平面、いや、直線に過ぎない。 生も死も、全てはそこに予め配列され、 出番を待っているにすぎないのだ、と 気がつけば今回が3回目の再読。 得意の「隔離された山荘で起こる連続殺人」という設定に 童謡の見立て殺人が加わり、 怖さを増している。 整いすぎているからなのか、パターンにはまっているからなのか… 何か物足りなさを感じてしまう。 ■29.04『東京ゲスト・ハウス』読了 角田 光代 河出書房新書[J文学] 人を見る基準が皆無である、というのは、 かなりのストレスである。 ひとつのことを終えた実感がわかず、 流れ、流されていく主人公達の姿からは アジアの土の匂いがした。 ■28.04『天藤 真推理小説全集(1)遠きに目ありて』読了 天藤 真 創元推理文庫[推理小説短編連作] 理論上は、であった。 これを現実のものとするには もっと沢山の「もし」が要る。 初出が1976年だということを考慮して読む 人情味が溢れる短編集なので、 推理小説を読んでいるときに こんなトリックに最後まで騙される警察なんて おかしすぎると思うような読み手には向かないだろう。 ■25.04『ハンニバル(下)』読了 トマス・ハリス 菊池 光[推理小説] 晩餐は概して味覚と嗅覚に訴えるものだが、 この二つは人間にとって最も古く、 精神の中核に最も近い感覚だ。 この味覚と嗅覚は、精神の中でも <憐憫>の上位に立つ場所におさまっている。 こういう結末かもう一つの結末しか無いだろうなと予想していたのが 大当たりのフィナーレだった。 前作のノリを期待して読むと物足りなく感じる読者も いるかもしれないけれど、これはこれで良いのではないだろうか? なにより楽しめることが大切だから。 ■25.04『ハンニバル(上)』読了 トマス・ハリス 菊池 光[推理小説] 人はともかく”理解”を”共感”と見誤りがちです−−− わたしたちは他人の共感を切望していますからね。 でも、”理解”と”共感”のちがいを学んでいくことが、 すなわち、人間が成長していくことの一端なんじゃないでしょうか。 人は自分に好意を持たなくとも自分を理解できるのだということを 悟るのは、とても苦しく、また興ざめなものです。 面白すぎる。 脇役として登場する豚の活躍に 胸躍る わけないけれど、読んでいるうちに豚に関する雑学も 身に付くし、作家の巧さがひかる 作品 ■24.04『羊たちの沈黙』読了 トマス・ハリス 菊池 光[推理小説] クワンティコのFBIアカデミーの訓練生 クラリス・スターリングはある朝クロフォード特別捜査官より 呼び出しを受けた そして、精神病医ハンニバル・レクター博士と対面し性格特性図表の 作成という仕事を受け彼女はボルティモア精神異常者用州立病院へと 向かった <この不思議な世界、世界の今闇に包まれている この半分の中で、自分は、涙で生きているものを 探さなければならない> 出た当初に読んだから再読 『ハンニバル』を読むための下準備だったのだけれど 前作の『レッド・ドラゴン』から飛躍的に巧くなっていて 非常に面白い (訳者の違いも考慮に入れなくてはならないだろうが) 初版より12年経つけれど今だ古びていないこの作品の魅力は 本好き人間にとって嬉しい限り ■23.04『レッド・ドラゴン』(下)読了 トマス・ハリス 小倉多加志 ハヤカワ文庫[推理小説] タブロイド紙《タトラー》の記者ラウンズが殺害され… 人間は生まれつき平等であると信じることは、 常夜灯のような気やすめにすぎないことをよく心得ていた。 たとえどんなことをしようと、行きつく最後はみんなと同じで、 ゴム管を鼻腔に入れられてベッドに仰向けに寝たまま、 「これで最後なのだろうか?」と思うのだろう。 下巻では犯人の行動、過去そして今が多く描かれているが わたしには何となく腑に落ちないところがあった (きっと犯人の頭が良すぎるからだろう) 最後も急ぎすぎたような感を受けたけれど 面白いことに変わりはない ■22.04『レッド・ドラゴン』(上)読了 トマス・ハリス 小倉多加志 ハヤカワ文庫[推理小説] ある事件を機にFBIから遠のいていたウィル・グレアムの元に 特別捜査官ジャック・クロフォードがやってきた。 バーミンガムとアトランタで起こった一家惨殺事件の捜査への 協力を求められ、ウィルは過酷な世界に戻ることとなった。 知覚力は諸刃の道具なんだ これは初読 シリーズとしてはこの作品が一番最初に出て 次がかの有名な『羊たちの沈黙』、その後が 最新作『ハンニバル』 主人公ウィル・グレアムの感受性の強さに 惹かれ、彼の感じている孤独にシンクロし 闇の世界に共に身を置く気分を味わう ■20.04『美濃牛』読了 殊能 将之 講談社ノベルス[推理小説] 東京の出版社にある有力者により一つの企画が持ち込まれた 時代の最先端を取り扱う雑誌の紙面には全く 似合わない奇跡の温泉の取材をするべく フリーライターの天瀬とカメラマンの町田は岐阜県へと 旅立った 自慰よりは自虐を選ぶ、 長く患った人の一種の防衛本能。 各章が短く区切られていて 物語を追う視点も次々と移り変わる でもだからといって読み進みにくいかというと そうではない。本筋とは別の 様々なこと、例えばアメリカン・クラッシック・ポップや 俳句、料理の話などがテンポよく語られていて 読者を飽きさせない。 ただ全体に対して推理の結末部分が少し弱いように 感じた もう少し短くまとめた方が面白かったかも ■19.04『超少年』読了 長野 まゆみ 河出書房新社[J文学] スミレを探す旅は二一六〇年三月S/U境界市へ 《超−リープ》するところから始まった。 相手の都合をかまわずいきなり用件を切り出したり、 親しさの度合いも測らずに要求したり、 そういう態度はきみたちのような兄弟間でしか通用しないんだよ。 (中略)馴れ合った生活をしてきたにちがいないさ。 異質な相手にたいする心構えが鈍っているんだよ。 久々に長野まゆみを読んだけれど 慣れるまで頭がハレーションを起こした。 随所に出てくる植物の説明は我慢して読むべし ■18.04『風鳴荘事件−殺人方程式U』読了 綾辻 行人 光文社カッパノベルス[推理小説] 1982年12月30日月蝕の夜 作家として、また霊能力者として有名な 美島紗月がマンションの自室で殺された 事件は犯人と目される人物の自殺で 終結を向かえた そして事件から10年後、その関係者を含む 数名の男女が一同に介することになったのだが 十年前の夏。六年半前の冬。 それらと現在との間を埋める時間の、さまざまな断面。 変化したもの、していないもの……いや、変化していないものなんて 一つとしてないのだ。 変わらないものなどない。それがつまりは 「時間が経つ」ということの意味なのだろうから。 シリーズ前作よりは楽しんで書いているよう だけれど、もうどうしょうもないから楽しまなきゃと 作者がふっきったような感じを受けた。 それなりにそれなりの作品 ■18.04『殺人方程式』読了 綾辻 行人 光文社文庫[推理小説] JR横浜線の線路上で新興宗教団体の女性教主が亡くなった 当初は自殺として見られていたが 不審な点も多いため警察は他殺の疑いもあるとして 捜査を始めた そしてまた事件が… ”偶然”こそがすべての出来事の基本要素なのであり… 全体的にぎこちない仕上がり この手のトリックを使った作品だとは 思ってもいなかったので驚いたには驚いたが でも使いこなせてないんじゃ? ■18.04『黄昏の囁き』読了 綾辻 行人 祥伝社文庫[推理小説] 春から東京で大学生活を始めた翔二は 留守番電話で身内の訃報を聞き実家へ帰ってきた メッセージには兄が事故で亡くなったと残されていたのだが 故郷の街では自殺だという噂が流れている ”俺”は一人じゃないって、そんなふうに思えたんだ。 人間は一人ぼっちではないとか、そういう意味じゃなくて。 この世界のどこかには”俺”と同じ”存在の形”を持った奴が、 きっと何人もいるんだろうなって、そんなふうにね。 過去にも現在にも、未来にも。 俺が俺のために生きるのは、だから、そいつらみんなが 生きることとつながっているんだろうな、ってさ。 囁きシリーズ第三段 何かを人のせいにするのは簡単 理解不可能な事象にそれらしい答えをあてがうのも簡単 でもそうやって得た安心は安易に崩れ去り その下から出てきた傷はあまりに醜く ■17.04『小惑星美術館』読了 寮 美千子 パロル舎[児童文学?] 楽しみにしていた遠足の朝、ユーリは大慌てで 待ち合わせの広場に向かった。 そこでバイクにはねられ、銀河盤の上におっこちた。 そして、気がつくと、ユーリは自分が知らない世界に 居ることを知った。 ぼくの心は溢れ出した小さなコップだ。 もう、何も考えられない。 点と点とを繋ぐ線 時折すっと浮かび上がる線の美しさに、おおらかさに やさしさに、 抱かれて、自分もその一部なんだとふと思い出した。 ■15.04『嘘をもうひとつだけ』読了 東野 圭吾 講談社[短編集] ゲネプロの最中、袖で舞台の出来に目を配っている 演出補佐の元に1人の男が近づいてきた。 今、最も歓迎したくない男は少し時間を 割いて欲しいと彼女に頼んできた。 「バレリーナは踊れなくなったらおしまいね。何もかも失ってしまう」 「そうですか」刑事は元の場所に腰を落ち着けた。「でも 別の生き方をしておられる」 「こんなのはごまかしよ。自分を騙しているだけ。 十五年前に全部終わっちゃった」 隣人に、いや自分自身にすら 殺意はふとした瞬間に訪れるものなのだね。 あまりにも普通の生活空間で生み出される犯罪に 怖さよりもの悲しさが感じられる短編集 ■15.04『暗闇の囁き』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] 夏休みのある日、林間学校の行事の一つとして 登山が実施され、四人の少年が本隊からはぐれてしまった。 山中をさまよい歩いている間に、1人の少年が足を滑らせ 崖を転がり落ちてしまう。懸命に斜面を這い登ってきた彼が 目にしたものは変わり果てた三人の級友の姿だった。 「似ている」「似ていない」などという評価は、 非常に主観的で曖昧なものだ。 囁きシリーズ第二段 夏草の匂いがぷんと漂ってきそうな 山中で次々と引き起こされる事件はどれも ぬるりとした感触なのだけれど、 全体はとても幻想的に仕上がっている。 ■12.04『青空学級』読了 合田 ノブヨ 絵 ワタナベカズエ 文 media factory[絵+詩] 「この指止まれ」 いつまでも どこまでも 行けるところまでいこう すれ違いながら それぞれに暮らし すれ違うときに そこに居ることができれば お互いに手のつなげる場所に 居ることができれば どこか郷愁を感じさせる絵に ワタナベさんの詩を添えられているのだが、 絵だけ、詩だけを単品で楽しむのも良いかもしれない ま 人によって感じ方はいろいろあるだろうから ということ ■11.04『黒猫館の殺人』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] 一九九〇年六月雑誌の編集をやっている江南の元に 一通の手紙が届き、間もなく電話がかかってきた。 電話の主は事故で記憶喪失になってしまったが、手元にある 手記からかつて自分が中村青司の建てた館の管理人をしていたことを 知り、江南へ連絡してきたのだった。 夢を見ている最中は大概、ああこれは夢なのだと自覚している ようだし、目が覚めてしばらくのぼんやりした頭の中では、 その映像や音を漠然と想起する事も出来る。 が、意識がはっきりして来ると途端に、それらは何の手触りも残さず に消えてしまうのだった。あたかも、夜と昼、闇と光の世界は決して 融け合う事が無いのだと主張するかのように。 館シリーズ第六段 そうかそうか、そうきたかというトリック。いわゆる大技か。 ■10.04『緋色の囁き』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] いつか見たことがあるような感じを抱かせる 異国の修道館のような煉瓦造りの古い洋館。 それが聖真女学園高等学校の寮で、和泉冴子が これから暮らすことになる場所でもあった。 今のうちにたくさん食べて太っとかないと、 二十歳越えてからのダイエットの楽しみがなくなるぞぉ 囁きシリーズ第一段 (これは間違いなく再読) 綾辻さんお得意の設定(どことなく暗い古い館)だけれど 今回は登場人物が女の人ばかりで どうなるんだろうと思いながら読んだ。 色遣いが限定されていて、その分それぞれが互いの特性を 引き立て合っている世界だった。 ■09.04『時計館の殺人』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] 江南孝明が三年ぶりに島田の元に訪れた あの中村青司が設計した建物の一つ「時計館」に 雑誌の企画で訪れることになったことを島田に告げたところ 彼は強い懸念を示した。 ”現実”は決して強固な実体じゃない。 極論すればそれは、社会というシステムが 人々に見せている一つの巨大な幻想にすぎないわけでね 館シリーズ第五段 集団パニックの描かれ方が上手くて ひたすら怖い ■08.04『人形館の殺人』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] 父が生まれ、父が死んだ街、京都。 その地に足を踏み入れ、彼がずっと1人で暮らしていた 家に「母」と共に住むようになったのだが… 街は淋しいって?---そう。街はいつでも、淋しい。 そればかりではない。 街は時としてそれ自体限りない恐怖でもある。 館シリーズ第四段 最後の最後で混乱させられた はあ…そういうことだったのか ■07.04『迷路館の殺人』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] 一九八八年九月、島田の元に一冊の本が届いた。 タイトルは「迷路館の殺人」著者は鹿谷門美 そしてその本は一九八七年四月に著名な作家の住む「迷路館」で 起こった連続殺人事件を”推理小説的に再現”した作品だった。 いわゆる作品の完成度とか、売れる売れないとか、 そんなのは極端に云ってしまえば、私にとってはどうでもいいことなんです。 こんなトリックは実現不可能だとか、警察の捜査方法の記述が 実際とは違うとかね、細かい作品のキズをあげつらうような評価の仕方も うんざりです。肝心なのは、正にその、何か過剰なものに どれだけ私の心が共鳴するかということであるわけで、 それで云うと、現在の日本のミステリ界の状況は 暗澹たるものであるわけで… 館シリーズ第三段 最初からこの小説の設定の意味するものを 汲み取ろうと疑心暗鬼になりページを何回もめくり返しながら 読んだのだが… 見事としか云いようがない ■06.04『水車館の殺人』読了 綾辻 行人 講談社文庫[推理小説] 年に一度だけ館の主によって選ばれた客が 絵を鑑賞するため訪れる以外はひっそりと門を閉ざしている 水車館 そこで一年前に事件が起こった 1人の人間が亡くなり1人の人間が行方不明になり 一枚の絵がなくなった 現在と過去を交差させながら語られる事件の真相とは… もっとも人間というものは結局、自分たちが生きる社会の ”文化”という”制度”に縛られてしか、 ものを感じたり考えたりできない存在である。 館シリーズ第二段 前作は海の孤島で起こった事件だが 今回は陸の孤島で嵐の夜に事件が巻き起こされる。 こういう状況の雰囲気を書き込める 技術がすごく高い作家さんだと改めて思う。 ■06.04『ごめんね』読了 ひこ・田中 偕成社 [児童文学] どうやら俺は大人になった、らしい。 そんなん急に変わられても困る 俺を置いていかんといてくれ。 一目惚れした女の子のこと、小学校の友達のことや ロールプレイングのこと、楽しいこともいっぱいあるけれど 悩むことも沢山あって、そこでうおさおしている俺って 大人なんやろか?子供なんやろか? チンチンは俺をどんどん変えていく!のかよ。 全文関西弁で書かれているので 関西人以外が読むとどういう風に感じはるのか興味がわく。 ”こども”と”おとな”の違いってなんなんやろ?っていう テーマを今時の男の子を通して書いてはるんですが 男の子って大変なんやね。 弟が2人居るけれどこれを読むまで 知りませんでした。 ■05.04『もつれっぱなし』読了 井上 夢人 文春文庫 [短編小説集] いきなり仕事を休んだ恋人を気遣って部屋に訪れた男は そこでとんでもない話を聞かされる。 彼女が会社に出てこなかったのは風邪のせいでもなく 体調が悪いせいでもなく、昨日近所の氷川神社で とんでもないものを見つけてしまったからだと言うのだ。 〜「宇宙人の証明」を含む6作品 世の中は、説明できないことのほうが多いのよ。 説明できないことは、見ないようにしているだけじゃない。 そこから目をそらせて、見なかった、存在しなかったってことに しているだけよ。 説明できないのが怖いものだから この作品集を読んでいるとまるで2人芝居を観ている気分になる。 どの作品にも登場人物が2人しかいないし、全てが2人の 会話で明らかにされるからだ。 1人が到底現実には起こり得ない話を語り片割れが それに反論していくという設定は窮屈すぎるのではないかと 思っていたが、やりとりが巧みに計算されていて 所々に何気なく描かれているぐっとくる科白が上手く、面白く読めた。 ■03.04『選ばなかった冒険』読了 岡田 淳 偕成社 [児童文学] 保健係のあかりはロールプレイングゲームのやりすぎで 寝不足になった学を保健室に連れていく途中 2人は自分たちが全く知らない場所に足を踏み入れてしまったことに 気がつく。 ここは一体どこなんだろう?元の世界に無事戻ることが出来るの? 2人の冒険が始まった。 その、ひとのことを自分の役にたつというのだけでみるのって、 ひどいと思わない? この物語の中で主人公は常に二つの選択を迫られれる。 それは例えば多数決・少数決のどちらをとるかとか 危険をおかしてでも目的に向かって進むか、 安全な場所に留まるべきかなどで、 どちらを選ぶにしろ、どちらか一つをとった瞬間に 生まれる選ばれえなかった もう一つの道もう1人の自分が生まれ出づる。 長く生きれば生きるほど 多くの生きえなかった自分が 生まれることになるのだけれど、 それらを全部含めた上に今のわたしであるわけ なのだから、潔く生きたいと思っているのだが… ときどき(よく?)うまくいかない。 ■03.04『東京難民ネット』読了 村上 政彦 ハルキ・ノベルス [推理小説] 都内のクリーニング屋の敷地に子供の死体が埋められているらしい という疑惑が同店の周辺の地域住民や子供の通っていた 小学校を中心に広まっていた。 その情報はまわりまわってネットマガジンに投稿され その結果、事件が発覚した。 人には想像力が備わっているけど、 無から有を生むことなんてできない。 想像力の役割はインプットされた情報を加工することだからね。 だからインプットされる情報が 人の想像力の限界をある程度は決めるのさ。 インターネット新聞という新しい形を下地にして ”噂”、”人の欲望”を描いた作品。 登場人物たちそれぞれの視点で多角的に事件を 眺め、真実を探求する作業を楽しんでいると どーんと足をすくわれる。 何が正しいのかなんて 誰が決めるものではないのだけれど 他人の意見一つですぐに心を変えてしまう 自分が居るわけで、読後どっしり考えさせられた作品。 |
PAST 12~1999 01.2000 02.2000 03.2000 |
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