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■27.07『Beat Kids 2』読了 風野 潮 著 講談社 みんながほんのちょっとずつ空気を揺らして音にして、 それが合わさって『音楽』を作ったら、 それは空気を揺らすだけと違(ちご)て、人の心も揺らすことができるんやな。 講談社児童文学新人賞・野間児童文芸新人賞・鳩椋十児童文学賞を 受賞した『Beat Kids』の続編 大阪弁で語られる物語は前作同様軽快でテンポが良い ■27.07『すいかの匂い』読了 江國 香織 著 新潮文庫 せみの声をきくと目眩がするので、夏はあまり外にでない。 そして、外にでなくても、それは執拗に私をとり囲み、耳にはりつく。 鳴き声というのは建物に浸透してしまうものなのだろうか。 短編集 こどもにとって特別な季節「夏」の思い出がテーマ 思い出は懐かしいだけではなく苦みも伴っているんだったと 気づく ■26.07『占い師はお昼寝中』読了 倉知 淳 著 創元社文庫 『どうやって』なんていう脇道に逸れないで、 常に『どうして』という『意志』だけを追えばいいんだよ 倉知さんの安楽椅子探偵物連作短編 作中登場人物が一人も死なない小説は稀 ■25.07『アタシ困リマス』読了 貞奴 著 河出書房新社 滴 見上げると、 落ちてきはしないかと杞憂するほど雨の予感に湿って曇りより 重い空が広がり空がどこまで続くのか判らないここには空を 区切る稜線も水平線もなくあるとすれば所を塞ぐもしくはそこ かしこに穴を穿つ脈絡のないビル群この曖昧さは不快ではない。 流れる雲もなくただ鼻先に在る空を見ていた 空はどこまでも続いている アルプスの羊飼いにも同じ空が広がっているという幻想 私は眼前にそびえるビルさえ乗り越えることが出来ないで居る。 貞奴さんの三冊目の本 少しづつ作風が変わってきているけれど 最後の突き放し方は健在 ■23.07『古書店アゼリアの死体』読了 若竹 七海 著 光文社カッパノベルス お偉いさんのユーモアセンスは、核爆弾とどっこいどっこいである。 余計なスイッチは押すな。 去年出た『ヴィラ・マグノリアの殺人』の続編のようなものでしょうか。 題名にも出ているが今回はロマンス小説専門の古本屋が キーになっているので、本好きには楽しめると思います。 個人的には前作の方が好き。 ■22.07『スクランブル』読了 若竹 七海 著 集英社文庫 こいつらと知り合えた高校生活に、感謝しなくてゃいけないのかとも思う。 それでも、傷はどこかに残っている。 その傷を憎しみ、悲しみ、辛く思いながら、 それでもまだ傷が癒えていないことに、どこかで安堵も覚えている。 一貫教育を掲げている女子校での様々な人間模様が 描かれている。こういう舞台には自分を投影しやすい。 あの頃からめいっぱい背伸びしていたっけ。 ■18.07『猫のゆりかご』読了 カート・ヴォガネット・Jr著 伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫 ・”廿鼠と人間の言葉はかずかずあるなかで、 もっとも悲しむべきは、「だったはずなのに」” ・成熟というのは自分の限界を知ることだ、とぼくは思う。 この二つ目の引用文がずっと頭の中に残っていて 何の本に出てきたのか思い出せず若竹さんや重松さんの 本を再読してみたりした。探し疲れて本の整理をしていたら 『猫のゆりかご』が出てきたのでぱらぱらとページをめくっていたら すぐにこのことばと遭遇した。 探していた物は大抵側にあって、発見されるのを待っている。 ■18.07『ナイフ』読了 重松 清 著 新潮文庫 おとうさん、わたしが生まれてきたとき、どんな子供になってほしいと思った? その期待、今裏切ってないかな。 もし思いどおりに育っていなくても、「期待はずれ」とは言わないで。 あなたの娘は、落ち込んだり後悔したり言い訳したり開き直ったりしながら、 元気です。そこだけ褒めてください。 「いじめ」「家族」がテーマの短編5本収録 何作かはわたしには読むには早すぎたようだ 要再読 ■18.07『なつのひかり』読了 江國 香織 著 集英社文庫 いつだってそうだ。現実というのはうけいれる他につきあいようがない。 江國さんの描くファンタジー 彼女の作品は夏が舞台であることが 多いような気がするのだけれど 気のせい? ■18.07『GO』読了 金城 一紀 著 講談社 「僕たちは国なんてものを持ったことはありません」 本年度直木賞受賞作 韓国籍を持つ著者の視線で捉えた日本を舞台にした 青春小説 いろいろな意見はあるだろうけれど お薦めの一冊 来るべき未来が明るければ良いと願う ■18.07『みどりの月』読了 角田 光代著 集英社 責任とかも嫌いだけどそうじゃなくて(中略)嘘みたいなんだよ、全部さ。 結婚したり家買ったり、あそこで働いたり、何もかも嘘みたいなんだよな。 そのままやってろってだれかに言われたらできると思うんだ、 離婚してまた結婚してさ、結婚式して新婚旅行行って、 子供作れってみんなに言われて子供作ってさ、 雇われ店長だけど一軒店を任されてさ、 おうちもあるし仕事もあるし子供もいるし特に何も問題ははし、 ああ幸せでよかったねぇって、そういうこと、おれできると思うんだけどさ、 今までだってそういうことやってきたわけだし。 でも全部、なんかの真似してるっていうか、 はいここまでよって言われるのを待ってて嘘を演じているようなさ。 でもだれも、はいここまでよって言ってくれねえんだろうなって、 店長なんかになっちゃったら、 もういよいよそういうことにストップかけられないと思っちゃって。 この気持ち悪さは一体なんなんだと ずっと考えながら読む 多分、孤独が故に異物としての他者を 完全に拒否できない自分との関係だと 推測する。 ■18.07『グレート・ギャッツビー』読了 フィツジェラルド著 野崎孝訳 新潮文庫 「ぼくは三十ですよ(中略)自分に嘘をついて、 それを名誉と称するには五つほど年をとりすぎました」 再々読というか既に何回読んだかは不明 読むたびに新たな発見がある いつになるかはわからないけれど 世に送り出されるであろうはずの 村上春樹訳を心待ちにしている (その前に原書に目を通さねば) ■15.07『鉄塔 武蔵野線』読了 銀林 みのる著 新潮文庫 自分で決めた遊戯や仕事の規則に疲れてしまうことは誰にでもあって、 何か好きなことをしている最中でも、 長いあいだには幾度かは嫌気がさして止めてしまいたくなる時期がくることを、 わたしは知っていました。 第六回日本ファンタジーノベル大賞受賞作 映画化もされたのだが、そちらは未だ観ていない。 普通の人にはただの風景の一部である 鉄塔に魅せられた少年の一夏の冒険が描かれているのだけれど 目の付け所がユニーク 照りつける暑さが文章からにじみ出てくるようで 夏にお薦めの一冊 ■14.07『「そうだ、村上さんに聞いてみよう」』読了 村上 春樹 著 朝日新聞社 「残る」ための三つのポイントは 1)自分に甘えない 2)でもかりかりしない 3)そして大きく出ない ことです。 村上さんのホームページに寄せられた読者からの 質問に対するお答え集 以前発売された『夢のサーフシティー』はCD-ROMだっただけに 読み進めるには画面との過酷な闘いを強いられたのだが 今回は印刷なので読みやすかった。 読んでいて前ほど重度の春樹信者じゃなくなったと 感じたのだけれど、読後それは間違いで、年をとったなりの 愛し方をしていることを知った。 ■14.07『僕の恋、僕の傘』読了 柴田 元幸 編訳 角川書店 健全な人間でいるために必要な愛を持っている人間なんてどこにもいない、 人はみんな愛を探していて自分の傷を他人にたらい回ししているだけだ、 それが父さんの持論だった。 東大の名物助教授柴田先生選の短編集 今最も安心して読める翻訳家の文章はやはり 心地よい ■12.07『ゾウの時間ネズミの時間』読了 本川 達雄著 中公新書 動物においては、時間は体長の3/4乗に比例する。 動物はそのようにデザインされていると言ってもいいだろう。 東工大の名物教授本川先生の著作は 二年間で45版めの刷り上がりという売り上げ。 これもひとえに本川音頭が(正しくは「一生のうた」 巻末に付録として収録されている)大ブレイクしてる おかげでしょう。恐るべし歌う生物学者 ■12.07『九年目の魔法』読了 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 浅羽莢子訳 創元推理文庫 願いごとばかりで人生をむだにするな わくわくどきどきしながらページをめくる。 この面白さはどこかで知っていると感じていたが、 あとがきをみて思いあったった。 これは大人向け『赤毛のアン』だったのだ。 ■12.07『沈黙』読了 村上 春樹 作 全国学校図書館協議会 人は勝つこともあるし、負けることもあります。 でもその深みを理解できていれば、 人はたとえ負けたとしても、傷つきはしません。 人はあらゆるものに勝つわけにはいかないんです。 人はいつか必ず負けます。大事なのはその深みを理解することなのです。 この作品が学校で授業で読まれているのかと思うと、 大人の意図が見えすぎて、気持ち悪くなった。 悪い作品というのではないけれど、村上さんのなら もっと他に読んで欲しいものがある。 ■11.07『バスルーム寓話』読了 おかざき 真理 作 飛鳥新社 ”つらさ”だけは売り物にしてはいけませんよ それだけは買われたとしてもいい結果が出ない そしたらまた繰り返しです つらい時に失敗の種まくもんじゃないです 漫画 最初は独特のコマワリに少しとまどったが 慣れるとなかなか面白い ■11.07『蘆屋家の崩壊』読了 津原 泰水 著 集英社 「またたくさん小説が書けますね」 「書けます。でも事実をそのまま写したりはしませんよ。小説ですから。 胸の底にしまって一度忘れて、それがいつか 自分の物語として甦ってきたとき、自分の言葉で描きなおすんです。 そうして初めて奇跡も怪異も、生じた瞬間と等しい力を持ちます。」 短編連作集 近頃では珍しいくらい怖さを感じた。 ■11.07『ポケット・フェティッシュ』読了 松浦 理恵子 著 白水社 自分の感受性に偏りがあることははっきりと認めていても、 それが世のコモン・センスに照らしてどのくらい偏っているのか、 ということはなかなかわかり辛いものだ。 エッセー等 かなり偏ってます。 ■11.07『散歩の時間』読了 杉田 比呂美 絵と文 晶文社 落ち葉の やわらかい感触。 せまい道へ 道へと 勝手に進んでいく足。 気が付くと ずいぶん遠くまで来てしまった。 どんどん どんどん 踏みはずしていく。 絵本 いつもの水彩画の方が好き かな ■11.07『哲学者とは何か』読了 中島 義道 著 ちくま文庫 自分が死ぬと世界はまるごと意味を失う。 たとえ意味以前の「何か」が残ると信じているにせよ、 それとてやはり自分がそう意味づけたものだから、 全世界は自分の死とともに文字通り消え失せてしまう。 そこに「残るもの」は何ひとつないのである。 短文や対談など 「ある個人を嫌うことができる人のみが、 ある個人を好きになることが出来る」とか 「『AをAだから愛し、BをBだから憎む』というこの宿命的な構造を、 人間であるかぎり、誰も免れることはできない。」の辺り 言い切られると安心納得。 ただ最後の方の対談は難しかった。 ■08.07『空想哲学読本』読了 宮増 章成 著 洋泉社 哲学的思索をしていると、なにもかもが透明になったような 満足感を得る瞬間がある。しかし、周りの世界が ずっと透明であるということは、じつは不透明だということなのだ。 なにしろずっと先が見えるわけだから、 その先はどうなっているのか考えていくために かえってなにも見えなくなってしまう。 漫画を例に哲学を学ぼうという趣旨の本 ガンダム・巨人の星からセーラームーン果てはときメモまで 様々な素材が取り上げられている。 著者のさぶいギャグにも負けずに読むと 哲学ってこんなんなんや?と興味をもてるようになるかもしれない。 ■07.07『少年探偵虹北恭助の冒険』読了 はやみねかおる 著 講談社ノベルス 「願いを叶えるのは、あくまでも本人の努力です。 誰かに叶えてもらうものじゃありませんよ」 短編集 これは子供でも読めるような探偵小説 ■06.07『夢の守り人』読了 上橋 菜穂子 著 偕成社 人はなぜ、身体にありあまるほど大きな魂をもってしまったんだろうね? <守り人シリーズ第3段> ふむ 似たようなことばを確かP.K.ディックが言っていた これは永遠のテーマ ■05.07『コンセント』読了 田口 ランディ 著 幻冬舎 そうだ。確かに未来と過去は相似形なのだ。 この瞬間、たった今を変えなければ、同じような形の未来があるだけだ。 とても売れているというので買ってみた 「ひきこもり」が主題 途中から頻繁に登場するパソコン関連の比喩に 違和感を感じた ■04.07『原罪(上)』読了 P.D.ジェイムス著 青木久恵訳 ハヤカワ文庫 感情にいい悪いはない。感じるものは感じるんだよ。 再読そして久々のジェイムス ロンドンの灰色風景を思い浮かべながら読む ■04.07『わたしが幽霊だった時』読了 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 浅羽莢子訳 創元推理文庫 あんたらのこと、罪のない子供だったなんて言う気はないよ。 悪いことは悪いし、害は害なんだ。いくつだろうと。 それでも子供っていうのはいろいろやるもんだろう。 勝手させときゃ何だってやりかねない。あたしに言わせりゃ、 あんたのおとっつあんは笑い飛ばしてすませるべきだったんだよ。 自分のこと悪い人間だなんて思いながら大きくなりたかないだろう。 一番害になるのはそこさ。 自分は悪い人間なんだなんて思っててまともに育つわけがない。 何故か入り込めなかった 出来れば再挑戦したい本 ■03.07『闇の守り人』読了 上橋 菜穂子 著 偕成社 くだらない−−−けれど、どうにもならない自分の気持ちに、 とことんつきあってみよう。 そして、つきぬけたさきになにがあるのか、みてみよう…。 <守り人シリーズ第2段> 泣かせます ■03.07『精霊の守り人』読了 上橋 菜穂子 著 偕成社 なぜととうてもわからないなにかが、とつぜん、 自分をとりまく世界をかえてしまう。 その大きな手のなかで、もがきながら、ひっしに生きていくしかないのだ。 だれしもが、自分らしい、もがき方で生きぬいていく。 まったく後悔のない生き方など、きっとありはしないのだ。 <守り人シリーズ第1段> 野間児童文芸新人賞・産経児童出版文化賞受賞作 誰にでも目に見える世界と特別な人にしか見えない世界 二つの世界を舞台に繰り広げられるドラマ ■03.07『Tバック戦争』読了 K.Lカニグズバーグ 著 岩波少年文庫 生きてるあいだにふりかかったことを 何から何まで全部説明できるとしたら、 すっごく頭がよすぎて生きていけないか、でなきゃ、 生きていけないほどすっごいまぬけか、どっちかってことよ。 Tバックとは説明するまでもなく例のTバックである アメリカ社会を考えさせられる作品 集団で生きているといろいろあるけれど ものごとの捉え方は個人に委ねられている 前向きにいきよう ■03.07『クローディアの秘密』読了 K.Lカニグズバーグ 著 岩波少年文庫 「ぼくだって、生まれてからずっとケチだったわけじゃないだろ?」 「あたしが知ってからはずうっとそうだったわよ。」 「そうか、おねえちゃんはぼくと同じくらい長くぼくを知ってるんだね。」(中略) 「そうよ。(中略)あんたが生まれるまえから、 あたしはずっといちばん上の子だったのよ。」 テンポがよく読みやすい作品 少女とその弟のイニシエイションが描かれているのだけれど 大胆な冒険にハラハラさせられたり 少女の真意に切なくさせられたりで 少年少女だけではなく大人でも十分楽しめる作品 ■02.07『ティパーティーの謎』読了 K.L.カニグズバーグ 著 岩波少年文庫 いるってことを知らなければ、 いないってことにも気がつかないということなんです。 カニグズバーグ二度目のニューベリー賞受賞作品 複雑な家庭の中生きている子供達四人のお話 子供は大人が考えているよりずっと いろいろなことを感じ、多くのことを知っている そんなこと知っていたつもりだったのに 忘れていた。 ■30.06『小説ワンダフルライフ』読了 是枝 裕和 著 ハヤカワ文庫 自分はあの時、選ばなかったのだろうか。 それとも選べなかったのだろうか 映画の後監督によって書かれた小説 小説だけでも楽しめるけれどやはり映画を観てから 楽しまれることを薦める セットでかなりお薦めの一冊と一本 今まで生きてきた中で一つだけ思い出を選ぶとしたら わたしは一体何を選ぶのだろう |
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